第2話 誕生

「おぎゃー、おぎゃー」

赤ん坊の泣き声がする。

なんだろ、親はどうしたんだろう?

そんな疑問を持っていると突然目の前に大きな手がせまった。巨人だ、巨人がいる。やばい。逃げないと。急いで逃げようとするが体が思うように動かないし、異様に重い。とりあえず少しでも遠くに逃げないと!手を動かした、うん?おかしい、手が小さすぎる。まるで生まれたばかりの赤ん坊の手みたいだ。えっ?どういうこと?なんで?その時巨人が私を持ち上げた。やばい、食べられるーーーーー。その時巨人からなんだか優しい気配を感じた。目はぼやけてよく見えないがなんだかほっとする。

なんだか眠くなってきた。ダメだ、寝るわけにはいかないのに!起きろ起きるんだ!自分ーーーー。

「スヤァ。」

巨人( 赤ん坊の母親)は赤ん坊に向かって微笑み、そして

「◾︎◾︎◾︎、▼▼▼◎◎◎

(おやすみ、私のかわいい子)。」

と言って赤ん坊をベッドに横たえ、赤ん坊のほっぺにキスをした。




目が覚めた。

さっき巨人がいたのは夢じゃないかと思い頬をつねろうとしたが手がうまく動かせない。やはり手が異様に小さいし、足も変だ。事故のせいだと思いたい。

女の巨人がやってきた。巨人は私の額に手を当てて私を優しく撫でた。そして胸を出し、私に咥えさせようとしている。

こんなものーーーー。

抵抗するが、うまく抵抗できない。

ゴクっ、ゴクっ、ゴクっ。

美味しいーー!!なんだこれは!!

今まで食べた中でも最高に美味しい!

認めよう。認めたくはないが、私は赤ん坊になってしまったみたいだ。




それから三ヶ月ほど経った。

食べて、寝て、排泄をする。

そんな変わり映えのしない日々を繰り返した。飽きた。よく世の中の赤ん坊は耐えられるな!こんな退屈な日々に。

いや、赤ん坊はこんな意識はないか。


女の巨人がきた。

三ヶ月経って認めよう。

多分私の母親だ。毎日世話をされれば嫌でもわかる。それに目も少し見えるようになったけど私の母親はかなりの美人だ。

銀の髪に紫の目にほっそりとしたシルエット、高い鼻、色づく唇、そして出るところはでて引っ込むところは引っ込んでいるナイスバディー。

そして時々訪れる男の巨人、つまり私の父親も結構なイケメンだ。

高い身長に金の髪に金の目、そして細いながらも、しっかりとついている筋肉、そして優しい雰囲気をしている。

2人とも私を撫でたり、抱っこしたり、世話をしたりしながら優しく私に声をかける。とにかく安心した。どうやら私はこの家族に、愛されているらしい。

そして髪色や目の色を見る限り、ここは地球ではないようだ。たぶん。



とりあえずの目標は周りの様子を見て、観察することだ。

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読んでいただきありがとうございます。

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モチベにつながります!

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