子どもの日に🎏

なつかしの再会

大阪の高校を卒業して東京の服飾専門学校に入学した。

1年生の同じクラスの女子と、5月5日のこどもの日に、電車に乗って、茨城県の大洗水族館に行った。

水戸経由で。

いっしょにお魚さんたちを見て、休憩で

｢ちょっと何か買ってくるねー｣

って言って、ボクはフードコーナーに行ってみた。

ひとりでうろうろしていたら、なんとなく砂浜のようなところに出ていた。

なんとなく、なぜか、なつかしい雰囲気を感じるな～って思った。

そしたら

｢あっ？あやめっち？｣

っていう女の子の声、聞こえてきた。

声のするほうを振り返ってみたら、可愛い小学生の女の子だ。

｢あっ？やっぱり、あやめっち！あやめっちも来てたの？｣

って女の子は言っている。

｢うんっ！来てたよ！｣

って答えたけど、誰だろうか？って思っていた。

なんとなく、小学生の時の同級生の美羽ちゃんみたいに思えてきた。だから

｢美羽ちゃん？｣

って聞いてみた。

｢えっ？なに？あやめっち｣

って女の子は答えた。

やっぱり美羽ちゃんなのかな？って思った。

｢美羽ちゃんも大洗まで来てたんだ！｣

って小学生の女の子に言ったら

｢大洗？梅津寺のこと？｣

って言ってる。

｢梅津寺？｣

｢うんっ！ここ梅津寺だよ｣

って女の子は言ってる。

砂浜のまわりを見渡してみた。

電車の駅も近くにあった。

梅津寺駅って書いてある。

うわっ！ほんまや！梅津寺や！って思った。

小4から中1までは愛媛県松山市に住んでいて、梅津寺っていうのは、松山から電車で行ける海なのだ。瀬戸内海の。

｢みきゃんのパフェ食べよう｣

って小学生の美羽ちゃんに言われて、みきゃんパークで、いっしょにミカンパフェを食べた。

｢いつか、いっしょにふたりでディズニーランドに行こうね｣

って、小学生の美羽ちゃんはボクに言ってる。

｢あっ！そうだね！いっしょにディズニー行こう｣

｢約束だよー｣

｢うんっ！｣

｢じゃあね～またね～｣

って、小学生の美羽ちゃんは走って行ってしまった。

それから、ボクは、またあたりをうろうろしていたら、フードコーナーにたどり着いた。

タコ焼きを買って、休憩所に戻ったら、専門学校の同級生の女子は座って待ってくれてた。

｢ごめんねー！だいぶ待ってたよねー｣

って言ったら

｢早かったねー｣

って、女子は言ってる。

｢えっ？早かった？｣

｢買って速攻、走って戻ってきたの？｣

｢えっ？ほんま？｣

｢うんっ！｣

｢いや実は、途中で小学生の時の同級生の女の子と会ってて...｣

｢へー、その女の子も来てたの？｣

｢いや、大洗でなくて、梅津寺っていう愛媛の海で会ってた...｣

｢えっ？どうゆうこと？｣

｢小学生の時に松山市に住んでて、松山から電車で行ける梅津寺っていう海に、さっきまで行ってた...｣

｢えー？なにそれー？｣

｢で、小学生の時の同級生の女の子も、小学生だった...なんでやろな？｣

｢さあ？こどもの日だからかな？｣

｢えー？ほんまにー？こどもの日って、そうなん？こどもの頃の友達にも会えるん？｣

｢そんなこともあったりして...｣

｢えー？ほんまー？｣

それから、専門学校の同級生の女子と、大洗水族館を見てまわり、ペンギンを見たりイルカショーを見たりしてから、おみやげを買って、電車に乗って東京に戻った。

｢今日はあやめっちと行けて楽しかった！ありがとう！じゃあまたね～｣

って言ってもらえて、女子とわかれて、ひとりで歩いてたら

｢あれ？あやめっち？｣

って女子の声、聞こえてきた。

声のするほうを振り返ってみたら

｢あー！やっぱり、あやめっちでしょー｣

って言うから

｢はい！そうですけど...｣

って答えてみた。

｢うわー！めっちゃひさしぶりだー！あやめっちと会えるなんてー！｣

って言って、飛びはねている。

その飛びはね方を見て

｢あれ？美羽ちゃんなの？｣

って聞いてみた。

｢うわー！わかってくれたー？嬉しいー｣

｢えー？ほんまに美羽ちゃんなのかー！何してるのー？｣

｢連休でディズニーとかに遊びに来たんだよー｣

｢えー？ほんまかー｣

それから、その日はホテルで、美羽ちゃんといっしょに過ごした。

小学生の頃に学校でいつも美羽ちゃんといっしょに過ごしてたみたいに。

｢明日の朝は、いっしょにディズニー行く？｣

って美羽ちゃんは聞いてきた。

｢いいねー！ディズニー！いっしょに行こう｣

｢やったあ！小学生の時の約束だしねっ！｣

｢小学生の時の約束？｣

｢覚えてないの？ディズニーにふたりで行こうって言ってた、小学生の頃の約束！｣

｢あー！覚えてる！いっしょにディズニー行こう！って言ってた約束でしょ｣

｢そうだよー！明日ふたりで行けるねっ！｣

｢そうだねー｣

｢なに乗りたい？｣

｢スモールワールドとかプーさんのハニーハントとかだなー｣

｢それな｣