ドラゴンの憂鬱は、狩り立ての肉で晴らせる!


とある、森の隠し酒場にて。

人の気配は無く、代わりに風変わりな何かが立っている。




「はぁ、私なーんにも言わずに飛び出して来ちゃって…まぁ、こんな身勝手ドラゴン誰も心配しないわよねー!」



「ヨシエは謙虚だな、ほら…酒飲めよ」



人の姿なドラゴンはアルコール度数の高い酒を口にすると、良質な肉を食べたいと吐露する。


「ちょっと、何処行くのよー!?」



「肉を食いたいんだろ、狩り立てが一番新鮮で美味いよな?」



ニカッと笑いかける守り人に照れながらも、ヨシエは彼の後を急いで駆けて行った。





ーーー


「やめろ、来るなぁ!!」


金髪の皇帝は血を吐きながら、地面を這うが。

頭を撃ち抜かれ、呆気なく絶命した。





「さーて、守り人さん…これから忙しくなるわよ?」


金品の山に囲まれた妖精たちは、嘲笑うように言ってキラキラ光る金貨を太陽の光に当てた。



その双眸は黒く澱んでいた。

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