第8話

第1章

「シアナって、まるでブルティーノのウェンディ・パン(Wendy Pan)だわ」

「おはよう、そして万が一会えなかったら、こんにちは、こんばんはに、おやすみなさい!」

「それ、違うわ」

「私は嘘つきなので、スーツを着て法廷に行き、裁判官と話をする。」

「それは弁護士」

「手持ちの全財産をホームレスにさしあげたい?やるよ。」

「どんな厄介なプログラムにも参加していないじゃない、アミーゴ(amigo)。」

「もし5分で戻らなかったら…もっと待ってくれ。」

「信じられない。あんたを雇ったのは最大の失敗だった。」

「…なんでひどいことを言うの?」

「ごめん、私はちょうど言おうとしたんだ。シアナが魚ではなく、哺乳類だよ。」

「あ、今のはちょっと違うような気がしたけど」

「ああ、よかった。安心したよ。いつも変な人だと思ってたけど、時々だけなんだね。それは素晴らしいだわ。」

「さいの目に切られたいのか、スライスにされたいのか、皮をむかれたいのか?(Wanna be diced , sliced or peeled?)」

「体がめっちゃ冷えるから、セリフしりとりをやめるわ」

「ええ、やだ。メイっちほど、ここに立つ資格のある人はいない。」

「今更だけど、ウェンディ・パンに関わったセリフが全然出てこないじゃない?」

「海賊船長を怒らせた小娘よりダッシュしながらハッピー・ニュー・ヤーを言った人が好まれるのよ。警告。あほは見かけより近くにいる。」

「はいはい、ミス・ピクルス(Miss Pickles)、私はちょっと用事があるから、先に帰っていいよ。店にシンカンちゃんのアシスタントでもして来て」

「喜んで、メイっちのために赤い自転車に乗った女性になるよ」



「仮面をかぶれば.何でもできるし、何にでもなれる…」

シンメイさんが「無線電伝研究会 部室」と書かれている部屋前に姿を現しました。

「すみません…」

「ちっ!先の女…」

「リーダーがいますか?高校の部に属する生徒ですけど、入部したいです…」


第2章

5月13日。少女が柱時計のアラームに起こされました。

「柱時計ってアラームが設定できるの?これもシアナの仕業?まあいいっか。これからバイトもあるし」


「戻って来たわよ」

「お帰り。仕上がったけど気になるね…ベース・クリームbase crèmeにルブロションReblochon…牛ミンチbœuf hachéとラ・シテのキノコChampignons de La Cité…アブチャド?これって何?」

「アボカドAvocadoだな。南国から運んできた果物だけど、意外と長持ちするのよ。ちなみに、これだけでも仕入価格だけで200リンジーもかかるよ」

「それで売り出し価格は500リンジーなのか。宅配ピザに500リンジーをぶんなげる奴って初めて知った。」

「あの…もう容器をしまっていいじゃない?早く届きたいの…」

「そうだねーほら、魔王の宅急便だ。頑張らないと魔王になれないんだから·、早くいけいけ!」

「もう、ショフリエさんの意地悪!」



「お待ちのピザです!」

広い事務所に、少女がピザを届けて、入り口付近に立っています。

「ああ、はい…ド・ルプレイヌ=ド=メさん?」

「マルクーセンさん?」

「どうしましたの、ロッテ?まさかピザの配達員にプロポーもズされましたの?」

「ああ、いいえ…」

「さっさとドアをしまりなさい、そんな不潔な翼が目に入ると痛いですの」

「ちょっと!」

少女がドアをしめようとするマルクーセンさんをよけて、勝手に室内に入り込みました。

「何よ魔族め、まさか悪さをしてないから禁断症状でもでましたの?」

「その言葉、撤回して頂きたいな」

「いくらド・ルプレイヌ=ド=メさんでも、姫様相手に…」

「カオスChienlitですの」

少女の翼を不潔な翼と評価した女の子がソファから立ち上がって、テーブルに向かいます。

「お腹すいただけで許してあげたんですの。」

「謝ってほしいな、もしもしないのなら、今回の注文をキャンセル扱いにしようじゃないかしら」

「む~り~で~す~の~!」

「…マルクーセンさんのメンツを立てて、なかったことにしますわ」

「…この魔族、お仕置きする価値すら無いといった感じだったな」

「姫様…」

「この緑、このトロトロ…これは、天国だ」

「では、失礼します。」

「未だに魔界に帰らないの?」

「ッポン!」

少女が力を入れてドアを閉めました。

「魔王の末裔なのに顧客優先…世界は矛盾に満ちているわ」


第2.5章

「キャロルさん、おはよう」

「あ、ジェニーちゃん、交代するよ…ところで、ジェニーちゃんも上がったら新聞を見た方がいいよ、だってジェニーちゃんが新聞に載ったし」

「わかったわ…でも一体…ヤーノスさんだったのか…ありがとうキャロルさん、見ておくよ」


少女が自転車を乗ってジャン・ジョレ広場を通る途中、レベスクさんに呼び止められました。

「ちょうどよかった、ド・ルプレイヌ=ド=メさん。売り残りがあるから、1部あげるよ…いいなあ、私も一度新聞に書かれたいなのよ」

「…レベスクさん、ありがとう…けど新聞の話題にされると困るわ」

少女が新聞をもらいました。1番目の特集のタイトルには

「自由にしないでくれ、私が何とかするから(Ne me libérez pas, je m'en charge.)」

と書かれています。


「ヤーノスさんってすごいだわ…本人が読んだとしても、涙が出るくらい、悲しい感情を煽っている文字が踊っている…」


「この世界にはきっと善があり、そのために戦う価値がある…」

我を忘れるまま、いつの間にか夕陽が少女の顔に照らしました。


第 3章

寄生虫は獣に寄生する。 彼らにはミスがない。 疲労や弱さの兆候を見せず、ストレスを強調し、自己陶酔し、思い込みが激しくなり、あなたの言葉を最後まで聞かせず、あなたの言葉を遮り、空を見上げて、時間の流れを見測って、何を言われてもあなたに対して歌い、あなたが望む通りに彼らが公的な事務処理を終えていることを理解させる。


「平和を望むなら、戦争に備えよ。(Si tu veux la paix, prépare la guerre.)」


「夕ご飯、適当に済まそう」


Tchi Hauにで。男の人が座って料理を待っています。

「クー!やっぱ仕事上がりの発泡ワインvin effervescentが最高だった!」

「シティホールからうちの店に来るお客さんは珍しいですわ」

「女将さんも一緒に飲めばいいじゃない」

少女が店に入りました。

「やだ、こっちが仕事中ですわよ…ユージェ姫こんばんは、私のアレンジを試してみない?ポトフpot-au-feuに刀削麺(ダオシャオミエン)だよ」

「川べりでとったキノコを入れたら、なんでも虹色に見えるんだぞ」

「だめだめだめ!食品衛生検査官を呼び込む行為は厳禁だ」

「メイっち、ついにひっかかった。もちろん冗談なのだ」

「本当にオオカミは羊を食べるわ。(Qui se fait brebis, le loup le mange.)」


「『東部大陸語で』カスレーCassouletできたよ」

「『東部大陸語で』今すぐ来る」


寄生虫は自分のために仕事をする:どんな嘘も、どんな不真実も、どんな省略も、彼らには気に入らない。

一部の寄生虫は時間と見かけの支配者であると考え、またある寄生虫は物事の内容とそれに介入する組織の支配者であると考える。 しかし、獣には、獣が従うべき行く末との約束がある。


「ウサギ肉でカスレーを作ったのか、初めて見たね」

「ふふんー、東部大陸の料理家を見下ろしてはいけませんよ」


「ごちそうさま」

男の人がふところから何かのカードを出しました。

「食品衛生検査官です。キノコの件、興味が湧いてきたのね…」

「メードゥMerde!口は災いの元だわ。Trop gratter cuit, trop parler nuit.」


第 3.5章

「口頭注意を受けたね」

「誰のせいと思った?」

「罰則を受けていないじゃない?ハッピーエンドなのだ」

「でもね、私に残されたものは何なのか!ふむ…不運なのはいつも私たちのほうだ。」

「シンメイさんの手作りポトフ、とても美味しかったわ」

「えへへ…こんな時にユージェ姫パワーが欲しいな」

「えぇ?!シンメイさんが吸血鬼ではないきがするが…いいよ」

「吸血鬼のわけないじゃない」

「ねぇ、奇妙っちもオペラ鑑賞に来ない?ここはスペシャル席だぞ」

「こちら、忙しい…」

「次はどうする?シアナ・グネルが続けて解説して参りますー」

「キッチンに入って左三番目のタンスの上のパート・ド・フリュイpâte de fruitsをやるから、食品衛生検査官を使った席を片付けてくれない?」

「やった!善には善の報いがありUn bienfait n’est jamais perdu.」

「それはないだろ」


第 4章

数ヶ月前、東部大陸の海沿いの港の街にで。

「この世界では強い者が人をいじめるし、弱い者はいじめられる。幸せになりたいなら、強くならなければならない。だが、味方も不可欠である。いいか、シンメイ、連邦に着いたら、強さを求めるとともに、 ” 友人を作れ、敵を作るな。”(多交朋友,少结冤家)ということを絶対に覚えておいてね」

「ごめんなさい、すべて私が無能だからで…」

「江湖の偽善者や悪党があなたの愛する人に手を出す限り、あなたは手に負えない弱者にすぎない…こくじょう鵠城にはもう我々の居場所がないよ」

「けど…」

「もうすぐクルーズ船が出港するから、降りるね」

「師匠!」

「人生は味わい深く、人生には笑って向かうことが必要だ。(生活百般滋味,人生需要笑对。)」


「天才を滅ぼすことは、宗派を滅ぼすことになりかねる。僕の弟子が生きている限り、この宗派が存続できるのだろう」

「ボス、あの小娘を追わないのか?」

「昔ながらのルールで、逃げることは死んだことだ。(老规矩,逃了就等于死了。)」

「人はこの世に生まれ、川の水と同じように、遅かれ早かれ海に還ることだ。悲しくなることが無駄だ。人生在世,去若朝露。魂归来兮,哀我何悲。」

「ずいぶん余裕があるね。」

「僕が安易に死ねる? もしこのまま死んだら、弟子に申し訳が立たないじゃない。」


数週間後のある日の夜、シンメイさんが手紙を読んでいます。

「姉上、連邦の生活がどうだったかな?師匠の葬式は手配しているから心配いらないよ。お金と書類が集めれば姉上に会いに行くよ…」

決まりのルールがなければ江湖は江湖ではなくなります。

「清风笑,竟惹寂寥,豪情还剩,一襟晚照♪…」

シンメイさんが気軽に歌った歌詞に重い気持ちが込めています。

「メイっち、いい匂いしそう…匂いを分けてくれる?」

「匂いを分けられないだろう…ちょっと、シアナ、くすぐったいよ」


今。

「メイっち、いい匂いしそう…匂いを分けてくれる?」

「どけ、バカシアナ」

「あたしならどうだ?」

「エルフの体臭が嫌だ」

「『東部大陸語で』ねぇ、シンカンちゃん、いいか、先の言葉をうけたら、相手を殴ってあげてもいいわ」

「『東部大陸語で』勉強した」

「いやいや、来ないでー」

運命の歯車は回り続けています。



第 5章

5月14日。少女がまた、頭上のしずくに起こされました。

「もしも誰かが天気を予知する能力とかは魔王レバルを遥かに超えて、世界を支配する神様になるかも…先週補修した部分とはまた違う所か…お父様の書斎は無事なのか…行ってみよう」

書斎を確認し終わった少女が、外からのノック声に気を取られてました。

「どちら様です?」

「翼の生えた…魔王の一族…本当に存在したのか」

「勘違いしないでな、別にあんたのために、遠くに出かけるじゃないんだよ」

「あの…私はエリアーヌ・マレシャルです。隣のは同窓のリアド・アーデンです。私たち、魔王様を応援して参りました。そうでしょう、リア?…黙ってないで、気まずいよ…」

「ドラゴンにツンデレか…ドラゴンのしっぽを振っている子に言われても驚かせの力がないわ」

「誰がツン…」

「まあ、落ち着いて…4かける20加える10加える7は?」

「…97(nighty-seven)?」

少女とドラゴンのしっぽの生えた女の子が同時に言います:

「4-20-10-7(quatre-vingt-dix-sept)」

そして、2人が顔を合わせて笑いました。

「なっ?!何見てんだよ!?恥ずかしがってるって!恥ずかしくなんかねーんだよ!」

「雨も降っていますし、あなたたち、おいていいですわ」



「へぇー、デ=グレでは翼を機械扱いとされているなの?」

「そうだよ。私、毎年行動機械と一緒に検査を受けるのは嫌だけど、検査を受けないと飛べないよ」

「こっちをほっておくじゃないのよ!今回だけだから! 感謝しなさいよね」

「ああ、ごめんね、リア…」

「さて、冒険に戻そう。アーデンさんは17点を投げたのね、行商人を呼び止める?」

「エリアーヌと二人きりになりたいな…」

「ああ、そうだ…お二人とも、コーヒーのおかわりいかがかしら」

「リア、人っちにわがままを言うではないのよ」

「こ、これは違うのだ!」


第 6章

「そんな経験を考えたことはないのか?人生はずっと何かに向かって積み重ねられて思いどおりにならならなかった、自由な行動が許されなかったと?」

「宗教の勧誘なら今から追い出すわよ」

「まさか魔王様を信仰する人がいないとも思った?魔王城を守りたいだよね?」

「…何をさせたいつもり?最善の礼儀は、余計なお世話をしないことだ。」

「話が追いつかないんだ…」

「リア、秘書として黙って聞いたらいい」

「言い方!誰が秘書だ」

アーデンさんがしばらく放置されました。

「あなたは、自分が望んでいたものが手に入らなかったから、何もかも気に入らないかのように振舞ったじゃない?魔王の末裔として、強がりを見せないと、迫力がないのよ」

「…噓をつくことになるわ…」

「人々の問題は何だと思う?彼らはすでに信じていることしか聞きたがらない。誰も真実を知りたがらないことだ。」

マレシャルさんが何枚の紙を少女に渡しました。

「私とリアが徹夜作った講演原稿だ。使う機会があれば、勝手に使って」

「どうして私に?」

「数百年前、あなたの先祖は、自由の中で育まれ、人間と魔族を問わず平等を唱え、そのために人生を捧げた新しい国をこの地に建国した。彼はこの汚れた世界に残された唯一のロマンスだったのだ。ルイ=フィリップ様の後代にお助けになったら彼も喜ぶのだろう」

「…そうなの?何も知らなかったわ」

「ルイ=フィリップ様の言った通りだ。自分たちの物語を決めるのは自分たちであって、他人がとやかく言うことではないのだ。因みに※※氏が描いたルイ=フィリップ様の肖像画にも3枚買ったよ、観賞用・保存用・布教用…」

「はぁ…」

少女は思わずまゆをひそめました。

「この世界でどう生きるかは、自分で選択しなといけないよ。」

「…マレシャルさん、ありがとう。」

少女は微笑って感謝の気持ちを表しました。

「勝手に盛り上がるじゃない!ほら、晴れただろう」

マレシャルさんがアーデンさんに怒られました。


第 7章

「コーヒーが使い切った…買いに行こう」

マレシャルさんとアーデンさんを見送ったあと、少女が自転車に乗って出かけました。

緑色のチェーンカフェにで。

「いらっしゃいー。あ、下ブルティーノの引っ張りだこじゃない?」

「ペリシエさん、こんにちは。ペリシエも、あの新聞を読んだ?」

「昨日の新聞の見出しはもう、誰が人気で誰がそうでないかを物語っているじゃない?ジェニーさんがふたたび魔王としてブルティーノに君臨しても応援するよ。ところが新品のイトウリコーヒーは如何?」

「ヒッポグリフのミルク入りカフェオレもスライムいちごスムージーもヒュドラー入りマグカップケーキもいらないわよ」

「ノルマが…社員割引やるから、どうにか一杯でも買ってくれる?魔王様」

「じゃ…冷たいイトウリコーヒー1つ、トールで。あと300グラムロプノールスタRopnorustaコーヒーもください。」

「49リンジー30センだぞ」

「その…引換券使える?」

「あ、それ、先週に期限切れだった」

「まあ、ペリシエさんからもらったものだから、別にいいわ」

少女がイトウリコーヒーをひと口飲んだら、すぐにも吐き出しました。

「まっず」

「新品だから、バランスが崩れているのかも…コーヒーていうのはちょうどいいロングセラーのほうがおいしいだろう。けど、新品を開発しないと、顧客に見捨てられる。現実は誰にでも妥協することを教えている。椅子どりゲームも、競走も、いずれにせよ、現実は合理的であろう。」

「そうかもしれないわね」

「その現実を受け入れて共生すればいいんだ。生活が忙しくなると、感情を表す時間がなくなり、悲しいときは毛布をかぶって眠り、目覚めるか前に進むことになる。そしてある日、振り向くと、歯を食いしばって長い道のりを歩んできたことに気づくのだろう。魔王城をほっておいで、学業に専念したらどう?うちに来て居候してもいいよ」

「ごめん、パート・ド・フリュイも100グラムください。」

「ん?いいけど」

「パート・ド・フリュイ入りイトウリコーヒーを作るわ」

少女が大量のパート・ド・フリュイをイトウリコーヒーに入れました。

「物事が難しいのは、それをするのを恐れているからだ。目的地を知っている人こそ、最も遠くまで旅する人だわ。」

第7.5章

人生魔王城意義維持は、現状を受け継ぐことではなく、その解釈漏れを探し求めることだ。」

学校の図書室で適当に見た本を思い出しながら、少女がテラスに立っています。カフェに戻って間もなく、晴れるうちに、ちょっとでも雨漏り対策をしたいと少女の思い込みが強く感じます。

「どこで漏れているのだろう…」

少女の翼からコーヒー粉がちらちらと床に落ちていきます。床にたまった水と混ぜて、水の色が濃くなります。

ユーレカEurêka !ユーレカ!」

突然、少女が拍手しながら跳び上がります。

「色を分けて試したら水漏れ箇所を探し出せるはず…けど色が足りないわ…」


すると少女がスーパーにアカネとヒユナを探して行ってきました。ありませんでした。

「水彩のようにしたいならドリアードとスライムを混ぜることだろう」

偶然にもと家族の買い物に使われるアドリーゼさん出会った少女が恥ずかしがります。

「それは洗って落とすことができなくなるわ」

「さあなあ…自作の水彩ペイントを自転車に塗ったら、一度も雨を絶えなかったけど」

「使い方が違うわ…その水彩が寝室に垂らして来たら…」

「魔王水彩(ボディペインティング)か…いいね」

すると少女が爆発そうに見えました。

「破廉恥なことを考えないで!」


第8章

「Un, deux, trois, quatre, cinq, Chasse le lièvre et tire le vers le bas de la route rocheuse, Tout l'chemin vers Brutineau, whack follol li dah!♪(民謡歌詞、翻訳しません)」

少女がスーパーで唄いながら私服姿でスタッフルームから出てきたギョームさんと遭遇しました。

「whack follol li dah!♪」

少女が最後の歌詞を繰り返したら、気まずい沈黙が数秒続いました。

「魔王じゃないか、召使いが随伴していないか?」

「わかった、わかったから、まだ言わせてくれるのかしら」

少女がニヤニヤします。

「勇者くん、ブルティーノの平和を守るミッションがあるの。そのためには知恵と勇気のある人が必要なんだわ。」

「やるやる、ついに改心してくれるのか。」


「って?これはミッション?」

少女がギョームさんを抱きつきながら魔王城の外周を飛んでいます。

「魔王城はブルティーノのシンボル!もしも魔王城を失ったら、私はラ・シテに隠退してもいいわ」

「それだけは嫌だけど」

「ならばちゃんと中を見て見なさい、壁に人参ジュースやコーヒーの跡があれば覚えて」

「ちょっと、それくらいなら自分でやってもいいだろ」

「…翼トレでもなるの、それに…」


「お前はバカだ。バカが100回やり直したって意味がないし、100回目が終わる前に死んでしまうのだろう。」

「シアナさん?」

2人が地面に眺めると、シアナさんがバケツを持って立っています。

「メイっちからの作り分けを届けてきたよ」

「ありがとう」

夕日が少女の顔を赤く映ります。その後少女が返事をくれないシアナさんの跳んだり跳ねたりする姿を見送りました。

「Je me promène à travers l'arrière de la ville ♪私は街の裏を歩く」

「Je vois les étoiles sortir du ciel♪空から星が見えてくる」

「Tu dis que ça semble si bien ce soir♪今夜はとても綺麗だと言っている」

「はー、恋人未満は予測しつらいね。飯として食っていけないなー」

シアナさんの言葉は何人にも黙っていました。



幕間5

峰室ソロビーСоловей団地の一室。女の子が部屋に入ってすぐ、両手を上げて仰向きのまま椅子に座り込みました。近くに水音が聞こえます。

「風呂を使っているのは誰だ?!」

女の子が風呂場に近づいたら、誰かがシャワーを浴びていました。

「05室の安崎?それとも下のどこかの片本?灯油の残量が少ないから気を付けろうよ」

「っきゃ!」



第9章

「だいたい、これらの部屋が漏れていると思うぜ」

「メモいただくわ」

「ごめん、電話を貸していい?サン=エティエンヌに繋がるのだろう?」

「あの戦争以来、電話回線がブルティーノ以外に繋がらないわ。ラ・シテの連中のおかけで、この土地には多くの苦しみを背負ったな…ごめん、駅なら外県と電報で連絡できるわ。にしても、さすがに今の時間では…」

「駅ならコネがあるよ、ああ、ついに思い出した、ありがとうな、魔王」

ギョームさんを見送ったあと、少女が適当に掃除した漏れのない部屋でくずれるように座り込みました。

「嫌だけど出られない場所。嫌だけど抜け出せない人生。それは監獄だわ。」


少女がシンメイさんの手づくり料理のバケツを開きます。中は肉料理のようです。肉は硬く、スポンジ状で、真ん中は冷えているようで、熱い蒸気は微塵も見られませんでした。つまんで開いて、ネバネバして、口に入れて、とても甘いと少女が思います。


その後、少女がスパゲッティを茹で、戻ってきて、その肉料理と一緒に食べました。

「こんなの、どこの監獄にもなのだろう…」

少女がバケツをペロペロして、メロメロになりました。



5月15日。

「ユージェ姫?おはよう!バケツを返してほしいね」

少女が元気な声で起こされました。気づいたら、自分がバケツを抱いたまま寝てしまいました。

「テンシャーオバイ甜烧白を完食?安堵するわ。シアナを連邦人の基準として料理をつくったら何回もトラブルがあったわ…」

「翼がねばねばするわ…」

「そんなのヴォッカで洗い落とせばいい…私がはちみつでペタペタしたとき師匠も…ごめん、まだ店のことが…いつでも来てね」


第10章


少女が駅に超えた場所まで来ることが珍しいようです。

ダンボワーズ地域の遠く先には、ル・セジュール・リキードのエネルギー工場の煙突が数本、黒い煙が青空に煙ります。荒れ果ててさびしく見える街の中に、ぽつんと一軒の質屋が立っています。

「すぐに請け出すお金がないけど、まだあるのかしら?」

少女が質屋のオーナーに尋ねました。

「はははっ、魔王の遺物を勝手に転売したら、天罰が与えられるのだろう…」

質屋のオーナーの後ろに声が出てきました。

「ド・ルプレイヌ=ド=メ嬢の仕業がお見事だ」

「ムーテさん?どうしてここに?」

「さすがにあんなことしたら、俺の仕途(しと)も関わってくるのだろう、うまく処理したら県に昇進しても夢じゃない…明日頼むよ」

「あなた様は昇進するが、私はどうなるんだ?例とするなら、ブルティーノの議会に未だに女性が現れたことすらないじゃない?いえ、有権者は1%にも満たないだろう。数百年前のサン=エティエンヌ=ブルティノー王国でさえ先進的と言えるだろう。私は魔王の一族なのに、たったの税務署も、私の一族の血統を断ち切る可能性があるの。」

「勘違いしないで、別にド・ルプレイヌ=ド=メ嬢の敵じゃないよ。そんな時に助けを求めてくれていいよ」

「嫌だ。せめて静かにしてくれ、あなた様の話には耐えられないわ!それに、これは私の物語だ。」

「威張ったら、デコボコにされても知らないよ」



「ざぁこーざぁこーざこーざこーもち。デコボコにされても知らないわよー」

「餅をもっと強く叩きなさい」

「やだ。疲れた。だいたいメイっちが叩いたほうが早いじゃない?」

「じゃーさ、質問に答えたなら交代するよ。もし魔力が輪ゴムのようにねじったり振ったりできる、伸縮性のある小さな「糸」なら、魔法がどうやって実現できるかしら?」

「標準単位長さの魔力線のような2本の輪ゴムから始まり、融合して1本になり、さらに2本に分かれる。 この輪ゴムで囲まれた領域、すなわち魔法平面から魔法が放出される。具体的には先の見えない計算だ…って、魔導学って言っても、結局数理学じゃないか」

「…バカシアナってやっぱり天才だわ。手抜きしていいわ…お座りください、わたしの“いい”奥さん」

「この家では、どんなに退屈な暮らしをしているのだろう」

「家か…家でいいじゃない?」

シンメイさんがにっこりして餅を叩き続きました。

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