僕の国

第2話 何処に行けば良いの?

「若様…」

「カンミ、若様じゃ無いよ、僕は除籍され皇子でなくなってる」

「アラン様これから何がしたいですか」

 カンミは強くて優しく何でも知ってる、僕の只一人の侍女戦闘メイドです。

 僕が今までに只一人エナジードレインを使った女性ひとでも有ります。

 何がしたいなんて聞かれても、これからどうすれば良いのか逆に僕が聞きたいよ!

「一族からの除籍で追放って事は、出来るだけ速く皇帝領から出て行かないとダメなんだろ?」

「はい、そうなんですが旅の仕度を調ととのえないと」

「旅の仕度?」


「まず武器無しでは侮られます。飾りでも武器の携帯は必須ひっすです」

「武器?…使った事ないよ」

「アラン様に武器は不要で御座いますが、侮られない為の飾りです。

 次に飲料水食料それを積み込む移動用高速小型ゴーレム車」

「ゴーレム車って凄く高価だよ、買えるの?」

「高級車でも金貨5枚500万ゼニーですよ楽勝です」

 金貨5枚が安いのか高いのか、父が金貨100枚持たせてくれてる、これって凄い大金?

 僕は恵まれた皇子として育った為、買い物した経験が無い。


 武器屋は物々しい雰囲気で店内は少し薄暗く感じます、ズラリと展示された武器からカンミは僕の身長位の長剣を掴み僕に渡します。

 カンミが軽々と持ってるので、無防備に受け取り重さに取り落とす所でした。

 重さを意識したなら普通に持てます。

「鞘から抜いて構えてみて」

 言われた通り抜剣し構えてみました。

 重い長剣ですが、半端者でも僕はエンペラーバンパイア力は強いです。

「良い感じ!強そうにみえますよアラン様!」

 飾りのつもりの長剣は大銀貨7枚70万Zでした。

 大銀貨って見たこと無いので注目してると、カンミが金貨1枚支払い大銀貨3枚お釣にもらってた。

 大銀貨10枚で金貨1枚と言う事みたいです。


 次にカンミはゴーレム車の展示場に案内してくれました。

 僕は小型3輪ゴーレム車3人乗り金貨1枚が気に入ったけど、荷物が積めないので諦めました。

 結局無難な、悪路対応4人乗り小型ゴーレム車金貨2枚大銀貨5枚の250万Zに決めました。

 カンミは50万Zのお釣全て銀貨50枚にして貰ってる?

⦅アラン様、こうやれば両替賃無しで小銭が手に入ります⦆


 飲料水に食料購入で意味が分かりました。

 パンや干し肉大量の食料購入したのに、金額は大銅貨8枚に銅貨5枚の8500Z、銀貨1枚の支払いで大銅貨1枚銅貨5枚のお釣です。

 飲料水なんて、20リットルタンクに補充して貰って銅貨2枚の200Zでした。

 四角い銭貨が銅貨の下だって。


 金銭価値が分かって来ると1億Zポンと出してくれた父に感謝です。

 それに路銀が何故大金貨10枚で無く金貨100枚だったか、大金貨1枚1000万Zなんて使い道が無いよ。


 ゴーレム車って、ゴーレムと車を合体させた物と言うか、車にゴーレム核を仕込んでゴーレムにした、が正しいのかな?命令通り動く車で勿論運転することも出来ます。


 カンミが運転席僕は助手席、ビオラは後部座席に乗せます。

 カンミがもう大丈夫って言うので、僕が操っていたビオラの意識を戻してやりました。

 僕が操ってると、他のバンパイア達にビオラが人間と認識出来ない。

 ビオラの所有は僕ですが、バンパイアの都市で人間が僕達からはぐれ一人で歩いて居ると悲惨な結果になります。

 良くて下級バンパイアの眷族、普通は血を最後の一滴まで絞り取られた死体になって路地裏に転がってる。


 正気に戻ったビオラは相変わらず僕達に対し恐怖心から無口で無表情な状態に戻りました。

 父にチョッと教えて貰ったビオラの素性は、納税の代わりに献上され、ビオラを手に入れた貴族が父に献上したとか、父は僕の誕生祝いのプレゼントを物色していて、ビオラはお眼鏡に叶ったと言う訳で僕の物になったそう。

 これから果てしなく続く旅の仲間、仲良くとは行かなくても普通に接して貰いたいと思う僕でした。


 よく分からないのはカンミも同じ、知らされて居るのは優秀な戦闘メイドと言う事だけです。

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