第十八話、これからどうするにゃ?

 王女様とミーナの許に戻ると、案の定二人におこられた。かれもした。流石にマズイ事をしたと、僕は反省はんせいする事にした。女の子に泣かれるのは、流石に心の奥に来るものがある。

 うん、ごめん。あやまるから泣かないで欲しい。本当にごめんなさい。

「と、ところで。これからどうするにゃ?行くあてはあるのかにゃ?」

 流石にいたたまれなくなった僕は話しを露骨にらす事にした。そんな僕に王女様とミーナは半眼になって僕をじっと見ている。けど、僕の話も一理あると考えたのか乗ってくれた。

 まあ、恐らくはゆるしてくれていないだろうけど。その証拠にあきれ果てた顔をして僕を見ている。

 いや、本当にごめんって……

「まあ、ダムをめるのは後でも良い。それより本当にこれからどうする?俺達には何処も良くあてはないぞ?この状況下で国王陛下にかくまってもらうのはむしろ悪手だと俺は思っている」

「それは、どうして?」

 カルロの言葉に、王女様は疑問ぎもんを口にする。その件に関しては、僕も同意見だったりする。流石にこの状況下で王城しろに行くのはマズイ。

 何故なぜなら……

「うにゃ、僕もその意見に同意どういにゃ。流石に相手も馬鹿ばかじゃないと思うにゃ。たぶんだけど対策されていると思うにゃ。下手へたをすれば、王城に向かう道中を狙って一網打尽にされかねないにゃ」

「っ、そうね。確かにその意見ももっともだわ……」

「じゃ、じゃあ!これから本当にどうするつもりなの?私達、行くあてなんて何処にも無いよ?」

「にゃ、其処は僕にかんがえがあるにゃ」

 僕の言葉に、カルロ達は僕の方を向いた。

 僕でも、上手うまくいくかどうか分からないけのような作戦だけど。この際こだわっている場合ではないと思う。

「……何か考えがあるのか?」

「うにゃ、此処から更に山奥やまおくに向かった場所にケットシー族の村があるにゃ。僕の故郷だにゃ」

「ダムの、故郷?」

「うにゃ、一人で村を飛び出した手前断られる可能性かのうせいもあるけど。それでも奴等が僕の故郷まで把握はあくしている筈がないにゃ。だから、多分安全だと思うにゃ」

 僕の言葉に、全員が考え込む素振そぶりをする。

 どうやら真面目まじめに考えてくれているようだ。さて、どうなるか?

 やがて、王女様が真っ直ぐ僕を見て聞いてきた。

「ねえ、ダムの故郷に行くとして其処は本当に安全あんぜんなのね?」

絶対ぜったいとは言い切れないにゃ。でも、奴等に僕の故郷むらまで把握されているとは思えないのにゃ。だから、少なくともしばらくは安全にごせると思うのにゃ」

「……分かりました。私は賛成さんせいします」

「わ、私も。ダムがそう言うなら賛成するよ」

 最後に、カルロがのこった。カルロは腕をんで、考え込む素振りをしている。

 だが、やがて苦笑を浮かべて縦にうなずいた。

「分かった。俺もそれに賛成しよう。行くぞ、ダムの故郷へ」

 そうして、僕達はケットシー族の村へと向かう事になった。

 正直、この作戦が上手くはまるかどうかなんてからない。けど、それでも何もしないよりははるかにマシだろう。だから、僕も友達をまもる為に全力を尽くす事にしようと思う。

 友達の為に。そうちかったから……

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