ファースト・トーナメント
星之瞳
第1話オーディーンの娯楽
闘技場では戦いが行われていた。これは『民衆の娯楽』と言う名目で王が行っていたのだが、実際は処刑を兼ねている時もあった。
民はここぞとばかりに怒号を飛ばし、王族や貴族は食事をとりながらと言うことも珍しくはなかった。
だが、王女フリッグはこの観戦が嫌いだ。今日も途中で気分が悪くなったと言って闘技場を後にした。
馬車に乗って城に戻りながら、「なぜ、あんなものが楽しいのか?民に娯楽が必要なことは解る。血を流さず戦う方法はないのか?」王女は呟く。
この国は雷神トールを祭った国。戦うことが必要なことも解る。だが・・・。
王女は浮かぬ顔で、城の自室に戻った。お茶を飲みながらも考え続けていた。
「思いつかない。神殿に行って巫女たちに聞こう」そう言うと侍女に神殿に行く手配をさせた。
ほどなく馬車が用意され王女は神殿へと向かった。
神殿に着くと、巫女のソルとマニが迎えてくれた。
「姫様今日はどうなされました?」ソルが聞く。
「闘技場で行われていることだけど、私にはどうしても受け入れられない。民の娯楽で人が傷つかない方法は無いのか?」
「この国には無い考え方ですね」マニが言う。
「では違う世界から人を呼んではいかがですか?」ソルが言う。
「他の世界から?」王女が問う。
「はい、そうすれば血を流さない方法を教えてもらえるでしょう」ソルが答えた。
「出来るのか?」
「はい、私たち二人と、姫様のお力があれば」マニが答える。
「出来るのであればやるしかないな、用意を頼む」王女が命令した。
「はい、では明日にでも」と二人が答えた。
王女は明日に備えるための注意を聞いて神殿を後にした。
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