第21話 ちょいイラ

じめじめとしたあつさがよりいっそう焦りと不安をかきたてる。


明日がテストというのにまったく鉛筆が動かない。


ふと、ブーンという音が耳をかすめた。


「コイツッ!」


オレは後ろの網戸をたたいてよってくるカナブンをおいはらった。


ったくふざけんな!こっちは勉強しとんじゃ!


それから少したった。

あいかわらず筆はすすまず、いらだちはつのるばかり。


「ブーン…。」


「うるさいっ!」


近くにあったティッシュの箱でカナブンがとまっていた所を叩くと衝撃でボトッとおちた。


オレはちょっとかわいそうな気がして悲しくなった。

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