神様の日記
長篠 和ノ
プロローグ
カラ……ズ………ココ…ザリ……
あ、まただ。何時からかなんてとっくに忘れたくらい前からある自分の癖。
至って普通で別に痛くもなんともない左足を引き摺って歩き、途中でまたかと気づいて歩き方を正した。
一定のリズムを奏でる足音は自分には違和感しかなくてそのうちにまた左足を引き摺り始めることを何度も何度も繰り返しながら歩き続けている。
何年も。何年も。何年も。
不規則な足音に安心感を覚えることに気づいたのはいつだろう。
熾穢という名前を。「しい」という名前の響きを呼ばれるたびに泣きたくなるのは何故だろう。
確かに自分の名前という感覚はあるのに、その名前は自分が呼ぶのが一番しっくりくる気がするのだ。自分の名前を自分で呼ぶなんておかしな話あるものか。
だがしかし、そんなことを考えてはその名を自分で呼べないと言う事実にどうしようもなく涙が込み上げてくるのだった。
あァ、頭が痛いなぁ。
「 」
カラ……ズ………ココ…ザリ……ザ…
「 」
金平糖…あぁ、もうないや。
「 」
「 」
もーいっこ、ほしいなぁ…
「はは……厚かまし。」
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