第150話 囚われの──
小さな世界の終わりを食い止めました。
メトロは怪物の群れに飲み込まれる事無く救われました。
あのままでは失われていただろう大勢の命を沢山救いました。
戦いは終わり、世界に平和が戻りました。
めでたしめでたし────では終わらないのがノヴァの生きる世界である。
「ではノヴァ様、服を脱いで下さい」
「ふぁ!?」
ノヴァは無表情で詰め寄るサリアに対して言い知れない圧力をひしひしと感じていた。
そしてノヴァが今いる場所はAWのコックピットではない。
キャンプにある雑多な私室とは全く違う、まるで高級ホテルの様な一室にあるベッドにノヴァは腰掛けていた。
「服を脱いで下さい」
「い、いや、聞こえていたけど何故に、あ、ちょっと、やめっ、力強いな本当に!?」
キャンプの襲撃から始まり誘拐され、帝都からの脱出する一歩手前でエドゥアルドに捕まる等々、一言では言い表せない程に多くの出来事がノヴァの身に起こった。
そして巨大な融合体と数え切れない程にいた取り巻きとの戦いを終えたノヴァは今迄我慢していた疲労が一気に噴き出しAWのコックピットで項垂れていた──筈である。
それが何故、こんな部屋にいるのかノヴァは朧げな記憶を探り、そして思い出した。
融合体を倒した事で全ては終わった瞬間に押さえつけられていた疲労が解放して項垂れていた事を。
もう動きたくない、何もしたくないと気力が全て抜け落ちたノヴァをサリアは戦闘を終えたAWの部隊を引き連れて何処かへ移動を開始した事を。
何処か他人事のように感じながらもサリアに全てを任せていたらキャンプに向って飛んでいき、何時の間にかキャンプの傍にあった塩漬けの土地に駐屯地らしきものが建設されていた事を。
何時作ったの? キャンプの了解は取ったの──あ、キャンプの代表は俺か、など電池切れ寸前の頭で幾つもの事を考えていたらAWは駐屯地に着陸。
そこからノヴァはサリアに優しく丁寧にコックピットから運び出されたのだ、お姫様抱っこで!!
そしてノヴァを抱えたサリアは駐屯地の奥に進み豪華な部屋に辿り着くとノヴァをベッドに下ろし──そして今まさにノヴァの服を脱がしにかかっていた。
「出来る! 一人で出来るから! 大丈夫だから!」
「…………」
「何か言ってよ! いや、ちょっと、あ────!?」
ノヴァ自身はひ弱ではない、ミュータントやクリーチャー、エイリアンが蔓延る外に投げ出されても生き残る事が出来る程度に身体能力は備わっているのだ。
だが、ノヴァの抵抗は無意味だった。
脱がしに掛かってくる相手がサリアである、正直に言って相手が悪かった。
アンドロイドと人間、特にサリアの身体はノヴァが手掛けた最新式のプロトタイプであり機体出力がどれ程あるのか設計製造者として理解している。
それでもノヴァはなけなしのプライドを動員してせめてもの意地を見せようとして──その努力は即座に鎮圧された。
そして、裸にひん剥むかれたノヴァに待っていたのはサリアによる徹底的な健康診断であった。
「うう、大切なものがなくなっちゃった……」
「冗談を言える程の心理的余裕を確認、他の検査項目も特に異常値を示していないので健康状態に問題はなし。欠損した腕の治療ですが再生治療はまだ確立していません。暫くの間は義手で過ごしてください」
「……そこら辺は後回ししていたから仕方ない。治療法を確立するまで気長に待つとするけど。当分の間は義手で過ごす事になるのかな?」
「その事ですが義手に留まらずに軽度のサイボーグ化でも行いますか? 脳に通信用インプラントを埋め込むだけでもかなり変わりますし、いっその事──」
「ストップ! サリア、ストップ! 改造ストップ!」
「そうですか……、では此方、帝国に飛ばされてからの食生活はどの様にしていましたか? 何か危険な物を口にしましたか?」
「流石に毒をもっている奴は食べていないが……、ネズミやでっかい虫やエビとか食べられそうな物は帝国に来てから一通り口にしたかな?」
「……今後の食生活も此方で管理します。今後出自の怪しい物は口に入れさせません」
「はい……」
サリアの健康診断は徹底的であった。
血液検査は序の口であり、俎板の上のコイの様に台座に固定されたノヴァはありとあらゆる検査機器によって満遍なく身体を調べられた。
そして人間ドックでも此処まではしないだろう大量の検査を受けた後にはサリアによる大量の問診が待っていた。
帝国に飛ばされてからどの様に過ごしてきたのか、どのような物を食べて来たのか、どのような人間関係を構築したのか等々。
正しく根掘り葉掘りというべき問診の大群を捌き終わると既に夜になっていた。
流石に気力も体力も尽き果てたノヴァは部屋に備え付けられてベッドに横になると、その日は泥のように眠りについた。
そして翌日、心地よい眠りから覚めれば既に日は昇っていいた。
時刻を確認してみれば既に正午近く、端的に言えば寝過ぎである事にノヴァは気付いた。
しかし昨日まで色々とあった事を考えれば肉体も疲れ果てていても仕方が無い、そう自分に言い聞かせたノヴァは日の光でも浴びようかと部屋から出ようとした。
だが扉に手を掛ける直前で入って来たサリアによってノヴァは伸ばした手を掴まれた。
「ノヴァ様、おはようございます。軽く検査をしてからお食事となりますがよろしいですか?」
「アッハイ」
「では此方へ」
サリアに手を引かれながらノヴァは再び多くの検査受ける事になった。
それでも昨日程ではないためサリアの検査自体は短時間で終わり、検査後には朝食と昼食を兼ねたサリアの手料理が提供された。
「サリアの料理は久しぶりだが……、なんかすごく豪華じゃない?」
「そんな事はありません。ごく一般的な食事内容であり特別変わったものはございません」
確かにサリアが言う通り食卓に並んでいた物は特別豪華な料理ではない。
カリカリに焼けた分厚いベーコンとオムレツに始まり新鮮な野菜を使ったサラダ、香ばしい香りを放つコーンスープにふわふわの白パン。
如何にも洋風な食事であり目新しさはない──此処が地獄染みたポストアポカリプスな世界である事を考慮しなければ。
だがそんな些事が気にならなくなる程にサリアの料理はおいしかった。
食材の元々の美味しさを損なう事無くノヴァ好みの味付けをされた料理である。
食事の手が止まる事は無くノヴァは一品も残さずに奇麗に完食した。
そして食べ終わるや否やノヴァはサリアによって再び部屋に戻された。
「必要な物は用意しますので暫くは此方でお過ごしください。それとルナリアが先程此方に到着しました」
「え!? ルナが此処に来て──」
「パパ──ー!!」
「わうわう!!」
「ルナ、ポチ!? おわぁぁあああ!?!?」
部屋の扉が開くや否や飛び出してきた一人と一匹の体重がノヴァの身体に圧し掛かり、今迄会えなかった時間を埋める様にノヴァを揉みくちゃにした。
それからノヴァは復元された映像作品をルナと一緒に鑑賞し、甘えて来るポチの身体を撫で回し、サリアが作った食事を一緒に食べた。
其処にはノヴァが望んでいた、取り戻したいと願っていた平和で安全な暮らしがあった。
そんな日が一日、二日と続き──だがノヴァは幸せに溺れる事無く傍にいたサリアに問い掛けた。
「それでいつまで此処にいるの?」
「もう暫く此処で過ごしてください。長年放置された滑走路に強行着陸を行った機体の修理と同時並行で滑走路の改修を現在行っています。予定では49時間程で運用可能になる予定です。安全確認が完了次第、連邦へ移動を開始します」
「ああ、移動に関しては分かった。それとは別に部屋から出てもいいか? 確かに此処は快適だが部屋にずっといるのは──」
「駄目です」
サリアはノヴァに一言だけ告げた。
吐き出され言葉は短く殊更大きな声ではない。
声音もノヴァが聞く限りでは切羽詰まった感覚を一切感じなかった。
ノヴァの耳には聞こえてきたのは普段と変わらないサリアの言葉であった──その筈なのにノヴァは言葉の続きを言い出す事が出来なかった。
「何か不満がありましたら遠慮なく言って下さい。可能な限りノヴァ様が必要とされているモノを揃えます」
生活に不満がある訳ではない。
美味しい食事、清潔であり快適な住処、帝都での過酷な暮らしを思えば此処は正に天国とも呼ぶべき環境である。
だが何時までも心地良い生活に浸り続ける訳にはいかないとノヴァは考え──、だがサリアは違った。
「運動の為に外に行く必要はありません。それでしたら肉体鍛錬に必要な機材を部屋に搬入しましょう。部屋の大きさから数は制限されますが連邦に戻れば一通り揃えられます。数日は不便を強いる事になりますが今しばらく此方で過ごしてください」
そう言ってサリアはノヴァの寝間着を抱えて部屋から出て行き──、閉められた扉から幾つもの施錠音が聞こえてきた。
呆気に取られ部屋に一人残されたノヴァはサリアが居なくなってから暫くの間ベッドに横になっていた。
だが意を決して起き上がると外へと続く扉のドアノブにノヴァは手を掛け、しかし金属製のドアノブの冷たさを感じるだけで扉は一向に開かなかった。
手に伝わる感触からのは少なくとも3つ以上の施錠が扉に掛かっている。
加えて鍵穴は部屋の内側には存在しないとある意味で徹底していた。
「……どうしよう、これ監禁じゃない?」
ノヴァの耳に聞こえた幾つもの施錠音は空耳ではなかった。
扉は固く閉ざされノヴァは部屋の外へ一歩も出ることが出来ない──、いや、許されていないというべきだろう。
部屋の扉が電子錠等のデジタル機器で構成されているならハッキング等の手法が使えたかもしれない。
だが生憎と扉は古めかしいアナログ錠を幾つも採用しているようである。
仮にピッキングツールを揃えようとも部屋の内側には鍵穴は一つも見つからない。
ならば窓はどうかといえば、嵌め込み式であり元から開ける構造ではなく、空調関係も元から人が通り抜けられそうな大きさはない。
──結論から言えばノヴァはサリアによって監禁されていた。
「困ったな、せめて別れの挨拶位はさせて欲しいんだが」
ドラマや映画の様にガムテープや縄で四肢を雁字搦めで拘束されていない、その点を考慮すれば監禁ではなく軟禁といった方が正しいだろう。
だが結局のところは部屋の外へノヴァは出る事を許されていないのだ。
もし部屋の中で人としての尊厳を投げ捨ててノヴァが駄々を捏ねればサリアは部屋から出してくれるのだろうか?
それとも部屋の四方にある監視カメラからノヴァの身体状況をモニタリングして虚偽であると見抜くのだろうか?
──逆にサリアの監視が強まる予感がする。
我が意を得たりと常に傍にいて何から何までお世話されて人として駄目にさせられそうな未来が浮かんだのでノヴァはそれ以上考えるのは辞めた。
だからといって何もしない訳にはいかない、それが今のノヴァの立場であり背負った責任であるのだから。
何より帝都でのいざこざが終わった後のキャンプの様子が気になって仕方なかった。
あれからキャンプはどうなったのか、問題なく復興しているのか、防衛戦力の配置は大丈夫なのか、物資は不足していないか確認したい事は沢山あった。
そして住民達の生活もどの程度復旧したのかノヴァは知りたかった。
仮にこのまま部屋の中に留まり続ければノヴァは数日後には連邦へ戻るのは確実。
帰還自体に問題はないが最後の別れさえ出来ない可能性があり、先程のサリアの様子から問答無用でノヴァを輸送機に押し込みそうな雰囲気である。
それはちょっと困るのでどうしようかと悩み──ノヴァの悩みを察したのか都合のいい時に端末から着信音が鳴り響いた。
ノヴァは音に引き寄せられるように端末を手に取ると画面には懐かしい顔が映っていた。
『ノヴァ様、お久しぶりです』
「デイヴ、久しぶり!」
通信先にいたのは拠点の資材管理を一手に引き受ける一番付き合いの長いアンドロイドあるデイヴであった。
また、他のアンドロイドが高性能な機体に乗り換える中でクラシカルな機体を好んで使い続けている変わり者である。
そんなデイヴは連邦で別れた時と全く変わらない姿で画面に映っていた。
『その様子ですと体に異常は無いようですね』
「ああ、サリア丸裸にされて徹底的な検査を受けたが全く問題なし。あるとすれば隻腕になったくらいかな?」
『それは確かに大きな変化ですが、それ以外は変わらないようで良かったです。そして帝国でも様々な問題を起こしているようですね。ノヴァ様の事ですから、また自分から色々と苦労を背負いに行ったのでしょう?』
「う~ん、全く反論できない」
『やはり我々の想像通りでしたか。さて私も多くのタスクを抱えているので長くは話せませんがノヴァ様は現状についてどの程度知っていますか?』
「それなんだが……全く分からない!」
『……サリアから何も聞いていないのですか? 其方には五号もいる筈ですか?』
「ああ、何も聞いていない。今は仮設基地の一室に監禁されているところだな。五号に関しては帝都から脱出してから会話していない。多分通信機を介して話は聞いている筈だが……」
監禁状態にあるノヴァは行動の制限は当然の事として得られる情報も制限されていた。
部屋に備え付けられている端末は娯楽特化の端末でありハード部分も外部との接続機能が殆ど取り除かれている。
外部ネットワークへの接続は著しく制限され、一部残った接続機能は間違いなくサリアの監視下にあるのは間違いない。
こればかりはノヴァであっても解決出来ない問題であり、そんな現状をノヴァはデイヴに包み隠さずに話した。
『──これは思ったよりも重症ですね』
通信相手であるデイヴから聞こえてきたのは聞きなれた人工音声である。
だが作り物の声でありながらノヴァでも分かる程にデイヴが頭を痛めている事がひしひしと感じられた。
そして短い沈黙を挟んだ後にデイヴは口を開いた。
『ノヴァ様、この通信は一般回線ではなく秘匿通信回線で会話しているのです』
「なんで??」
『事情に関しては細かくお伝えしたいのです──おっと、気付かれましたね』
デイヴが意味深な言葉を言った直後に部屋の扉から大きな音が響く。
それと同時に扉の金属が強力な力で引き裂かれる甲高い音がノヴァの耳に聞こえてきた。
「何何何が起こっているの!? ヤバい事が起こっているのか!?」
『慌てる必要はありません。これは……、そうですね、人間風に言うなれば後ろめたいことが色々と──』
「ファースト! 余計な事をしないで下さい!」
「サリア!?」
敵襲か!? と突然の事態に慌てふためくノヴァを落ち着かせる様にデイヴが話し──その途中で部屋の扉が勢いよく吹き飛ばされた。
扉としての機能を喪失したガラクタが窓に勢い突き刺さり、開け放たれた入口からサリアが入って来る。
その手にはナックルガードの様な装備されており、扉を強引に破壊して入って来たのは間違いない。
そしてサリアはノヴァが持つ端末を奪い取ろうとして──。
「させませんよ、姉さん!」
「「マリナ!?」」
突如として現れたマリナがサリアを背後から羽交い絞めにした。
機体の出力で考えればマリナはサリアに勝てない、だが不意を突いた状態で人体に近い構造しているサリアの身体をマリナは上手く抑え込んだ。
『通信だけでは貴方に切断される可能性があったので私が輸送機の中に押し込めました。間に合ったようですね』
「ええ、何とか間に合いましたよ! 輸送途中に他のアンドロイドから『コイツ何しているんだ?』『また例の被害者か』と可哀そうな個体を見る目で見られながら! 輸送中の機体の揺れでコンテナの中でもみくちゃにされながら此処まで来ましたよ! 如何にかならなかったんですかデイヴ!」
『記録を改竄しても不自然なスペースは空けられません。仕方なかったのです』
「酷い上司ですね!?」
「皆集まってどうしたの?」
「わん!」
『サリア、マリナ、ルナリア、ポチと集まってくれましたね。さて、五号も聞こえているのでしょう』
『……聞こえています』
『でしたら参加しなさい。何時までもノヴァ様に隠し続ける事は出来ません、丁度ノヴァ様がいる時に部屋に集まって来たので此処で一緒に話してしまいなさい』
『………………分かりました』
「あ、フォースであるアランから『任務で忙しいので欠席します』と通信が来ました」
『まぁ、彼の任務を考えれば仕方ありません。後ほど会話内容を共有しましょう』
「一体何が始まるの? 本当にマジで?」
マリナに続き騒ぎを聞きつけたルナやポチまでも部屋の中に入って来たことで先程までのシリアスなやり取りは彼方に吹き飛んだ。
今やサリアとマリナが取っ組み合い、ポチがノヴァの顔を舐め、ルナが肩車を強要してくる混沌の場と化して部屋の中でノヴァは呆然とするしかなかった。
そんな混沌の只中でデイヴだけが普段と変わらない様子で司会役となって会話を進めていく、それがノヴァの耳には地獄へのカウントダウンの様に聞こえてしまうのは錯覚なのだろうか。
『ノヴァ様、貴方が行方を眩ましてから我々は貴方を探しだすために全てのリソースを投入して探索を行いました。その範囲は例の研究所に留まりません、その遥か先まで探索網を伸ばしました』
「デイヴ、貴方は!!」
「姉さん、落ち着いてくださいよ!」
「話を聞くのが怖いけど……一体何処まで伸ばしたの?」
『例の転送装置を研究していたと思われる研究所と計画を主導していた軍関係施設を目標にして探索範囲を連邦の西海岸、はるか以前の人口密集地と軍の研究所がある場所を重点的に探索しました。そしてエイリアン関連の情報を入手してからは奴らが潜伏していたと予測される場所を虱潰しに襲撃して貴方の行方を捜しました』
「わ、わぁ……」
何と言えばいいのだろうか。
話の途中であれば自分の行方をアンドロイド達が必死になって探してくれていたのを聞いたノヴァの内心は嬉しいと同時に申し訳なさで一杯であった。
だが話の後半に至ってはノヴァの予想外の事であり、デイヴ達が一体どんなことを行ったのか想像がつかない。
故に心の許容量を軽く超過してしまったノヴァは一時的にフリーズ、だがデイヴの話は終わっていなかった。
『以上が前置きです。そしてこの話には長い続きがありますが、その前にノヴァ様にお聞きしたい事があります』
「な、なにを」
デイヴの質問にビビりながら返事をするノヴァの声は誰でも分かる程に震えていた。
一体何を告げられるのか、もしかしてデイヴ達が何かやらかしてしまったのか。
そして怯えるノヴァに対してデイヴは先程と変わらない平坦な声でノヴァに応えた。
『悪い話、とても悪い話、物凄く悪い話の3つがありましてどれから聞きたいですか?』
「悪い話からお願いします!」
ノヴァは心の準備を整えていたが最後に尻込みした。
最初からアクセル全開は無理である、せめて軽い方から聞きたい、クッションを挟みたいというノヴァの健気な抵抗であった。
『分かりました。では時系列順にお話ししましょう』
そしてデイヴが語るのはノヴァいない間に起こった出来事について。
それは主を失ったアンドロイド達の軌跡──ではなく頸木を失ったアンドロイドの暴走の記録であった。
──────────────────────────────────────
*更新が遅くなりました。
*新章手前に登場人物紹介目録を乗せました。
此方は現在アンドロイド陣営しか書かれていませんが不定期で陣営を追加する予定です。
本作の忘備録としてご活用いただければ幸いです。
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