第16話 最後の宮殿伝説
ストンヒュー大通りをけっこう歩いて、ようやく宮殿の正門が見えて来た。
「ルロウ、もうすぐ宮殿だからな」
「ああ……」
「でさ~~ロード先輩最後の伝説なんだけど~~」
「話の続きか?」
「今のところ全部ロード先輩のことなんだよね~~」
「全部? 裏の執事長と神様は違うだろぉ」
「でもねでもね~~さっすがに~~ホントに~~最後の宮殿伝説は~~ロード先輩のことじゃないから~~期待もしないでね~~」
「してないしてない……」
「じゃあ最後の宮殿伝説は~~なんとぉ――『実は宮殿には
「い、異世界人……?」
「ははっ――痛ててっ!!」
「ルロウくんが笑った…………」
ダラネーさんがツッコんだ
「な、何の話し出すかと思えば~~笑わすな!」
つい笑ってしまって痛みが走り、声に怒りを表したようだ。
「ホントだドー」
「だよね~~~~」
あまりにも馬鹿らしかったのか言った本人さえ笑っていた。
(……確かに異世界人なんて絵本の中だけだ)
(けど、面白くないか?)
どことなく少し寂しい気持ちになった。
▼ ▼ ▼
ストンヒュー宮殿・正面広場に到着するとビッシィさんが出迎えてくれた。
「皆様ご苦労様でした。これだけあれば十分でしょう」
「じゃあ。オイラは衛兵だからな~~訓練場に行ってくるドー」
ドッドッドッドッと庭園の道を進み訓練場へと向かって行った。
「ロードさん、帰ってきて早々申訳ないのですが、先ほどパレロット国王がお呼びになられてました」
「王様が? わかりました、すぐ行きます。でもまずは……」
ダラネーさんと二人で担架に乗ったルロウを運んでいる最中。
「この方は?」
「ルロウくんって言って、怪我をしてからお医者さんに見せようってロード先輩がここに……」
「なるほど、わかりました。この方の事は私とダラネーさんにお任せください」
「……けど」
「オレのことはもういいぜ。十分だ」
「わかった。お大事にルロウ、、、じゃあ二人共お願いします」
一度、担架を下ろしてビッシィさんと交代する。
「ダラネーさんいいですか? 持ち上げますよ」
「は~~い」
二人の会話を背中越しに聞き、一足先に宮殿の中へ入る。
「ロードせんぱ~~い! 薪ぃ~~集めてくれてありがとぉ~~~~」
声が聞こえたので、返事の代わりに片手を軽く上げてあげる。
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