彼氏にふられてムカついていたので、マッチングアプリで勇者と名乗るふざけたやつを罵倒しにいった
ハルキヤ
マッチングアプリで勇者と恋をした
「ふられた、超ふれれた」
何本目か解らないほどのビールを飲んでいる、アルコールだけが今のわたしの癒やしだ。
みじめ、超みじめ。なにこの惨めさ。酒の力でなんとか乗りきろうとしてるしさ。
「つきあってるときは可愛いって言ってくれてたじゃん。うそつき、うそつき、うそつき!」
男ってやつはすぐに嘘をつく。
なんか調子が良いことでも言っとけば、女はすぐに喜ぶとでも思ってるんだ。
「いいもん、他の相手探すから」
ビールをもう一本開けて、スマホをいじり、マッチングアプリを開いた。
「あ~どいつも、こいつも、調子が良いことばっか書いてあるし。なんなのよ、なんなのよ!」
いい人、いい人、いい人、本当にいるの~この中に。
「これも違う、これも違う、これも違う」
ふにゃふにゃと酔いつぶれそうになった時、目の覚めるようなプロフィールをみた。
カイ・シズク
『勇者です。お相手探しています。よろしくお願いします』
「はぁ~! なにこの勇者ですとか。ふざけてるの! 写真もないし」
か~新しい相手探そうっていうのに、こんな手抜きありえないでしょ。
あたしらは真剣に恋をしたいと思ってるのに。
「あ~なんかむかむかしてきた。どんなやつかみてやろっかな。それで盛大に罵倒してお断りしてやる~!」
酔いと怒り、そいつにメッセージをやりとりして会うことにした。
こんなふざけたやつならいいよね、ふられた腹いせにつかってやるんだから。
土曜日、待ち合わせの日になった。
「本当に来るのかしらね。こなくてもいいけど」
こんなにもドキドキしない待ち合わせってあるのかってくらい、最初からムカムカしていた。
こなかったらすぐでにもメッセージ送ってやるんだから。
待ち合わせ時間の5分前には到着。そいつがいるかを確認していると。
「勇者いたわ」
まじで勇者ぽい服を着ているやつがいた。
なにあの今までファンタジー世界にいました服装。
物語の中でならいいんだろうけど、ここは現実世界。
利点なんて、画像みなくても一発で勇者って解るくらいだろうが!
(なにあれ、ありえな~)
勇者ですとか言って、しかもコスプレとかありえなさすぎでしょ。
こっちはどんなけ相手が駄目男だろうと、おしゃれしてきてんのに。
あんたのためじゃない。
こうするのが常識ってこと、みせつけるためにしてあげてるんだけどね。
怒りが抑えられず、ドスドスと地面を踏みつけながらそいつの前に立つ。
「あんたが勇者ってやつ」
「もしや、あなたがまこと様ですか」
顔はイケメン、超残念なイケメンだけどね。
「初対面でないわ~その様づけとか超きもいんですけど。それで喜ぶとでも思ってんの。そういうお軽い女じゃないのよね~」
初対面からかましてく。ちょっと礼儀いいのが気になる所だけど、ふざけた格好している時点でアウトすぎ。女の子をエスコートできるような姿じゃないじゃん、こいつ。
「顔はイケメンなくせに、ふざけてないでよ!」
いいのは顔だけ! 他はなにこれ状態。
お互いに最悪の第一印象。でもこれでいいわ。どうせお断りする相手だしね。
ふざけたこいつに文句さえ言えればそれでいいのよ。
「すいません。このようば場でどうすればよいか解らなかったものでして。」
あ~やだやだ。無知だけど礼儀正しい、そんなギャップで即落ちするとか思ってるの。
礼儀正しくされるのは嫌なわけじゃないけど、ふざけてるのは変わらないのよね。
「その格好、なにそれ」
「この服装ですか。これは勇者の服です」
「そういう説明が欲しわけじゃなくて……それであんたあたしと街中歩くつもり」
「勇者らしい部分を理解しもらう方が良いかと思いまして」
漫画みたいに目が点になる状況にはじめてなった。
なんだこいつ。勇者らしいとか言ってこの場をのりきるつもり。
しかもふざけた変人なくせに、なんでそんなお行儀がいいことしてくれちゃってんのかな。
「勇者らしいとか今はいらないわよ! あんた礼儀正しいとこあるんだったら、服装からまずしっかりしなさい」
かっとなりながらも忠告をしてしまう。
罵倒罵倒罵倒、ふざけるな~とかで終わらせなかったのは礼儀正しさゆえだった。
「大変失礼いたしました。この服の方が喜ばれると思っていたのですが」
「それ本気で言ってる」
「自分はそのように思っていました」
嘘をついてる感じがなし。そういうやプロフも画像とかつけてなかったわよね。
常識をまったく知らないっていうのは本当みたい。だからって知らないままでいていいわけでもない。
「常識知らずなやつ……とりあえず服買いにいくわよ」
小言を口にして不満をもらしながらも、服を買いに行くことを提案してしまった。
出会って即帰宅と思ってたのに、なにしてんだろ。
「よろしいのですか」
「あんたがまともな服買えなさそうだからつきあってあげるだけ」
「ありがとうございます」
ご褒美をもらえたワンちゃんみたいな笑顔。ふ~ん、そういう顔もできるんだ。
素直な部分は良いとは思うんだけどなぁ。
「自己紹介をさせてもらってもよろしいでしょうか」
「そういやしてなかったわね」
プロフの勇者宣言やら、あまりにも常識外れな格好やらで最初にやるべきことしてなかったわ。
「南まこと。女子大生。よろしく」
「カイ・シズク。勇者です。よろしくお願いします」
とりあえず自己紹介をして握手くらいはと思っていたんだけど……
「本名は? 普段はなにしてる?」
眉をひそませ、本当のことをしゃべらせようとした。
「さきほど話した通りなのですが」
「なんか言えない理由でもあるの?」
「事実なので、どうしようも……」
「あ~はいはい。そういうことにしといてあげる。よろしく自称勇者さん」
「よろしくお願いします」
本当のことくらい話せばいいのに。憎まれ口をいいながらも握手だけはしてあげた。
「さっさといくわよ」
「お供させていただき」
ふざけてるようでふざけていない素直な忠犬勇者をひきつれ、街へと冒険の旅にでかけることになった。
「これは素晴らしい技術ですね」
待ち合わせ場所から近場のよく利用してるデパート。エスカレーターに乗った途端にこの反応。
「なにそのはじめてきましたみたいなリアクション。そういういらない、痛いだけだって」
「痛い、どこか痛みがあるのですが」
「あ~そういう天然な反応もいらないからね」
「天然とは」
「あんたのことよ!」
痛いだけではなく天然さ装備してる。あ~なんであたしこいつの服を選ぶためにここへ来てんだろ。
(目立つよね~早く買おう)
今は勇者の服のままなのでめちゃ浮いてるとこ。さっさと買おう。
「いちおう聞いておくけど、お金は持ってるわよね」
各県に一つはあるであろう、リーズナブルなお店を選んだ。手頃な価格で服を買うことできるけど万が一あるので聞いておく。
「お金というものに関しては、これを使えと言われておりますので」
スマホ決済は知ってるとみたい。なんでそこは常識的なのよ。
「とりあえずこんなのでどう。試着してきてよ」
早々に服を選び、カイに試着をさせてみた。
「いいですね、この衣装」
「うん、普通でいいと思う」
緑のカーディガン、白いシャツ、青いジーパン。リーズナブルで揃えやすい普通なものだけど、元々がめちゃいいので普通でも似合ってしまう。
よくみるとスタイルもめちゃいいのよね。
「いつもと違う感じがします」
普通の良さに浸っていたのに、この一言は余計。
「あんたあの勇者服、いつも着てるの」
「そうですが」
「普段どんな生活してるのよ……」
もしかして実家が裕福なお坊ちゃまとか。常識ないのはそのせい。
いやいや、さすがにお坊ちゃまだろうが普段から勇者服はないでしょ。こいつのこと全然解らないわ。
「買ったら、店員にここで着ていきたいって言っておきなさいよ」
カイはうなずき、試着した服を購入するためにレジへと並んだ。
なんだか放っておけない感じになってる。どうしてこうなってしまったんだろうか。
「着替えてきました」
「あんた服はどこやったのよ」
「しまっておきました」
買った服に着替え終わると異変にきずく。さきほど着ていた勇者服はどこにもなかったからだ。
「いらないからって。変な場所に置いてきてないわよね」
「しまってあるんです。みてみますか」
そうしてカイが装備していたショルダーカバンの中に手をいれると、
「はぁ!? どういうことよ!」
物理法則を無視して勇者の服が飛び出した。
「なんでもしまえるカバンですので」
「理解が追いつかない……とりあえず喫茶店でも入ろっか」
ありえない光景をみてしまい、脳の処理が追いついていない。本当にどういうことよ。
近めの喫茶店の中に入り、テーブル席に座った。
「こんなにもメニューが」
「好きなの選べばいいと思うよ」
「まこと様はどうされますか」
「様はいらない」
「では“まこと”とお呼びすればよろしいでしょうか」
「いいんじゃないそれで」
呼ばれ方でまったくトキメクこともない。なんかそういうのすらどうでも良くなってる。
「あたしはコーヒー。あんたは?」
「カフェオレとパフェというものを」
「それね」
タブレットで注文を済ませ、
「とりあえず事情を聞かせてくれる。さっきのあれはなに?」
カイについて聞いていくことにした。
「あのカバンは元いた世界から持ってきたものでして」
あ~謎単語来た。はいはいもう驚かない驚かない。
「元いた世界って」
「ここから来ました」
名刺みたいに渡されたのは一冊の本。
『ありし日の旅路の中で』、その表紙のキャラクターとそいつは似ていた。
「信じていただけないのは理解しています」
「ならどうして言うのよ」
「本当のことだからです」
信用したくなる強く訴えかける目であたしを見てくる。今まで見てきた男性とはまったく違う目をしていた。
「もう少し証明できそうなことはないの」
そんな目でいてくれたから、ほんの少しだけ信用してみたくなるあたしがいた。
「軽い魔法ならば――ムーブ」
呪文の名前を唱えると、スプーンが目の前で動きだした。
なにこれ、まじで動いてるんだけど。手品とかじゃなさそう。
「魔法、まじであるんだ」
「信じていただけましたか」
「そこまでされた信用してあげるしかないじゃない」
物を動かすだけ、たったそれだけのことだったけど信用するしかない状況になってしまった。
「え~と、今話してくれたことを整理すると。あんたはこの物語の中の勇者ってこと」
「はい。カイ・シズクとして魔王を裏で操っていた大いなる災いと戦ってきました」
「まじか、まじか~」
急すぎるファンタジー展開。物語の中の主人公とかよく受け止めきれるわね。
目の前でこんなの起きたら、普通なにも考えられなくなるもんじゃない。
もう今まで考えてきた事だとか、全部真っ白になってしまった。
「コーヒーとカフェオレをお持ちしました」
ちょうどいい所に店員が注文していたコーヒーを運んできてくれたのでそれを飲む。
コーヒーの味は今日も苦いなぁ~やっぱこれって現実なのよね。
「そのな大いなる災いと戦ってきた勇者が、どうしてマッチングアプリしてるのよ」
一番の疑問を即質問。おかしいわよね、おかしいわよね。この質問、間違っていないわよね。
「この世界の人間とおつきあいしてみたいと思いまして……」
身構えて聞いていたけどいたって普通の内容。まぁそういうアプリだしね。
「別にいいと思うよ。わたしもおつきあいしたいなぁ~みたいな気持ちで出会いを求めてるわけだし……でもあんたは勇者だったんでしょ。この世界でマッチングアプリを使ってまでで出会いを求めなくていいでしょ。勇者なら放っておかない女性の方が多かったんじゃないの」
「強すぎる力は災いを呼ぶ。放っておかないのは女性ではなく国や組織、そうであろうと警戒したわたし達は、勇者と共闘してくれた魔王は滅んだことにしたんです。再び争いを起こすわけにはいかなかったのです」
軽口を叩くと、とんでもなく重たい返答をされてしまった。
「あんたはそれで良かったの」
「そうすることもまた勇者の使命だと思っています。詳細はこれを読んでいただければ」
といって最終巻らしきものを手渡される。
「ネタバレになるんですけど」
「それはすべて読んでいただけるということですか。ではこれを。すべてさしあげます」
カバンからどっさりと漫画がでてきた。保存用、布教用みたいな単語は聞いたことはあったけど、まじでそれをしてくるやつがいるとは。
「今くれても困るから戻しといて」
「大変しつれいいたしました」
とりあえずこんな所で渡されても困るので、漫画はすべて戻させた。
「あんたは静かに暮らすことを選んだ。だけど想像以上に1人は寂しかったってこと」
「寂しくなってしまったというのが正しいです。平和になった後に僧侶や武闘家はそれぞれの国へと帰ったのですが、戦士と魔王使いが結婚したんです――結婚式に呼ばれたあの日、二人の姿をみて、いいなぁ~と思ってしまいまして」
「超わか~る! いざ結婚してる友達いると「あれ、これまずいのでは?」 みたいな感じになっちゃうよね」」
急に親近感を覚える話題になった途端に、お口のチャックが外れてしまった。
「そうなんですよ。1人とぼとぼ帰って家につくと、誰もわたしの帰りを待っていない。自由の中で過ごす1人暮らしは快適です。のんびりと暮らすのも悪いことではないんです」
「でも誰か待って欲しいって思ちゃうのよね」
「まことも同じのなのですか」
「同じ同じ。面倒だとか思わずに恋の経験くらいは重ねておけば~って思ったものよ」
ここぞとばかりの結婚願望を語っていく。異世界だとか、勇者だとかいうけれど、わたしと同じように悩んでたりするんだ。
「元いた世界では強すぎるゆえに恋すらできない。家で悶々と過ごす日々が続いた。その姿をみかねて神様は災いを倒した褒美に一つ願いを叶えさせてくれました。それがこの世界に来て新しい出会いを探すことだったのです」
「じゃあそのスマホとかは」
「神様が使い方を教えてくださいました。軍資金なんかもいただけて」
「その神様ってこっちの世界のことを知っているの」
「現実と物語の世界、その間にいる存在だとはお聞きしました」
「そんな便利存在なら、もう少しあんたに常識教えておいても」
「勇者アピールをしたほうが良いと神様が」
あ、神様、あんたのせいか。
「その神様、すごいけどやばいよ。アピールとかしなくていいから。あんたが頑張ったっていうんならさ、この世界でくらい普通にしてていいんじゃない。普通の幸せを手にいれたんでしょ」
「そうですね、そうだと思います」
事情を聞いてみて、こいつは悪い奴ではないことは伝わってきた。
色々な理由で常識は少し欠けているけれど、しっかりしてると思う。真面目に戦ってきた姿がすぐに想像できてしまう。
「あんたって女の子といい感じな関係に一度もなったことないの?」
だからかな、そんな彼をからかってみたくなってしまった。
「いい感じ……」
「言い寄られたりしたんじゃない。勇者だからもてそうじゃない」
「そんなことは。どうしても恐れ多いみたいな感じになってしまって」
また胸を突き刺すような言葉を。からかいたくなるけど、甘やかしたくもなってきてる。
「パフェをお持ちしました」
店員さんがちょうどいいタイミングでパフェを運んできてくれた。
「しょうがないわね~あたしが食べさせてあげる」
「食べさせる」
「向こうの世界にそういう習慣ないんだ。はい、こんな感じで」
スマホでお気に入りの恋愛漫画を表示。
高校生カップルがパフェをいちゃいちゃ食べてるシーン。青春なのよな~
「このなんとも恥ずかしげにしているものを、今からしたいと」
「おつきあいしたんでしょ。練習だと思ってやってみましょうよ」
「これをわたしが」
なんだか戦ってる姿なんて想像できないくらいに動搖しちゃってる。
「意気地なし、勇者だったんでしょ」
そんな動搖している姿をみているのに、もっとからかいたくなるわたしがいた。
「勇者らしくしてよね。大丈夫だって、怒ったりしないから」」
口を開けて、カイがパフェを食べさせてくれるのを待った。
わたしにまで聞こえてくるくらい大きな深呼吸をスーハーしてから
「あ、あ~ん」
目をそらし、パフェを食べさせてくれる。
あら~これはもう高校生ってくらい初な反応。物語の中で恋愛とかみたりすらしてなかったぽいし、こうなっちゃうのも無理ないか。
「き、緊張しました」
「けど、ちゃんとできたじゃん。えらいぞ」
「そんな風に言われてしまうと……」
からからうと、もっと赤面をしてくれる。なんて初々しい反応なんだろう。
「お礼に今度はわたしがしてあげるよ」
「あ~んをですか」
「もごもごしてたらしてあげられないじゃない。口あけないさい」
魚のように口を最初はもごもごとしていたカイだけど、口をあけてくれた。
カチカチに固まったまま、食べさせてくれるのを持っている。
「あ~ん」
そんな反応が可愛いと思いながら、パフェをカイに食べさせてあげた。
「お、美味しいです」
「そこ反応!」
『ドキドキもして、けどこれもすごくて」
「カイにとってはそうだよね」
パフェの美味しさに危うく嫉妬してしまう所だった。ドキドキしてくれてたみたいだし、わたし的にも満足かな。
(あれ、なんだろう。すごく嬉しいな)
練習のつもりでしてあげたことなんだけど、カイのためになってあげているのが嬉しいと思えている自分がいる。
前の彼は必死に好きになってもらおうとか、頑張ろうとかだったけど、今のわたしはとても自然体でいられてる感じがする。
「まこともどうぞ」
色々と考えごとしている最中に、パフェをまた食べさせようとしてくれる。
「もう慣れてきた」
「いえ、そんなことは。とても恥ずかしいですけど、とても美味しいものなので一緒に食べたくて」
「そういうことなら」
カイが食べさせてくれる二口目のパフェの味は前よりも甘く感じる。
「じゃあ今度はあたしが」
「またあれを」
「いいからいいから」
そんな風にしてカイとパフェを恋人のように食べあった。
「これがカイの漫画の時の活躍か」
パフェを食べおわると、『ありし日の旅路の中で』の第1巻から読んでいた。
「まだまだわたしが力不足時期の時ですか。はじめての魔族との闘い……今見るといたらぬ点ばかりで振り返るのが恥ずかしいです」
「そんな風に思う必要ないんじゃない。かっこいいと思うよ。誰かのためになろうとしてるだけですごいことだよ」
「それが勇者ですから」
本物勇者に直接言うと、なんて説得力なんだろ。そっか~こいつはこんな風にして戦ってたりしたんだ。
弱い自分を鍛え強くなり平和に導いた。
だけど今はマッチングアプリを使って、女の子との出会いを求めている。
なにそれギャップありすぎでしょ。
「これからどこへ行こっか」
漫画を閉じて、次の行き先を聞いてみる。希望があるなら聞いておきちあ。
「あの、まことはいいのですか。無理やり付き合わせていないか心配で」
「そんな風に思わなくていいって。ていうか、それはさすがに今更すぎる話。時間は空いてるんでしょ」
「今日お会いする方のために予定はあけてあります。まぁ自由の身ですので、いつも空いているようなものですが」
「だったらきにすることじゃない。最初あたしが色々行ったのは、勇者の服を着たり常識がないと思ったから。でも今はそうじゃないから」
勇者なのになんか自信がなさげなのよね。すごいことをしたんだからもっと堂々としてればいいのに。
少し真面目すぎる、けどそれは恋愛向きの考えじゃない。
「勇者に楽しい楽しいデートの仕方くらい教えてあげるって言ってんの。はじめての相手に失礼なことをしたのはわたしも一緒。あんたはきにするようなことじゃないって、せっかくこうして出会ったんだし楽しもうよ」
こういう奥手なことをリードしてあげるのも、あたしの役目かな。
ふられた経験しかないけど……もう、それでも立派な恋愛経験なんだから。
喫茶店から出て向かったのは、15種類以上のアトラクションを楽しむことができるスポーツエンタメパークだ。
「ここはいったい……もしかしてこの世界の訓練所ですか」
「確かに色々練習してる人とかいるけど、全然そういうのじゃないから。ボルダリング、トランポリン、パルクールなんか、いろいるな種類の運動を楽しむアトラクション施設って感じかな。ほらあれとかテレビとかの特番でよくみるやつ……って、あんたにはそういう言い方通じないんだった」
「両手を壁につけてガンガン登っていくの面白そうですね。あの指先で移動してるのも良い鍛錬になると想います」
年末の特番、100人のチャレンジャーが挑戦する『スターニンジャ』という番組でやられているようなセットもここには置いてある。
それをカイは楽しそうにみていた。子供の時とかあたしもあんな風にみてたっけ。
「どうしてここへ」
「あたしは運動神経ないからあんなのできないけど、あんたならできるかなって。スポーツできる男の人とか喜ぶと思って前にチェックしといたの」
「そんなことまで調べておられるとは」
「喜ぶ顔をかみてあげたいじゃない。それで色々とね。ここならあんたも勇者らしいとこみせれるんじゃない」
「ありがとうございます」
デートスポットのことについて色々調べてたけど、まさかそれがこんな形で活かされることになるとは。人生なにが起こるか解らないものね。
「軽くやりなさいよ、目立ちすぎるのは禁止。他の人と同じようにやってくれればいいから」
「そうしてみます」
テレビのセットにでてきていたアトラクションに挑むため、列に並んだ。
カイの出番が来るまではしばらく暇ではある。けれど退屈はしない。
「みんなすごい動きするな、運動神経良い男ってこんなにも目の保養にはなるんだ」
この施設にいる人のレベルは高く、運動神経抜群な人ばかりだ。
健全なスポーツで鍛えた健康的な肉体、爽やかな笑顔。
「スポーツ系男子、悪くないのかもね~」
そう思えるほどにはマチアプにいる男よりも魅力的にみえた。
「あ、やっぱ彼女いる。アハハハ、まぁそうようね。そんな優良物件みんなとられてるわよね」
とはいえ、そんな男性の隣にはいつも女性がいるもの。
(学生の時ですらモテテた連中だし、そりゃあそうなるか)
学生の時に恋をしなかった自分は機会を逃してきたのだと、自覚させられてしまうな。
「まこといきますよ」
カイの番になった。さっきまで挑んでいた人はかなりの強者だったみたいで、場内の注目が浴びるほどには動きが良かった。
カイはその後にしなければならない。
カイは両手に壁をつけながら移動するアトラクションに挑んだ。
(なにあの速さ! あ、けどちゃんとあたしの言うことも守ってる)
カイはあたしとの約束を守り、手加減をしながらアトラクションに挑んでくれている。
それでも目立つ、目立つ。
(すご、あんな動きまでやれるんだ)
あっという間に両手の壁をついて移動するアトラクションを制覇。
次は数センチしかなでっぱりに指先だけで触れ、落ちないように移動するアトラクションにも挑んでいた。
落ちる気配はまったくない。それどころか余裕すら感じる。
最後はロープにつかまり上へ上へと昇っていくロープ登りのアトラクション。
まるで機動隊員のような身のこなし。ぐんぐんと上へと昇りすすめていた。
地上へ降りると、見ていた観客に向けてバク宙までみせつける。
「ありがとう」
手慣れた感じで手なんてふっていた。
「あんた勇者なんだ」
「本当はもっとすごいことができましたよ、あの壁とあそこの壁を蹴った力だけで移動できたりもします。ですが約束どおり、普通にみんなが楽しんでいるようにやってみました。どうでしたか?」
「かっこよかったよ、他の人に負けないくらい。バク宙とかもしてたよね」
「あれは少しやってみたくなってしまって。モンスターの攻撃を回避するための必須テクをみせたくて。伝わりましたか」
「あ、そういう感じでやってたんだ。勇者らしかったと思うよ」
「本当ですか! あなたにそう思ってもらえて良かったです」
あれ、わたしなんかすごくこいつの顔ばっかり見てる。
かっこいいとかいつも彼氏にいってきたのに、なんか全然違う。
振り向いてもらいたくて言っていたものと、なんでこんなにも違うの。
「わたしらしい姿をみせれたのは、このような場所を教えていただけたあなたのおかげですね」
「別にあたしはそれくらいしかしてないし」
「それでも嬉しいです。勇者らしいとこアピールできたので」
周りにいるスポーツマンの誰よりも、カイは爽やかで無邪気な笑顔をみせてくれた。
今のカイを独り占めしてるのはわたしだけなんだよね。
「そういうのずるいから」
あんまりにも恥ずかしくなって、顔をあからめ手で顔をおおいかくしてしまった。
「どうされましたか」
「なんでもない、なんでもないって。ほら、他のもやってみたら」
「ではあれとか。山登りしているみたいで楽しそうです」
あいつが楽しそうにしていると、あたしまで楽しくなる。つきあってきた人はたくさんいたけれど、こんな風に誰かをみているだけで幸せになるなんてはじめてだった。
カイ、かっこよかったなぁ……ってなにいろいろ考えてるわけ。これじゃあまるであたしがデートしたくてしてるみたいじゃん。
あいつより恋愛歴は長いから常にリードしてあげないと。
「カイ、次どこ行きたい。好きなとこでいいからね」
「好きな場所でいいのですか」
「もちろん。ほら、あたしが来たい場所に来てくれたでしょ」
「行きたい所は……あります」
「どこどこ」
「そ、それは……ゲームセンターです」
ゲームセンター、これは予想外な場所。
もしかしてこの勇者、けっこうあっちよりの人なのかも。
「これがゲームセンター。素晴らしい。ここでしかできないゲームがこんなにたくさんあるとは」
ゲームセンターに来ただけで、このテンション。
さっきまでのかっこいい姿はどこ吹く風に。まぁいいか。嬉しそうにしてるし。
「ゲームはやられますか」
「いや、ぜんぜん。ゲーセンとかプリクラとかクレーンゲームくらいだしな」
「クレーンゲーム、それです! それをしてみたかったんです。ゲーセンでしかできないゲームじゃないですか」
「そんなにやりたいもんなの」
「各地に眠る宝を発見してみたくなる、それが勇者ですから!」
ドヤァっていう顔されても、なんか反応困る。
宝を手に入れる快感が楽しそうってこと。まぁ旅の中での娯楽的には貴重なのかもね。
「これにします」
中に入っているのはうさぎぬいぐるみ。可愛いものも好きなのかしら。
勇者カイはお宝であるぬいぐるみを手に入れるために、クレーンゲームに挑戦をはじめた。
「攻略法は事前に調べてあります。ここです」
勇者の攻撃は当たらなかった。
「ここです」
集者の攻撃は当たらなかった。
「ここ!」
集者の攻撃は当たらなかった。
「どういうことですか!」
「まずは当てなさいよ!」
本当に勇者なのかよってくらい、ポンコツロード走ってないか。
はじめてだから上手くないのは解るけど、あたしよりみ下手かも。
「待っていてください、必ずあなたのためにとりますから」
「あんたわたしのためにとってくれようとしてくれてるの」
「そうですよ」
「別にいいって。好きなのとれば」
「それでは駄目です。わたしは決めていました。クレーンゲームでとったものをプレゼントするって。人の喜ぶ顔がみたいのです」
勇者は人々の幸せや喜びのために剣を持って戦った。
カイは今もその心であたしを喜ばせようとするために、下手なくせにクレーンゲームをプレイしている。
(勇者として闘わなくなっても、心はいつでも勇者のままか)
運動神経抜群な誰もが認めるかっこよさじゃないけれど、下手くそなくせに頑張っている姿もかっこいいって思えていた。
「とれました、とれましたよ。これプレゼントです」
「あんがと。大切にするよ」
プライズの景品。
たくさんの人がそれを手にしているのだろうけど、このぬいぐるみは違う。
勇者があたしにはじめてプレゼントしてくれた、ぬいぐるみなんだ。
「他にもやりたいものがあって、一人用なのですが」
「いいよ、あたしみてるから」
「では少しだけプレイしてきますね、すぐ終わりますから」
カイはプレイしたいゲームがあるらしく、それをみることに。
「うわぁ~この筐体でプレイできるだなんて」
カイがプレイしているのは古いゲームぽいもの。おそらく格ゲーとかいうやつ。
「でました、この技です」
興味はないけど、カイが楽しそうにしてるならそれでいいか。
「ちょっとお姉さん、ここでなにしてるの」
カイのプレイをみていたら、なんか知らない男に声をかけられた。
「見てわかりませんか。彼氏といるんですけど」
カイの方に目線を向けておく。さすがにこれで部外者だって解るわよね。
「一人で楽しんでやるなんて放っておいて、俺らとどっかにいこうぜ」
「はぁ~だからあたしはここでみてたいんだって」
「やめときなよ、あんなオタク男子。中身はどうせ陰キャなんでしょ」
「そういうの言わない方がいいと思いますよ。あなた達って最低ですね」
「あん! 言わせておけば。可愛いからっていいきになってんじゃ……」
言い合いをしていたら、突然あたしをナンパ男は怯えたような表情になっていた。
「君、なにしてるんだい」
カイがナンパ男の手をつかみ、爽やか笑顔で笑っている。
だけどいつもみたいに目は笑っていない。
次になにか変なことをすれば、容赦をしない。そう伝えているようにもみえる。
「なにも、なにもしてませんから~」
漫画とかでみるような悪人の退散のしかた、ナンパ男はどこかへ逃げ出した。
「すみません、わたしが熱中しすぎていたばかりに」
王様やお姫様の前で膝をつき謝っている、そんな漫画のワンシーンにカイは膝をつき謝っていた。
「いいのいいのきにしないで。悪いのはあのナンパ男。てかこんな場所でしてくるとかもらい事故のようなものだし」
「しかしわたくしは守らねばいけない立場」
「それは勇者の時だけでしょ。あなたは自由を楽しんでいいの」
「しかしそれでは危険に」
「この世界は危険なことだとかそんなに起きないから。ほら他の人だって楽しんでるでしょ」
一人でゲームを楽しむ人もいれば、わいわいプレイしているやつもいる。
「勇者らしくするのもいいけどさ、普通の幸せを感じてみてもいいんじゃない。せっかく自由に遊べるようになったんだからさ」
あたしが平和の中でいきる勇者カイにしてあげられることは、こんな言葉を言ってあげることくらい。無邪気に楽しむ姿をあたしはみたいから。
膝をついていた勇者はあたしの手をとると、手の甲にキスをした。
「ええええええ?」
なにが起こったのか理解できても、頭が追いついていない。なにこれどういう状況。
「わたしの世界で行う、敬愛の証です。どうかお受けとりください」
「う、うん」
恥ずかしくてまともにカイの顔がみれない。なんかペース乱されまくってる。
しかも全然ロマンチックじゃないゲームセンターで。もうなにが常識か解らなくなってきた。
「プリクラとろ。二人でさ」
「はい、とりましょう」
彼氏がいた時に何度かとったプリクラ。それをカイとも撮っている。
「もうちょいこんな感じ。ほら、これでハートマーク」
「なんかそれぽいです」
「でしょ~」
隣にいてくれる人が違うだけで、どうしてこんなにもドキドキできてしまうのだろうか。
「いくよ~」
演じている部分って変わらないきがするけれど、きっとカイは本当のわたしも見てくれる。
「すごく可愛く撮れてますね!」
わたしのことを守ってくれる、愛してくれる。そんな予感がするからかもしれない。
ゲーセンを出てから、夕食を人気のある洋食屋さんで食べた。
前菜も美味しかったけど、目玉であるハンバーグはさらにその上をいく美味しいさ。
たっぷりとした肉汁とソースが絶妙に絡み、旨味が口の中で広がっていく。
それでいてさっぱりとしていてくどくない、とても食べやすかった。
料理は絶品。だけど料理を美味しくしているのはそれだけではない。
「ハンバーグ、とても素晴らしい料理ですね。後からでてくるあの肉汁がたまらなくて」
「きにいってもらえたら、連れていったかいあったよ」
カイが嬉しそうに食べている姿をみると、あたしまで嬉しくなれた。
「ふぅ~お腹いっぱいだね」
「ですね」
そんなカイとの別れも近づいていた。
「夜景でもみにいこうよ」
最後にカイを夜景がみれる場所へと連れていく。
「うわぁ~とてもきれいです! このすべてを人々の営みがつくりだしているとは」
「こんな夜景ははじめて」
「はい。星空の美しさも魅力的だとは思いますが、人々の灯火は平和の証。とても大切なものだと思います」
カイは人々が平和に暮らしている姿、そんな姿を想像しながらこの夜景をみているのかな。
「うん、あたしもみえたよ。人々の喜ぶ姿」
「本当ですか。平和とは本当に素晴らしいものです」
自らがつくりだした平和がこんな風になってくれれば、カイはどこまでも勇者だ。
あたしも勇気、持てるかな……
「これからどうするの?」
「一度あちらに戻ろうと思っています」
「そっか、戻るんだ……カイはあたしといて楽しかった?」
「とても楽しかったですよ。だからちゃんとあなたと出逢えていたらと思っています」
「お互い失礼なことしてたからね」
「今後はこのようなことはないようにします。今日はご指導いただきありがとうございました」
これで終わってしまう、そう思えた時あたしはカイの服をギュッとつかんでいた。
「どうされましたか」
「カイはその、あの……あたしといて楽しかったんだよね」
「はい! とても」
「だから、その……もっといてみたいとか思わなかった?」
「思いました。ですが、わたしはすでにあなたに嫌われています。ひどく失礼なことをしてしまいました。自分の楽しさを優先してあなたを守れなかった。あなたような素敵な人はもっと他の人がふさわしいと思います」
カイはなんでもこんなにも自分に自信がないのだろうか。
かっこよくて、無邪気で、素直で、誰かを大切にできる人。
「そんなこと言わないで……カイ、わたしはあなたといたい」
「わたしとですか?」
予想外、カイはそんな反応をしていたけど、これがあたしの本心だ。本当のあたしなんだ。
「カイはさ、普通の常識も知らない。普通の幸せも知らない。普通の恋もまだ知らない。けど、それは勇者として戦ってきたから。そんなあなただから、わたしはたくさんのことを教えたり、たくさんのことをあなたと感じていたい」
言葉が勝ってにでてくる。カイのことを想うたびに熱くなる。大切にしたいと思える。
「あたしとつきあわない。あなたのことがもっと好きになりたいから」
カイの返事を待つ。
ドキドキが止まらない。断られたらどうしよう。そんな風に思えてしまう。
でもそれはカイの事が好きだから。カイのことを大切に思っているからだ。
「こんなわたしで良ければ喜んで。わたしもあなたのことをもっとたくさん喜ばせたいです」
カイが手をにぎり、わたしと共に歩み道を選んでくれた。
こんなにも嬉しいことはいつぶらいだろうか。
たくさんの彼氏とつきあってきたけれど、なにかがいつも違っていた。
良い顔ばかりどちらもしようとして、結局いつかその仮面がはがれていく。
恋愛なんてものはきっとそんなものだ。そう考えるようになっていた。
だけどカイとの出会いが、あたしに本当の恋を教えてくれた。
素直になりきれたわけじゃないけれど、カイの前なら自分のことをさらけだせる。
はじめての出会い方はけして良いとは思えないけど、本心でぶつかっていたのは事実だ。
「同棲しようよ。そうしたらお互いのことだってもっと解ると思うし」
「一緒に暮らすことですよね」
「そうそう」
「同棲してみたいです。なにか事前に知っておくべきことだとはありますか。はじめから失敗はもうしたくありません」
「知っておくべきことはないと思う。相手が嫌がることをしないとかでいいんじゃない」
「嫌がることをしない。たとえばどんなことでしょうか」
「常識外れなことをさえしなけば」
「それはどんな」
「なんでも聞きすぎないとか。聞かれすぎるとうざいかも」
「う……」
「そんな別に深刻な程ってわけじゃないからね。ちゃんと聞いて欲しいことは聞いてくれていいから」
「なんとか頑張ってみます。家事とかはどうされます。料理はできますけど」
「え、そうなの」
「旅をしている時にしていましたので」
「うわ~助かる。カイの料理か。楽しみ」
「まことも作ったりするのですか」
「わたしは苦手で……」
「それならば一緒に覚えていきましょう。楽しいですよ」
「カイとやれば楽しそうだよね」
夜道を歩きながら、あたし達はこれからの生活に想いをはせていいく。
勇者との恋はまだはじまっばかり。
あたしはカイとこれからたくさんのことを知っていく。
そしてやがてこの恋は愛へと変わるのだろう。
たくさんの幸せと喜びを運んでくれながら。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マッチングアプリを使ってなにか描けないかなぁと思って描いた本作。
本物の勇者だったらって部分だけ決めて書き始めましたが、恋愛成分多めにかけて楽しかったです。
お姉さんになりきれないまことや、無邪気だけど勇者らしい一面をもつカイ。
短いおつきあいだったとは思いますが、読者の皆様にも魅力的だと思えてもらえたら嬉しいです。
少しでも楽んでいただけましたら、
『ブックマーク』と【★★★】レビューで評価していただけると、キャラクター達も作者も喜べます。
少し宣伝も
本作以外にも連載作品として
『クリエイト・レイターズ ~創造を大切にする想いで強くなれば、どんな人でもどんなキャラとも現実世界で出逢え創造のために闘えます~』
物語の中のキャラクターと交流し、創造を大切に想う力で闘う物語を書いています。
また完結作品として
『死にたい俺が明るくてやさしいお姉さんと入れ替わり、恋をする話』
重めの恋愛物も書き終えましたので読んでいただけると嬉しいです。
何卒応援よろしくお願いします。
彼氏にふられてムカついていたので、マッチングアプリで勇者と名乗るふざけたやつを罵倒しにいった ハルキヤ @usapen3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます