strawberry kiss

ユエ

第1話 兄妹

「いい?美月みづき

「今日から貴方の家族になるようくん、りんくん、はるくんよ」



ママに連れられやってきたのは私と年が変わらなさそうな3人の男の子




「美月ちゃんよろしくね」

「なんだよ、俺と同い年かよー」

「凛ちゃん初めましてで睨まないの」




小学生5年生の時ママが再婚した

再婚相手の人には3人の男の子がいて私の1つ上の葉くん、同い年で双子の凛くんに陽くん。



この日私たちは家族になり兄妹となった。










「…き…美月ってば!!!」


「え!?!なに?!!!」


「ち、ちょっと…驚きすぎだって」




隣の席の咲希さきに肩を思い切り叩かれガタンッ!と驚き飛び起きた美月にあいが少し呆れながら笑った



「何じゃないわよもう授業終わったよ

ったく、どんだけ寝るのよ」


「やば…授業全く聞いてない

咲希ノート見せて…!!!」



お願いします!と両手を顔の位置まで上げ咲希に頼み英語のノートを貸してもらった。



「美月が授業中寝るなんて珍しいけど寝不足?」



「寝不足っていうか窓空いてるし風気持ちよくて気づいたら寝てた的な…?」



愛の質問に少しフワフワした感じで応える美月に咲希が笑う



「何よそれ。でもまぁ今春だし眠たくはなるかもね」


「でしょ?」



あの3人と初めて会った日も春で今日みたいにとても天気が良かったな……



美月は先程まで見てた3人と会った日の夢を懐かしく思いながら教室の窓から空を見た。






「美月いるかー?」



教室のドアがガラガラッと開いた音と共に凛の声が教室に響いた。



「あ、はっけーん!」



美月食堂行くよー!!と陽が手をブンブンと振る。



「え、まって凛くんに陽くん?!」

「やばイケメン……!」



凛と陽の登場にクラス女子がざわつきはじめた。





「あらあらお兄様方のお出ましね」


「相変わらず髪型でしか区別つかないわ」



一卵性の双子な為唯一の見分け方法は髪型で凛はサラサラヘアで陽がフワフワヘア、髪の色はお互いミルクティー色だ。



「咲希お兄様って…同い年だけど?」


「まぁいいじゃない

それより相変らずの人気ねさすが九条くじょう兄弟」


「葉先輩もだよねー」





クラスの女子達はドアの前で美月を待つ凛と陽に対し頬を赤く染めていた。




「おい美月早く行くぞ」


「咲希ちゃん愛ちゃん美月借りてくね?」





「どうぞどうぞ。ほら早く行っておいで」

「お兄ちゃん待たせちゃダメだよー」


「う、うん」



凛と陽が待つドアへ向かう美月を見送る咲希と愛。





「凛、陽お待たせ。」


「待たせすぎだっつの」


「美月俺もうお腹ペコペコだよー」


「ごめんって…葉くんはもう食堂?」


「おー、もういるんじゃねぇの?」





他愛もない話をしながら食堂へ入るととちょうど唐揚げ定食を食べている葉の姿を見つけた。




「葉くん今日は唐揚げ定食なんだ。私も同じのにしよっかなー」



「あ、美月に凛、陽。先に食べてるよ」




唐揚げ定食を食べながら優しく微笑む彼は美月の1つ上のお兄さんの葉。

ベージュの髪色で綺麗なウェーブがかかっているのが特徴的で雰囲気から優しさが滲み出ている。




「俺ハンバーグにしようかなー」

「陽、俺もそれしようと思ってた」


「食べたいものも同じとかさすが双子」


「美月は葉と同じ唐揚げ定食なんだろ?」


「うーん。オムライスも良いけど唐揚げ美味しそうだったし」




「なら俺の唐揚げ何個かあげるしオムライス頼んでおいで」



そうしたら両方食べれるでしょ?と葉が美月に優しく微笑む。



「え、いいの?」


「もちろん」


「じゃあオムライス頼んでくるー!」




葉くんありがとうと美月は嬉しそうにオムライスの食券を発券しに行った




「葉お前いつも美月に甘すぎ」


「凛も唐揚げ欲しかった?」

「いらねぇよ」


「そういう凛も美月に甘いけどね」


「陽も中々だと思うけど?」


「3人ともじゃねぇかよ」


「まぁ仕方ないよ俺たちにとって大切な子だからね」



葉が見つめる先にはこちらに向かって嬉しそうにオムライスを運んでいる美月の姿があった




「お前ら抜け駆けすんなよ」


「凛それはこっちのセリフなんだけど?」


「よりによって同じ人好きになるなんて俺たち仲良いね」




「お待たせー…あれ、凛と陽まだご飯とってきてないの?」



「今から行くんだよ」


「お話してたからね!いってくるよ」



凛と陽は席を立ち食事を取りに行った




「葉くん何の話してたの?」


「うーん、男同士の話…かな」


「えー、またそれ?いつも私だけ話に入れてくれないよねー」


「あはは、ごめんね。ほら唐揚げあげるから…ね?」


「まぁいいけどー」








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