四つの柱シリーズ おまとめ詩集

仲仁へび(旧:離久)

01 白の柱 反転大陸



 純粋さが人を救うことがあるように

 誰かを深く傷つけることもある


 助けたい

 その思いが

 悲劇を紡いだ


 聖女の癒しの力が

 かつて存在していた一つの善意が

 多くの人を葬った


 この反転した大陸では

 善意は善意として機能しなかった


 いま

 たくさんの聖女たちが祈る

 たくさんの想いが過去を思って


 人々は悲しみの涙を流す

 過去を変えなくても

 悲劇に見舞われた心に救いがもたらされるようにと

 白の柱に寄り添いながら

 ただ涙を流し続ける

 

 過去の悲劇は消えないけれど

 繰り返さないことはできる


 決意を固めながら

 思いを強くしながら


 願う

 祈る

 そして強くなる

 忘れないように

 記憶に刻みつけて


 再び

 歩み出す




「ストーリー」


 その大陸では魔法の効果が反転してしまう。

 過去、その効果で最初の犠牲を生み出したのは、聖女だった。


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