政略結婚に失敗した公爵令嬢が家を追い出されるのでメイドと結婚しました
しいず
政略結婚に失敗した公爵令嬢が家を追い出されるのでメイドと結婚しました
「もうお前はこの家の人間ではない、後は好きに生きろ」
これは実の父親から言われた言葉である。
わたしはアスセンリア王国の公爵家の令嬢・・・であった、リリアーヌ・リットン。
実際は勘当された訳であはないが、娘として扱われなくなったので実質に過去形。
リットン家は王国の2大貴族の1つであるが、父から3代前からライバルのグリフォン家の
後塵を拝していたが、グリフォン家に娘がいなため巻き返すチャンスが来たと
王妃になるべく教育を受けてて、妃候補のなり家格をみて他のライバルは辞退したため婚約確定と思われた。
だがしかし、グリフォン家は第一王子のヒーリッチ殿下が地方のジョンズ男爵家の娘の
フォスティーヌ嬢と密かに恋仲になっている事を知り、フォスティーヌ嬢を養子にして
殿下と婚約するという離れ業を行ったのである。
お父様はそれに大激怒し政略結婚の駒としてしか見てなかったわたしは不要となり家を追い出される事になった。
15歳にして家を追い出され事が決まったが、今すぐに家を出て行く訳ではないがすでにカコー地方という流刑地へ行く事は決まっている。
カコー地方はカコー山脈は大陸でもっとも高い山脈であり、最も厳し場所で1年12か月のうち8か月雪に閉ざされる場所。
行く場所はそこまで厳しい所ではないが、それでも年の半分近くは雪に閉ざされる。
ただでさえ過酷な土地であるが、王都で貴族として育った者にとってはさらに過酷。
とはいえ、流刑ではないのでしっかりしとして家があるものの、外部との接触はほぼ無くなる。
ただ、これを回避する手立てがまったくない訳ではなく数年の猶予がある。
無慈悲な父親であるが、15歳の公爵令嬢なので殿下以外の王族と結婚できないかと動いたが王族からは全てお断りされた。
こうなると貴族との結婚になるが、権力が弱まっている事と父の性格が災いしてこちらも全てお断りされている。
さらに貴族の学院も強制的に退学されられ、屋敷の奥に軟禁されカコーへ行く日になるまで座して待つだけであった。
勉学や剣や魔法の稽古、習い事も無くなり全くやる事がない。
やる事といったらお酒を呑んで食べるだけの日々であった。
そんな日々が3年程続き、かつては可憐と言われたわたしの体型も人もすっかり変わってしまった。
「今日も呑みすぎでよ、リリア様。お身体もこのようなってしまって・・・」
「わたしなんても誰にも必要としてない人の容姿なんて誰も気にしてないわ。半年間、誰も会いにきていませんし」
「わたしがは気にしてます。あんな可憐だったリリア様が今ではオークのような体になってしまって悲しいです」
昼から酒を呑んですっかり堕落し、運土もせず飲んで食べるだけだだったのでかなり太ってしまった。
15歳で飲酒と思うかもしれないが、この国には飲酒を年齢で規制する方はないので飲酒しても罰せられない。
何時もの様にメイドに止めれているが無視しお酒を呑み続けて、昼間であるがワインをすでに2本空けたいた。
「お父様に要らないと言われ、屋敷に軟禁されて外にも出られず、訪問する者もいないのだから体型を気にしても無意味です。
カコーで寒さに凍えて死ぬのだったら、いっそのことここで死んでお父様に対する最後の反抗をするだけ・・・」
「そんな事言わないでください。わたしはどんなお姿でもリリア様の近くに居ます。だた、以前のリリア様に戻ってください。まだカコー行きを回避する方法はありますよ」
「こんなオークみたいな女を娶るもの好きなんていません。実際に、王族も貴族にもお断りされています。
やる事はこうしてお酒を呑むだけ・・・」
テーブルに臥せると、空き瓶に当たりそれが転がるが慌ててメイドが瓶を押さえる。
「男性が無理ならば、女性と結婚すればいいのですよ」
「確かに、女性同士の結婚は認められていて、友人の中でも女性と婚約してる方はおりますが・・・」
この王国は大陸でも珍しく、女性のみであるが同性婚が認められている。
その理由は聖教が女性同士の同性婚を認めているからであるが神話で開祖アズが女神同士から生まれた女性であるためだ。
さらにアズが女性同士で子を作ったという伝説もある。
しかし、アズは男性であり、女神同士から生まれたのは捨て子で姉妹または母親と娘に拾われためと言われている。
アズが生きていた時代の文献によると
『男であるが容姿は成人になっても髭や体毛がは生えず、顔も女性の様に美しく、胸も膨らんでいて女性の様だったが女性と子供をもうけた』
と記されている。
ただ、聖教はこの文献の内容を偽書して認めらていないが、学者の間では本物とみなされているが
聖教に逆らう事はしないので、公式では創作としてはいる。
また別の文献では
『女であるが妻を娶り、女同士で子供を作れる秘薬を作りそれを使い女同士で子供をもうけた』
とあるが、どちらかというとこっちの方が創作と思われるけど。
「お父様はお相手の性別は決めておらず女性でも認めると思いますが、やはりお相手がおりませんしので…」
「大丈夫です、わたしがリリア様を娶りますので!」
「何を言ってますの、エル・・・冗談でもそう言う事は辞めてください」
「冗談ではありません、本気です!ただ、あくまでもカコーへ行かない為の形式的なものですが」
「そうですね、形式的なものですよね・・・。結婚すれば財産も手に入りますし」
「すみません、言い方が悪かったです。
わたしはリリア様を公爵令嬢だからではなく、1人の女性として愛してます。
ただ、公爵令嬢の専属とはいえ雇われの平民のメイド、ヒーリッチ殿下とご婚約をすればわたしはメイドを
やめ故郷へ帰るつもりでしたが、このような事になってしまいした。
カコーに送られるのならば、結婚してわたしと故郷で一緒に暮らして一緒なはずです。
なので、わたしと結婚してください!」
エルから思っていなかったプロポーズを受けた。
エル事、エレオノールはわたしが3歳の頃から身のお世話をする専属メイド。
幼い頃、わたしがエレオノールが言いにくいのでエルと呼ん以来、現在もエルと呼んでいる。
幼い頃から一緒におり、姉のような存在で何でも話があってお互い話さなくても何を考えてるかわかる関係で
冗談か本気なのかはエルの目を見てわかるが、これは本気の目だ。
「確かに、嘘ではないようですね・・・。しかし、わたしをそんな風に思っているとは知りませんでした」
「はじめは自分でも家族として愛していると思いましたが、成長したお姿に性的興奮を感じるようになって・・・これは家族愛とは違うと思いました」
恥ずかしそうにエルはそう言うが・・・これも本当の様ですね。
「そうですか・・・。カコー行きが回避できるのならば、良いお話です。ならば、お父様に結婚すると伝えましょう。本日は屋敷の執務室におりますし」
「ほんとうですか?ありがとうございます。では、早速行きましょう」
「待ってださい、お父様の前に酔った状態で行くのは・・・」
「逆です!酔っておかしな事を言っていると思われた方が良いです」
「そうですか?余計お父様に見放されされるのでは・・」
「カコーに送られそうになってる時点で、完全に見放されていまので問題ありません。では、いきましょう」
そう言ってエルに強引に連れていかれる。
屋敷の奥に軟禁されているが、お父様のに会う事は許されていたので監視付きであるがお父様の執務室へ向かう。
お父様の執務室のドアをノックする。
「誰だ」
「リリアーヌとエレオールです、お話があってきました」
「そうか、入れ」
執務室入ると、お父様は書類の処理をしていた。
「で、なんだ、2人そろって」
お父様はわたし達の方は全く見ない。
「実はわたしとエレオールは結婚したいと思います」
「何を言うと思えば、そんな事か。酒の匂いがするが酔ってバカな事言ってるだけか?」
「いえ、違います、本気です!」
エルがそう言うと
「そうか、なら結婚するがよい」
「今なんと・・・」
「だから、結婚すればよい。女同士の結婚は王国も聖教も認めておるから問題はない。
どのみち、嫁にとる男などおらぬだろう。一生、独り身でいるならば、女同士でも結婚するほがましだ」
「意外と、あっさりなのですね」
「ヒーリッチ殿下と結婚できぬ時点で用なしになった娘だ、止める理由などない。たとえ相手が平民であっても厄介払いできるならかまわん」
「そうですか…」
「で、いつ結婚する。流石に今日明日は無理だが、書類だけならば3日もあれば準備できる。
リリアーヌの結婚許可のサインはしておく。あとは誰かが書類を出せえばよい。
ついでに、平民になる手続きもしておく。餞別して分配する予定だった資産も先に渡しておく。
あとは2人で自由にどこにでも行くのだ」
「わかりました、お父様。それでは失礼します」
お父様の事なので激怒するかと思ったら、厄介払いできるためあっさり認めてくれたのであった。
執務室をでるが、あまりにもあっさりとしていてわたしは何も言えず奥へと戻った。
「ショックでしたが?」
「ええ、わかっていましたが実の父から厄介払い出来ると言われたら・・」
「確かにそうですね・・・。ただ、わたしは何があってもリリア様と一緒に居ますよ」
「ありがとう・・・エル。なんか、急につかれました・・・自分の部屋で休みたいわ」
「わかりました。では、お部屋へ」
自室へ戻り、そのままベッドに倒れこむ。
お酒を呑みすぎたせいもあるものの、改めてお父様から要らないと言われてさらにショックを受けた。
もし、エルが居なければこの場で命を絶っていたに違いない。
「エルが居なければきっとこのまま死を選んでると思います・・・」
「リリア様はまだお若いのです、まだやり直しができますのどうか生きてください」
「そうですね、自分で命を絶ってはいけませんね。エルとの結婚を認められて資産も受けとれます。エルの故郷で平民として暮らす事にします・・・」
「ありがとうございます、わたしは嬉しいです。ただ、お酒はやめてください、お体に障ります」
「ええ、わかったわ。これを期にお酒は控える・・・」
「控えるのではなく、や・め・る・の・で・す」
エルがこのいいっ方をする時は少し怒ってる時だ。
「わ、わかりました、金輪際やめます」
「わかりました。ただ、お酒をやめるには飲まないように別な事をしなければいけませんね。
そうですね、まずは運動をしましょう。剣の稽古ならわたしもできますし、中庭を散歩するだけでもいい運動になるなります」
「ええ、わかったわ・・・」
政略結婚に失敗して半年、わたしは屋敷に引きこもり酒を呑んで食べて寝るいう生活で太ってしまい自分でもオークみたいと思っていた。
なので、屋敷を出るまでエルの為に出来るだけ以前の体型戻れるように努力して、お酒をやめるを決断した。
翌日から剣術の稽古を再開をする。
わたしの剣術の指導役はすでに解雇されてしまったが、エルはメイドであるが、護衛の役目もあるので剣術を会得し剣士の称号を得ているほどだ。
剣士の称号は王国が主催する4つの大会のうちどれか1つで優勝しなければ得られない称号なので、この称号を持っている時点で十分強いのである。
「まずは素振りからはじめましょう」
練習用の模擬剣で素振りを始めるが、以前は軽く感じていた模擬剣が重く10回目程度から息が切れてる素振りどころか持っているもの大変なぐらいだ。
かつては100回200回は余裕で出来たなのに、半年でここまで筋力が落ちるとは・・・。
「す、すみませ、エル、もう、だめです・・・」
「半年間、お酒を吞んで寝てるだけでしたからね。無理するのも良くありませんので、剣はこれぐらいにしましょう」
「わ、わかりました・・・」
「とはいえ、何もしないのも良くないので中庭をゆっくり歩きましょうね」
中庭と言っても、かなりの広さで散歩するだけでもいい運動になる。
考えてみれば、中庭はお酒を呑むだけに出ていたのでこうして歩くのも久しぶり。
秋の陽気が心地よく、こうして歩くだけでも気晴らしに。
ゆっくりともくもくと歩くが・・・数分歩いたらすぐ息切れが。
「い、以前は・・・は、走っていた、な、中庭を・・・あ、歩くのがこんなにと思いませんでした・・・」
「こんなに太られましたら、大変ですよ。オークみたいと言いましたが、オークは動けますので・・・」
その先は何も言わなかったが、言いたい事は大体わかり「オーク以下」と言おうとしたのだが抑えのであろう。
「考えてみたら、半年間に4回も仕立て直しましたね・・・。今着ているものも少しきついですし・・・」
「これ以上、お太りになりましたが、さすがのわたしでも結婚は無かったことにしますよ」
「わ、わかったわ、元に戻るのは無理でまずは服のサイズを1つ戻します・・・」
「そうですね、少しづつやっていきましょう。無理すると途中で挫折してさらに酷くなりますので」
「す、そうですね」
「ただ、抱き心地は今の方がいいですが・・・。ただ、身長の割に胸が大きい以前の姿をまた見たいです」
そいうと、エルはわたしに抱きつくが身長はエルの方が高いが、胸はわたしの方が大きかった。
「こちらの肉はリリア様の方がついてますが」
そういうと、おなかの肉をむにゅっとつかまれてとても恥ずかしいです・・・。
これは早く痩せないといけませんね、エルが居なくなったら本当にわたしは1人になってしまいしそのまま死んでしまいそうです
私に付いていた何人もの執事やメイド、家庭教師、剣術や魔法の指導者などは執事はクレマン、メイドはエル以外は強制的に辞めさせられてしまった。
また、クレマンもわたしとの接触はお父様が用事を申し付けた時だけになったしまったが
お父様が申し付ける事はまったくないと言っていいので半年前から1度も会っていない。
食事を運ぶメイドがいるが、運ぶだけで話は全くしない。
食事以外の食べ物はエルが厨房や食糧庫係のメイドや調理人に頼んで手に入れてくれていた。
ただ、これからは出させてた食事だけで我慢する事にする。
「しかし、本当にこんな風になってしまっては恥ずかしいわ・・・」
自分の姿を姿見で見るが、しっかり鏡をみたのは1か月ぐらい前に服を仕立てた時以来出あったがその時よりもさらに太っているのが自分でわかる。
「クレマンさんが近くに居たらリリア様をもっと強く叱ってくれてここまでにはならなかったでしょうね・・・。
わたしはリリア様を好きなのもあって、いけないと思いながら甘やかしてしまいました・・・。
ただ、クレマンさんが居たのでわたしが解雇されずに済みましたので、わたしもお礼がいいたいです」
「そうなんですか?」
「はい、わたしも解雇対象でしたがクレマンさんが幼い頃から一緒に居るので、メイドではなく姉として慕われているので一緒に居させて欲しいと頼みました。
クレマンさんに言われたら公爵様も折れるしかないので、こうして今も側にいられます」
「そうだったのですね・・・。クレマンには礼を何度言っても足りないですね・・・」
「そうですね・・・」
「しかし、今日は少しとは言え久しぶりに体を動かしたら眠くなりましたので、お酒を呑まずに眠る事にします・・・」
「そうですね、今日は全くお酒を飲んでいませんからね。まだ1日ですが、1日でも我慢できた事がすばらしいです。
お眠りになるまで側にいますので安心してお眠りください」
「ありがとう、それではおやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
エルが手を握ってくれている安心感と1日中庭で過ごしたのち心地よい疲れで眠りについた。
この半年間のわたしは昼も夜も関係なく常にお酒を呑んでいる生活だった。
殿下の婚約が他の方に決まるやいなや、屋敷の奥に軟禁され知らない間に学院を退学になっていた。
さらに、執事やメイドもクレマンとエルだけを残してみないなくなってしまった。
学院をやめた事を心配になった友人や学友が様子を見に来たが、お父様に脅されて追い返されて以来誰も訪ねる者がいなくなった。
やる事もなく、部屋に閉じ持ってるだけでの生活は精神に多大な影響を及ぼし、ショックと不安からくるストレスを
お酒と食べる事で解消してこのようになってしまった。
最初の内はいけないと思ってお酒を飲まないようにしていたが、飲まないと不安で手の震えてが起こり
それを解消するためにお酒を飲むという悪循環。
こんなわたしを見てエルがお酒を取り上げる事もあったが、わたしが騒ぎ暴れてエル自身が身の危険と
わたしを傷つけたくない思いで渋々お酒をおいて部屋を出て行った。
お酒を呑みすぎて限界になると、そのまま倒れて所かまわず眠りにつくというよりも意識がなくなってベッドに行けないというのが正しいだろう。
こんな状態では眠っていないのと一緒で、お酒が抜けても頭がすっきりせずさらに禁断症状が出てくるようになり
これを解消するためにお酒の量が倍々に増え行き、1か月後にはお酒が手放せなくなってしまった。
こんな姿をみてもお父様は医者などに診せるどころか何も言わず、黙って酒を与えるだけだった。
もしかしたら、酔った状態で自分で死ぬように仕向けてていたのかもしれない。
ただ、エルは常にわたしの様子を見て床に眠っているようだったらちゃんとベッドに寝かせてくれり
飲みすぎによる嘔吐物の掃除や漏らした下の世話をしてもらったが・・・今考えると顔から火が出るどころか消し炭になるぐらい恥ずかしい。
ただ、今夜はこうして久しぶりに安心して眠りにつくことができた。
久しぶりに、朝に目が覚めた。
以前はこの時間に目覚める事は普通だったのに、朝目が覚めた事が不思議なぐらいだ。
「おはようございます。どうやら夜も飲まずにいられた様ですね」
エルが私の様子を見に来たが、わたしがちゃんと眠ったため自室へ戻ったようだ。
「ええ、昨日はお酒をのみませんでしたわ」
「それは良かったです。ただ、まだ1日だけです。特に2日目以降の数日が辛いと物の本に書いてありました。
ただ、ここを耐えれば楽になっていくと言いますのでがんばりましょう」
「ええ、わかりました」
「今日も天気が良いので、昨日同様に中庭で過ごしましょう」
「そうですね、昨日はそれで久しぶりに気持ちよく眠れましたので、今日も身体を動かす事にします」
今日も秋のいい天気。
まずは中庭を散歩して、少しづつ体力をつけて言事にするが、久しぶりに運動をしたせいで筋肉痛もでていて、歩く速さは昨日より遅くなっている。
「身体が痛いのは効果がある証拠です。無理しない程度に動かせば数日で楽になりますよ。
そうしたら、また以前の様に剣のお相手してください」
「ええ、そうなるように努力します」
以前はエルと同等に競えるぐらいの剣の腕があったが、今では訓練用の模擬の剣ですら重くて振る事もやっとだ。
真剣で時々素振りをしていたが、真剣は練習用の模造の物と違ってさらに重さがあるがそれでも軽々と降っていた。
多分、今の状態で真剣をまともに持つ事も出来ないだろう。
早く鍛えなおしてまた真剣を扱えるようになりたい。
午前中、中庭で2人で過ごしていると、お父様の付のメイドがやってきた。
「お嬢様、エレオノールとのご結婚のための書類ができました。お二人のサインが居るのでお願いします」
「ええ、わかりました」
結婚する者同士のサインを書類にしたが、これで本当にエルと結婚する事になると実感がわいてきた。
「お二人ともありがとうございます。これで本日中に提出されますが、結婚が認定されるまで1週間ほどかかります。
あと、お嬢様にはこちらの貴族から平民になる書類のサインをお願いします」
「ええ、わかりました」
貴族から平民になる届けての書類のサインをするが、これはリットン家の娘でなくなる事でもある。
すでに娘と思われてないのだが、この書類にサインをしたことは法的にお父様の娘でなくなるのだ。
「貴族から平民になる手続きはかなり時間が様子します。特に公爵家の令嬢となると数か月かかるでしょう」
「そうですか、わかりました」
「サインをいただいたのでわたくしはこれで失礼します。あと・・・」
メイドがわたしに近づくと
「エルは夜のお世話も上手なので、期待してください」
っと囁いて去っていくくが、エルに向かって親指を立てて笑っていがそれを見てエルは赤くなっていた。
「まったく、リゼットは・・・」
「あのメイドと仲がよいのですか?」
「仲が良いというか・・・かなり良かったです」
「夜のお世話も上手いとはどういう意味ですか?」
「え、リゼットはそんな事言ってたの?まぁ・・・そういう意味ですが、リリア様には少し早いですし、そのうちわかりますので」
大体、何のことなのかはわかるものの、わたしも恥ずかしくてこれ以上は聞かなかった。
ただ、上手いと言ってる事は知っているという事は夜のお世話をあのメイドにしたという事になる。
「はっきりいえば、夜を共にした身体の関係です。メイドは外部との接触が少ない上、男性と会う機会も少ないですし制限されています。
なので、同性どうしで・・・そう言う事をするのです。中には結婚する者のいますし・・・」
「あわわわわわ」
話を聞いていたら、自分でもよくわからない声が出来てて顔が真っ赤になった。
「え~と、リリア様大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫ではありません、わたしにはまだ早いです。もちろん、結婚したらすぐ後継ぎを作る為にそういう知識も教えられてます。
ただ、近くにいる者同士がそういう事をしてると思うと・・・」
「いくらリリア様と何でもお話しできる仲と言っても・・・自分の性に関する部分は話せないというか・・・こうなるので話してませんでした」
た、たしかに、わたしにとって性の話は早いですし、エルは10歳も年上の大人の女性ですからそう言う事もしますよね。
ただ、それが女性同士だった事が余計に・・・。
でも、エルと結婚するのだから、わたくもエルとそう言う事をすると思ったら・・・。
「も、もう耐えれません・・・」
わたしは想像したらきゅうって言って倒れてしまった。
どれぐらいたったか、目が覚めたというか意識が戻った。
「お目覚めですか、結構な時間・・・眠ってましたよ」
日の高さから午後になっていると思われる。
「昼食の準備ができていますのでお食事をとりましょう」
「ええ、わかりました」
まだ少しふらつくので、エルに起きるのを手伝ってもらい用意された昼食をいただく。
食事は料理人が作り、専門のメイドが運んでくる。
なので、エルは常にわたしのそばにいる事が出来るが、わたしから目を出来るだけ離さないようするためにお父様に直談判したそうだ。
ただ、最初の内はメイドの言う事なので相手にされなかったが、これもクレマンさんが説得して受け入れてくれたそうだ。
本当にクレマンさんが居なかったらどうなっていた事だろうとつくづく思う。
ただ、直接お礼が言える状態でないのが辛い。
食事をし後はまた中庭を散歩する。
何も考えず歩くだけでかなり気分が楽なり、この日も夕方まで散歩し夜の食事をしたら急に眠くなり
この日もすぐにベッドに入ったが、今夜は夜中に目が覚めてしまった。
昨日よりさらに早く眠りについたのもあるものの、単にそれだけでなく手足が震えており禁断症状がでて目が覚めたのだった。
部屋にはお酒を置いてなく、すぐ取りに行けない様に鍵のかかった中庭の離れに置いてある。
中庭に出るドアにも鍵がかかっており、どちらの鍵もエルが持っている。
エルもこの時間は眠りについているだろうし、ここは耐えないといけない。
しばらくは何とか耐えていたが、全身から汗が出てきて震えも強くなり心臓の鼓動もはやくなっている。
エルが2日目から禁断症状がかなり辛いと言っていたが、思った以上に辛い。
お酒が欲しくてたまらなく、今すぐ飲みたいがエルの為に耐えないとない。
葛藤と欲求で頭がどうかしそうで、震えがと汗がとまらず奇声をあげてベッド上をのたうちまわる状態になっていった。
お酒が欲しくて欲しくてたまらず、このままではもう身体が耐えれないと思いベッドから出た所を最後にしばらく記憶が途絶えたのだった。
次に記憶が戻った時は緊縛をされてエルに抱きしめられていたが、何がどうなってこうなったのだろう。
「なんでエルがわたしの部屋に・・・。そしてなぜ緊縛されれているのですか・・・」
「違います、リリア様がわたしの部屋にいるのです、覚えていないのですね」
「も、もしして、わたしは・・・」
「大丈夫です、よく耐えました。一時はどうなるかと思いましたが、わたしが強くてよかったです」
エルに話を聞くと、どうやら記憶が途絶えあたりから部屋を出てエルの部屋に来てお酒が欲しいと言って
鍵を奪おうとしたが、エルに押さえつけられてエルが使える数少ない魔法で緊縛し拘束して禁断症状が収まるのを待って抱きしめてくれたそうだ。
「わたし・・・そんな事を」
「心配しないでください、お互い怪我はありません。剣術以外の技もわたしはうまいのですよ。
ただ、拘束の為の緊縛の魔法を覚えておいて良かったです。魔法が使えなかったら、リリア様の身体と心うさらに傷つけてました」
それを聞くと、思わず涙ができてた声出して泣いてしまった。
「ごめんなさい、エル、わたしが弱いせいで酒に溺れたからこんな事になって・・・」
「いえ、リリア様は弱くありません。弱い人がこうして謝れる訳がないです。それに15歳はまだまだ子供です、もっと甘えてください。
それに・・・もうすぐわたしと結婚するのですから・・・」
薄暗い明かりでもエルの顔が赤くなるのがはっきりとわかるぐらい真っ赤になってるけど、わたしも同じぐらい真っ赤になっていた。
「エルはすぐ恥ずかしい台詞を言いうんだか・・・」
「恥ずかしい台詞ではありません!本心からです!」
なんだろう、さらに恥ずかしくなったけどエルが本当にわたしの事を思っているんだな。
「ここまで落ち着いてお話ができるのならば、緊縛を解きます。あと、お召し物が汗で濡れてるのでお部屋へ戻って着替えましょう」
確かに、着ているものが汗でぐっしょりしててかなりの汗をかいたようだ。
この汗の量は夏でもかかないぐらいで自分でも驚いた。
部屋に戻り、着替えるが今夜は1人になるのが怖いのでエルに添い寝を頼むと快く応じてくれた。
「一緒に寝るのはお久しぶりですね。以前は良く一緒に寝た物ですが」
「だってエルが居ないと寂しかったから・・・」
「また昔のリリア様に戻りましたね、わたしの前では子供らしさを出しててください」
「うん、そうする」
「あと、安心するようにまた抱きしめてあげます」
そういうと、またエルは抱きしめくれた。
なんだろう、エルはいい香りがする。
わたしの汗でエルの服も濡れていたため、着替えたけど石鹸や香水の香りとかとはまた違う。
そういえば、本に「運命の相手の匂いはとても良い香りがする」と書いてあったけど
エルの香りを心地良く感じるのはやはりエルはわたしの運命の相手って事だったのかな。
でも、いい香りだけど母親みたいな安心感があってとっても落ち着くと思ったあたりからまた記憶がなくなったが
今度はとてもいい眠りに落ちたのであった。
それから数日間は強い禁断症状が続いたが、その度にエルが暴れない様に緊縛して拘束して見守ってくれた。
それに耐えたら禁断症状も徐々にでなくなり1か月程でなんとか1人で夜を過ごす事が出来るようになっていった。
その間、結婚が受理されてわたしとエルは正式に[[rb:婦婦 > ふうふ]]となったが特にお祝いをする訳でもなかった。
ただ、その日は知らせを知ったのか運ばれてくる料理がお祝い用の料理が1品ついていて祝ってもらっている事がわかった。
結婚式も挙げれないが、結婚の誓いという事でせめて誓いの口づけだでもと言う事で、エルと初めてする口づけをしたがとても恥ずかしかったがそれと同時にエルと結婚した実感がわいた。
平民になる届け出に結果はまだでてないが、兄が2人おり後継ぎが居るので受理はされるだろう。
ただ、公爵家の娘が平民になった例は罪を起こした場合しかなく、法律に記載されているものの実際に平民になる申請をされたのははじめてだった。
なので、伝え聞いた話だとかなり揉めており、お父様に直接話を聞きにきたが
「娘は平民の女性と結婚したので平民と同じ。後継者もおり、家が亡くなる心配もないい上、結婚を許可した時点で平民になる事を認めのだ」
っと言って、役人も納得して帰っていったそうで。
結果が出るのに早くて3か月と言われたが、2か月で平民になる届けが認められたが
認められてすぐ平民になる訳でなく、色々な手続きや準備があるらしくまだ3か月の猶予がある。
その3か月の間、家を出ていく準備をするのであるが、行先はもう決まっている。
シオン地方にあるエルの実家である。
エルの実家はシオン地方の豪農である事を初めて教えてくれた。
大勢の人を雇っているが従事する者に高い給金をだし、不作の時は食べ物を優先的に回して飢えさせないよういにしているそうだ。
そのため、慕う人も多くシオン地方では領主の次に尊敬もされていと言われているが、さすがにこれは大袈裟だと言ってはいる。
わたし達が住む家は結婚が受理される前に手紙を送って、すぐに建設が始まったそうだ。
費用はエルの家族と村の方達で出すので要らないというが、さすがにそれは気が引けるので受け取る財産のからある程度は出す事にはする。
受け取る財産は王都の土地も含まれていたが、それらを放棄するかわりに金貨でその分を支払われる。
渡されて金貨は全部で2000枚になり、これだけあれば地方だと何もしないで暮らしていける額だ。
さらに銀貨が1000枚渡されたので合計すると金貨210枚分にもなる。
「すごい大金ですね。田舎まで持って帰るか心配ですね」
「エルは強いのですから、大丈夫と思います。しかし、わたしたちは婦婦になったのでエルももっと気楽に話してください」
「いいえ、結婚したと言っても、まだ貴族と平民です。それに、まだ公爵様に雇われ身なので主従関係はあります。リリア様が平民になり公爵様にから解雇されたら話し方をお互い変える事にしましょう」
「そうですね、わかりましたエル。せめて、名前を呼ぶ時はリリアと呼んでください」
「はい、わかりまた。それでは・・・リリア、田舎で一緒にのんびり暮らしましょう」
「そうですね、よろしくお願いします、エレオノール」
「・・・なんかちゃんと名前で呼ばれると背中がムズムズしますね、リリアにはエルと呼んでもらう方がいいですね」
こんな話をして2人で笑い合ったが、そういれば笑うのもかなり久しぶり。
それだけ精神が落ち着いてきたという事で、しっかり前進をしている。
あと、体型はまだまだ元に戻っていないが、かなり痩せて人前に出れるぐらいにはなった。
服のサイズも2つ程小さくなったが、以前の服はまだまだ着られないのでまだまだ頑張らないといけない。
それから時が経ち、猶予期間が終わる3日前に屋敷を出ていく事になった。
猶予期間が切れて平民になってもお父さまの許可があれば屋敷に住めるが、許可は出ないだろう。
許可がないと不法に貴族地に侵入した事になり罰せられるので、まだ少し余裕があるうちに出ていく事した。
わたしが持っていく物は服とおばあ様の形見のアクセサリーとお母様が生まれた時に造った誕生石の宝石、
個人で買った書物30冊と財産として受け取ったた金貨と銀貨。
服は沢山があるが、半年間でダイエットに成功して以前の服がなとか着られるようにはなった。
ただ、貴族が着るよな服は今後あまり着る事もないだろう。
しかし、おばあ様やお母様から貰った思い出の服やドレスが何着かあるので、これだけはどうしても持っていきたい。
あと、太っていた時の戒めとして、一番多きサイズの服も手元に残しておく事にした。
エルは今まで少ないながらも出ていたお給金を貯めたお金と長年したためた日記と服数着、そして結婚証明書であった。
「こんな日記があったのでね」
「はい、クレア付のメイドになった時にからほぼ毎日つけてます。
黒歴史がありますから見せれませんが、わたしの黒歴史だけではなく、リリアの黒歴史もありますからね」
エルが不敵に笑う。
「それは、も、もしかして、幼い時の話とが・・・」
「そうですよ。なのでわたしがいない時にこっそりと読まないでください、やられるのはクレアのほうですから」
「やられるの意味はよくわかりませんが、読まない方がよさそうですね」
エルがいない時にこっそり読もうかと思いましたが、やめときましょう。
せめて、2人の時に読んでエルの黒歴史を音読してあげましょう。
「それでは荷物をまとめましたのでは行きましょう。運ぶのは他のメイドが手伝ってくれます。
他のメイドも本当はリリア様の事をかなり心配してましたが、立場上どうする事も出来ませんので。
見送りも出来ませんが、みなお幸せにといってました」
「そうですが、ありがとうございます」
「わたしもメイド仲間と別れるのは寂しいですが、リリアと結婚したの以上はリリアと大事にします」
「わたしも、エルの事を大事するわ。だからこうしてあげます」
不意をついてエルに口づけをするが、唇が触れると自然と抱き合っていた。
「もう、口づけをしたならしたいってはっきいえばいいのに」
「だって、驚かせようと思ったのに、エルは驚かないから・・・」
「そんな事言う口はこうして塞いであげます」
そういうと、エルがまた口づけをするが、なるほど驚かすにはこうやってするのですね…。
荷物を運び出していると、わたしに近づくことが禁止されていたクレマンさんとも会う事ができた。
「リリア様がお久しぶりです、お元気になりお姿も前の様に戻れてうれしい限りです」
「わたしこそ、クレマンに会えてとてもうれしいです」
「しかし、これでお別れとなると寂しいですね」
「クレマンはわたし達が居なくなった後どうしますの?」
「もう、ここにいる意味もありませんし、わたくしも明日をもって辞めて妻と子供達と王都で暮らしますよ」
「そうですか。クレマンならば他の貴族も雇って頂けると思いますが」
「辞めるとはいえ、長年リットン家に仕えた身。恩義がありますので知っている事は誰にも話さず、墓まで持っていきます」
「そうですが、わかりました。わたし達はシオン地方へ行くのでなかなか会えませんが、いつかは来てくださいね」
「はい、行かせていただきます。どうやら、荷物は積み終わったのでわたくしはここまでにします。
エレオノール、リリア様と幸せにくらすのですよ」
「はい、クレマンさん、リリアを幸せにします。あと、クレマンさんにもお世話になりましたが、何もできなくてすみません」
「エルはリリア様を救ったという立派な事をしたでないですか。十分立派な事でお礼をいいたいのはこちらですよ」
「そう言われると恥ずかしいですが・・・確かに、わたしはリリアを救いましたのでそれを誇りにします」
「ええ、そうしてください」
「クレマンさん、そろそろ出発のお時間なのでここまでです」
「そうですか。それではリリア様、エル、元気で暮らすのですよ」
「はい、わかりました。それではさようなら・・・」
お互い泣きそうなるのを押さえて馬車にへと向かった。
馬車へ向かったうとそこはお母様が居て驚いた。
お母様ですらわたしに会うのを禁止しており、会えるとは思わなかったからだ。
「リリアール、お待ちしてました」
「お母様・・・」
「娘が旅立つ前に、母として話せる最後の機会なのでこうしてきました。今日は登城する日なのでお父様もおられませんので安心するのです」
「ありがとございます、お母様」
「母親らしいことは全くできませんでしたが、最後にだけ母親らしい事をさせてください」
そういうと、お母さまはわたしとエルを抱きしめた。
「こんな事しかできませんが、どうかエレオノールと幸せに」
「はい・・・幸せにになります」
「あと、エレオノール」
「はい」
「娘の命をすくってくれてありがとうございます。そして、妻として迎えてくれて感謝します。
あなたが居なければカコーで苦しい生活を迎えていたか、あるいはリリアールはこの場に居なかったでしょう。
王都と比べたらシオンは不便かもしれませんが、それでもカコーと比べられない程、素晴らしい土地です。
どうか、娘を末永く愛してください」
「はい、一生リリーアル様・・・いえ、リリアールを愛します」
「では、頼みました。わたくしもこれ以上いられません。さよならはいいません、2人ともいってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
馬車に乗り込み、お母様に見送れれて屋敷を出てそして貴族地を出て行った。
貴族地の門を出て新市街に出ると2人とも思わず涙が出来てたが、目隠しを下ろし2人で抱き合って泣いていた。
今日、宿泊する宿に到着すると背の小さい女の子がわたし達を待ち受けていた。
話を聞くと、二菜さんと言う方でお母様に護衛を依頼されたそうだ。
断ろうとしたが、既にお金を受け取ってしまったので拒否はできないとの事。
二菜さんの名前をどこかで聞いた事と思いましたら、魔物退治で英雄になった方でした。
エルは二菜さんがモデルになった物語がすきなのでご本にお会いできて興奮し、夜通しお話を聞いて
この日は2人きりになる事ができなくて、次の日はわたしは少し拗ねてた。
翌日、朝早く王都を出発しエルの故郷の村コンベイルへ向かう。
王都からコンペイルまでば3日ほどかかるが、今日は目的の宿場町まで問題もなく順調に辿り着いた。
2日目はシオン領の境になる峠越えになる。
この旅最大の難所であるが、街道として整備されてるものの山賊が出る峠であるが
幸い山賊は出なく無事峠は越えたが、目的の宿場までは辿り着けず、野宿となってしまった。
貴族として最後の日は野宿となったが、春になったとはいえ王都より標高が高いので夜は寒いので
寒くない様にエルが抱き合ってくれた。
また、野宿は盗賊、動物、モンスターに襲われ危険性があるので、二菜さんが寝ずの番をしていたが幸いに襲われる事なった。
そして朝になり、この日からわたしは貴族から平民になったのであった。
ただ、平民になったと言っても変わらないがエルが
「今日から平民でわたしの妻のリリアなったから、今までの話し方はかえるよ」
と言われて、そして二菜さんも
「堅苦しい話し方はもうおしまい。これからは気楽に話すね」
と言っわれて自分が貴族から平民になった事を実感した。
3日目は予定よりやや遅れていたが、夕方にエルの故郷に到着した。
「ただいま、父さん、母さん」
「おかえり、エレオ。こんなかわいい嫁さんを連れて帰ってくると思わなかったぞ」
「しかも、元とはいえ公爵令嬢とはね。メイドとして働いてた頃に生まれたけどまさかそのお嬢さまが娘と結婚するとはおもわなかったわ」
「生まれてすぐだったのでお義母さまの事は覚えていませんが・・・」
「うまれたばかりだからしかたがないよ。そろそろ日が暮れるて寒くなるから二人の家へ案内するわ。護衛のお方もご一緒でいい?」
「うん、いいよ。二菜さんもこちらへ」
ご両親に案内されて、わたし達の新居へ案内される。
平民の家は貴族の屋敷より狭いと思っていましたが、思ったやり立派な家でした。
「これを建てたの?」
「ああ、村総出でだな。皆、エレオが嫁さん連れてくるから張り切ってたぞ」
結婚から5か月あったけど、冬を挟んでいたので完成させた事自体がすごいのである。
「今年は雪がすくなくてな、作業がはかどった。皆、やる気でお前たちが来るまで完成させたんだ」
「そうなんだ、ありがとう。さ、リリアもお礼を」
「あ、ありがとうございます・・・」
エルの両親と初対面なので緊張をしているが、お義母さまはエルがわたし専属のメイドになった時、
一緒に居らっしゃた事を思い出した。
「今日は遅いかし、新婚の2人の邪魔をしたないので俺たちはここまでだ。
明日は2人を出向かう宴をするが、酒はダメだったな?本当はみんなで飲んで騒ぎたいが、嫁さんの為に身体と心のために俺たちも酒は控えるし、飲んだとしても2人の前では酒は飲まない事する」
「あなた、嫁さんって言わないで、名前で呼びなさいよ。リリアは今は平民でわたし達の娘になったんだから」
「そうは言われても、元とはいえ仕えたいた家の令嬢をだぞ、やはり軽々しく言えない。むしろ、お前の方がすごい」
「理屈をこねいないでいいから、と似なくリリアといいなさいよ」
「わかったよ。私たちだけではなく、村の皆がリリアを待っていた。王都より不便で冬は寒いが、人は暖かから安心し暮らすんだ」
「は、はい、わかりました」
お義母さまだけでなく、お義父さんも料理人として屋敷に仕えていた事は覚えている。
お義父さまは私が6歳の時まで屋敷で働いて、家を継ぐために故郷へ戻った事は覚えていた。
ただ、まさか自分がそこへ嫁ぐとは思ってませんでしたが。
「ところで、本当にあたしもこの家で一緒に泊まっていいの?」
新婚の婦婦の家に泊まるのはやはり気が引けるみたいだ。
「部屋数は多いし、寒さを防ぐため壁も厚いから心配しなくていいわ」
とお義母さ間が言ったが、どんな意味かは少しわかった。
「さ、冷えてきたからわたしたちは帰るわ、皆さんおやすみなさい」
「お義母さま、お義父さま、おやすみなさい」
ご両親は自宅へと帰っていた。
家に入ると、中も立派で部屋数も多く、2人で暮らすにはちょっと広いぐらいだった。
荷物は少ないとはいえ、それなりにあるが荷下ろしは二菜さんが魔法でやってくれてすぐ終わった。
食事はお義母さまが実家からわざわざ運んできてくましたが、とても美味しかった。
「それじゃ、あたしは奥の部屋に寝かせてもらいますね。では、2人で楽しんでね」
そういって、二菜さんが2人きりにしてくれた。
「リリア、わたしたちも部屋へ行こうか・・・」
「はい・・・」
これが何を意味するかはわたしにもわかって、部屋へ行く。
「移動は疲れた?」
「はい、疲れましたが大丈夫です」
「そうか・・・。そういえば、わたし達まだ初夜は間だったよね・・・」
結婚が受理された時、誓いのキスとして口づけはしたけどその先には進んでなかった。
理由はわたしが性的な話をしただけで、気を失うぐらいだったから。
でも、婦婦になったからには何時かはしないとならない。
「今日は疲れてるからダメ・・・かな?」
「いいえ、大丈夫です。それに、今日はわたしの誕生日なので・・・」
平民になった初日はわたしの誕生日でもあった。
「そういえば、そうだったわね。色々あってプレゼントとかなくてごめん」
「いいえ、構いません。ここへ連れてきてもらったことが最高のプレゼントなので」
「そう言ってくれると嬉しい・・・」
わたしとエルはそのままと口づけをしてたが、その後はなすがまま初夜を迎えたのであった。
翌朝、目が覚めると初夜の事を思い出してちょっと恥ずかしい。
でも、これでわたしも1つ成長した事になるのかな。
荷物の片づけをして、昼からはわたし達の結婚の祝いと出迎えの宴が行われたが、わたしの事を思ってお酒は誰も飲まなかった。
エルが言うにはお義父さまは本当は酒豪であるが、わたしの為にお酒を飲む量をかなり減らしたそうだ。
そしてこれ以降も少なくともわたしの前ではお酒は絶対に飲まなかった。
宴が終わると、二菜さんはもう村を立つという。
今日も泊まっていってくださいっと言ったものの、故郷へ帰る為にこれ以上は長居は出来ないとの事。
故郷に帰るのにわたし達の護衛を引き受けてくださったのは悪いと思いましたが、王都の最後の仕事して引く受け手くれたそうだ。
旅経つ前に、二菜さんはわたしと2人だけにさせて欲しいと言われたので、エルには別の部屋に行ってもらった。
「別れる前に、リリアに渡しておくものがあるから渡しておくよ」
「なんでしょう?」
そう言うと、魔法石の付いた腕輪と便箋を渡された。
「これは?」
「お酒を飲まなくなる魔法がかかった魔石をあしらった、わたしが作った魔法道具だよ。あと、その便箋はこれを見に着けなくても平気になった時に読んでね」
「わかりました、ありがとございます」
「あと・・・これもあげる」
渡されたのは小瓶だけど、中身は何かの薬の様ですがでしょうか。
「これは女性同士で子供が作れるっていう秘薬。使うかどうかは2人の判断だけど、あたしも書物にかかれてるだけで
伝説の中の物と思ったけど・・・実在したみたい。どうやって入手したかは秘密。
本当に効果があるかわからないけど、原料は体にいいものなで子供ができなくて害はないよ」
「あ、ありがとうございます。使うどうかはエルと相談して決めますので・・・」
「渡す物をわたしたから、それじゃあたしはそろそろ行くね」
「わかりました。エルを呼んできますので、2人でお見送りします」
エルと2人で二菜さんをお見送りし、二菜さんと別れた。
一緒に居たのは4日程であったが、二菜さんもとてもいい人だった。
その後、しばらく経った後に二菜さんに渡された薬を使ってみたが・・・なんと本当に妊娠した。
妊娠させたい方が薬を飲むと言う事だったけど、飲んだのはわたしの方。
初夜はエルがリードでしいたが、1度したらこんなものかと思ってすぐ平気になった。
どちらがリードするのはその時々だったけど、わたしがリードする事が多くなりエルが妊娠する事になった。
「あの薬、本当だったのですね」
「最初は信じられなかったけど、本当に妊娠するとは。二菜さんはどこで入手したんだろう・・・」
「教えてくれませんでした。まだ薬が残ってますから、エルが産んだら今度がわたしが妊娠します」
伝説の秘薬をどこから入手したのかは気なるものの、本当に女性同士で子供が出来るとは思わなかった。
妊娠を伝えるとご両親も大喜びで、生まれた時は泣いていた。
今度がわたしがエルの子供を妊娠したかったが、何故かわたしは妊娠しなかった。
その代わり、エルがわたしの子供を3人産んだのであったが子供は全て女の子であった。
「結婚だけじゃなく、子供が3人も出来るとは思わなかったね」
「そうですね。もしかしたら、女神から生まれた伝説は本当だったかもしれませんね」
「ってことは、わたしたちは始祖の女神って事になるのかな?」
「そうなったら、聖教がわたしたを女神として奉るかもしれませんね。でも、今はここに居る事が一番の幸せです」
「これもわたしと結婚したお陰だよ」
「確かに、エルのお陰ですがご両親と村の方、二菜さん、クレマンなど色んな人々に助けられました」
「そうだね・・・。そういえば、もう10年もお酒を飲んでないよね。あと、二菜さんから貰った魔法道具も見に着けなくなったね」
「確かに、そうですね」
二菜さんから貰ったお酒を飲まなくなる腕輪は気づいたしなくなっていた。
政治の争いがない平和な環境に、エルのご両親、村の人々がわたし達に暖かくくれたお陰だと思う。
「二菜さんが見に着けなかったときに読むように言われた便箋があるので読んでみましょう」
便箋を開けて手紙を読むと
『最初に謝らせてください。腕輪は魔法道具ではなく、王都のお土産屋に売っている物です。
騙してしまったけど、この手紙を読んでいるという事は克服されたという事なので自分に自信を持ってください。
ただ、何らかのきっかけでまた以前の様に戻ってしまうので油断はしないでださいね。
たった数日の付き合いでしたが、何時までもお婦婦(もしかしたら子達)、ご両親、村の人たちとお幸せに。 二菜』
と書いてあって、二菜さんは子供が出来る薬を最初から準備していたみたいでエルと顔を見わせて笑った。
「まさか、10年も二菜さんに騙されてとはね」
「きっとわたしの事を思ってくださったのでしょう。二菜さんのお陰で子供達もできましたし」
「そうだね。で、この腕輪はどうる?」
「そうですね、こうしてあげます」
いつでも身に着けられるようにポケットに入れていた腕輪を窓の外に投げてすてた。
「二菜さんのお陰で付きましたので、これはもういりません」
「でも、窓から投げ捨てる事はないんじゃ・・・」
「近くにあったら、また甘えてしまうのでこれでいいのです」
「そうか。リリアは強くなったね」
「母は強いのです」
「産んだのはわたしだけど・・・リリアも女だから母か」
「そうです、わたしも母ですよ」
わたしとエルは見つ合ってまた笑う。
今、わたしがこうして幸せに笑いあってるのはあの時はエルが愛の告白してくれたからだ。
本当ありがとう、エル。
そして、わたしたち助けてくれたすべての人たちに幸福あれ。
政略結婚に失敗した公爵令嬢が家を追い出されるのでメイドと結婚しました しいず @shiizuu
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