第7話
長い眠りがあった。それはとてつもなく長かった。それゆえその眠りのさなかに宇宙が終わってしまった。
終わった宇宙の中心には彼女がいて、歌を歌っていた。それは誰も聴いたことのない歌だった。それもそのはずでそれは彼女がその場で作った歌だったから。
古い宇宙が死んで、新しい宇宙が生まれた。そうしてすべてが同じように繰り返されていた。永劫の反復があった。その中で彼女は歌を作り続けた。感情の赴くままに任せて。
やがて宇宙さえも彼女の歌に耳を傾けるようになったが、彼女はそれをまったく気にしなかった。宇宙が聴いていようと聴いていまいと、関係のないことだった。
彼女はときおり自分が何者なのか考えたが、それは何の意味もないことだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます