第7話

 世間に公表され、居場所を失った<主人公>は、遠い大地へと船に忍び込み逃亡を果たしていた。<討伐隊>のA班の副リーダーだった彼の功績と人々からの祝福、そして仲間たちの居場所を奪ってしまった。A班はこの一件以来庶民からの信頼を失い、A班は全体責任で全員解雇となってしまった。その事実を知らない主人公は仲間に対して詫びたい一心と何者かによる策略ではめられたと、ふたつの深い感情に縛られていた。長い航海を経て、ようやく新しい島へと上りつくした主人公は、新しい人生を得るべく、<討伐士>の勲章(ワッペン)を捨て、新しい身なりに整い、この地へと足を踏み入れた。


 A班のリーダーのマスカットは、深い悲しみに包まれていた。信頼していた副リーダーが上官を殺し、A班を全員解雇させざるえない状況に追い込んだことに深い恨みの感情を抱いていた。自身は病気で体を蝕まれ自由に動けるのは夜のほんの十数分だけ。その間、副リーダーのサポートについていたミラにいろいろと教えたりとしていたが、そのミラも副リーダーの失踪と事件、A班の解散も重なり心身共々失踪してしまった。度重なる咳と体の麻痺、そこに金色の髪に褐色の肌をした女が現れる。

『苦しいのね、今楽にしてあげる』

 女はそう言い、指先から鋭利な爪が刀のようにしなった。女は自分を殺しに来ていると察したマスカットは、誰の差し金かを聞くのやめ代わりに「…お前、なんだな」と事情を察していた彼の一閃により女メヌは反撃する隙間もなく殺されてた。

『な……つよい……おまえ――』

 首が飛び、地面に転がっていく。体は灰になり消えていった。マスカットはメヌを見るなり、その場で吐血した。

「やはり……無理そうだな……」

 身体的に限度を迎えていた。これほどの実力でありながら長年A班のリーダーを務めていたのは最強であり、上官でさえも高く評価していた。だが、上司は体が不自由であり奇病により治すことは困難だと考えていたためにA班の解散と同時に抹消する算段をしていた。


 それからほどなくしてA班は解散。マスカットは寝室で倒れているのを発見されたが、すでに遅く、残念ながらお亡くなりとなってしまった。主人公に罪を着せ上官を殺したメヌはマスカットにより殺すことができたが、その事実はミラとマスカットだけしか知りもしない。ミラはマスカットが残したダイイングメッセージを読み、犯人を倒したことを事実を知り、主人公が追われるようになった原因を調査するべく、他の班に異動しその調査を実行した。

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