高車5 斛律部の北魏入り
「郁久閭社崙が集まりつつあるが、兵は貧しく馬も少ない。とっとと征伐してしまうべきであろう」
そして兵を集め襲撃した。高車は向こう見ずであり、まるで後顧を憂うこともなかった。そのため婦女らに特に護衛もつけずに各自のゲルにて眠らせていた。郁久閭社崘は高所に登ってその様子を見届けると、亡命者たちをかき集めて千人の隊を組み、朝早くに襲撃、高車の一団を殺した。脱出できたのは十のうち二、三と言う有様だった。斛律倍侯利はなんとか脱出すると北魏に亡命、
斛律倍侯利は篤実さと勇猛さにかけては余人に抜きん出、その矛を振って敵陣を陥落させること抜群の功を挙げた。
北方の人が逃げ隠れをするときにも、赤子が泣き声を上げると「倍侯利が来たぞ」と言えば、赤子すら泣き止むほどであった。
女たちはこう歌う。「良き夫が欲しい。倍侯のような」と。人々から敬われることはこの通りであった。五十本の
後に
拓跋珪の時、鮮卑諸部を分散させたのだが、高車だけはその粗暴さから使役をしきれず、ついには別部としての待遇を得た。
蠕蠕社崘破敗之後,收拾部落,轉徙廣漠之北,侵入高車之地。斛律部部帥倍侯利患之,曰:「社崘新集,兵貧馬少,易與耳。」乃舉眾掩擊,入其國落。高車昧利,不顧後患,分其廬室,妻其婦女,安息寢臥不起。社崘登高望見,乃招集亡散得千人,晨掩殺之,走而脫者十二三。倍侯利遂來奔,賜爵孟都公。倍侯利質直勇徤過人,奮戈陷陳,有異於眾。北方之人畏嬰兒啼者,語曰「倍侯利來」,便止。處女歌謠云:「求良夫,當如倍侯。」其服眾如此。善用五十蓍筮吉凶,每中,故得親幸,賞賜豐厚,命其少子曷堂內侍。及倍侯利卒,太祖悼惜,葬以國禮,諡曰忠壯王。後詔將軍伊謂帥二萬騎北襲高車餘種袁紇、烏頻,破之。太祖時,分散諸部,唯高車以類粗獷,不任使役,故得別為部落。
(魏書103-13)
ここの斛律部がのちの斛律光の先祖? まあ疑問に思うくらいなら調べろって話ですね。
斛律金,字阿六敦,朔州敕勒部人也。高祖倍侯利,以壮勇有名塞表,道武时率户内附,赐爵孟都公。祖幡地斤,殿中尚书。
うーんダイレクト先祖ですねえ。そりゃなんかかっこよく書かれるわけです。「高車は粗暴だったが斛律光様のご先祖は別!」とはこれまた露骨な。
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