第7話

長い眠りがあった。それはとてつもなく長かった。それゆえその眠りのさなかに宇宙が終わってしまった。

終わった宇宙の中心には彼女がいて、歌を歌っていた。それは誰も聴いたことのない歌だった。それもそのはずでそれは彼女がその場で作った歌だったから。

古い宇宙が死んで、新しい宇宙が生まれた。そうしてすべてが同じように繰り返されていた。永劫の反復があった。その中で彼女は歌を作り続けた。感情の赴くままに任せて。

やがて宇宙さえも彼女の歌に耳を傾けるようになったが、彼女はそれをまったく気にしなかった。宇宙が聴いていようと聴いていまいと、関係のないことだった。

彼女はときおり自分が何者なのか考えたが、それは何の意味もないことだった。

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