予想する陰キャ(予想が正解かは分からないが)

「人間の会話の6割が、愚痴や不満や文句、悪口。4割の普通の会話を増やすだけでも幸せになれる」


 これはどこかの有名占い師の言葉だ。この言葉を思い出した理由なのだが……




 昼休みにて。クラスの女子の会話が聞こえてくる。名前は一応伏せておく……が、それだとわかりづらいのでA、B、Cの三人としよう。


「ねぇBとC聞いてよー、〇〇(先生)に怒られたんだよ。〇〇ってさ〜、まじキモいよね。一々ちょっとしたことで怒ってくるし」


「わかる、そんなの別にいいじゃん!って感じ」


「あとさ、✕✕(先生)もそんな感じだよねー」


「それなー、Cはどう思う?」


「あ、えと……う、うん。そのふたりホントないよねー?」


「「ねー」」





 あの会話を聞いていた陰キャな僕でもCさんは心にないことを言ってるようにしか見えなかった。理由がその二人といたいのか、それとも同意しなければ今度は自分の番だと思ったのかは定かではないが……正直そこはどうでもいい。


 問題はこの「会話の中での愚痴の量」だ。最初に思い出したあの言葉でもいっている通り、世の中愚痴だらけで嫌になる。これだから人間関係ってのは……。そういうこれも愚痴か。


 僕が言いたいのは愚痴の量についてだ。会話の流れでそうなったのならたくさん言われても仕方がないかもしれないが、会話の始まりが愚痴であることも少なくないはずだ。


 愚痴はストレスを吐き出すものとして見られているが、根本はただの悪口だ。そう考えると世の中の会話の6割程度が悪口に溢れているということになる。


 そして、愚痴はその原因の目の前では言わない悪口……つまり陰口だ。今の社会は陰口を言い合う社会であるとも言える。


 ……歪み過ぎではないか、この社会。確かにストレスが溜まって爆発する前にガス抜きすることは大切だが、愚痴を言っているところに直面してストレスが溜まる人もいるのだ。例えば「Aってやつ、〇〇先生の悪口言ってたよ……まじ最悪」といった感じだ。


 愚痴によってさらなるストレスが社会に薄く広まっていき、それが層になりいえば言うほどストレスが溜まっていく……ストレスを発散できたと思っていたが逆にたまっていってるのではないのか?ついそう思ってしまう。


 もちろんこれは僕個人の意見で、本当にそうなっているかは知らない。が、この国の人は他のストレス発散方法を見つけるべきだとも思う。


 例えは思いつかないが、負の感情は周りにも悪影響を及ぼす。ストレスを悪意として外に出すのではなく、ポジティブな行動で自分の中のストレスを打ち消すという方法をとってほしいものだ。


 ちなみに僕の最近のストレスは「帰ったら夕飯のときに下校時に考えていたことを葵さんに話さなければいけない」ということだ。普通に何かしらを侵害してるだろこれは。まぁそうなってしまった原因は僕にもあったりする。


 ある日、葵さんに僕に友達がいるのかを聞いてきて、正直に答えてしまった。そしたら


「じゃあソウスケくんは登下校のときに脳内で色々と思考を巡らせているわけか。良かったら下校の分だけでもいい、私に聞かせてくれ」


 と言われた。友達がいないという情報だけでここまでわかるのは僕たちの根本が同じだからか、それともただただ推理力が高いのか……。


 考えているうちにを家に着いた。今日も葵さんが帰ってきたら言わなければ……はぁ。



「ふむ、確かに職場の先輩方も愚痴まみれだな。理由か……一番楽な方法だからじゃないか?口にするだけでストレスが抜けていく。


 叫んだりしてもスッキリはするだろうが今の時代街中では叫べないし、ポジティブな思考をしようとしたら何か良いことがあったり運動をしたりしないと難しいからな。こればかりは注意したほうが悪化するしどうしょうもない。


 ……私?私は会話さえできればそれでいい。会話ができれば別の話題に誘導すればいいだけの話だからな」

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