魏書 巻49~ ギリギリ拓跋嗣までに掛かる人たち

李霊他  後世の名臣の父

李靈りれい、字は虎符こふ趙郡ちょうぐん人で、高平公こうへいこう李順りじゅんの一世代上の人物だ。とはいえ彼については紹介しない。父の李勰りきょうを紹介する。字は小同しょうどう。恬淡として平静、学問を好み、その名声を趙や魏といった地域、ようは後燕の国に轟かせていた。拓跋珪たくばつけい中山ちゅうざんを落としたときにはすでに亡くなっており、その死を悲しみそして惜しみ、宣威將軍せんいしょうぐん蘭陵太守らんりょうたいしゅが追贈された。なお李霊は崔浩さいこう主導の 431 年における明儒招集にて呼ばれたひとりである。


尉元うつげん、字は苟仁こうじん代人だいじんなので、尉古真うつこしんの親類筋だろう。代々、故地にて豪族として栄えた。父は尉目斤うつもくきん。やはりメインの紹介はこちらである。勇壮にして知略あるものとして知られた。拓跋嗣たくばつしの晩年における河南かなん攻撃に従軍し、前將軍ぜんしょうぐんとして虎牢ころう平定に功を挙げ、中山太守ちゅうざんたいしゅとなった。


慕容白曜ぼようはくよう慕容皝ぼようこうのやしゃごである。父の慕容琚ぼようきょをメインで紹介する。様々な官職を経て常にその清廉さを讃えられ、高都侯こうとこうに封じられた。冠軍將軍かんぐんしょうぐん尚書左丞しょうしょさじょうとして在官中に死亡。安南將軍あんなんしょうぐん并州刺史へいしゅうしし高都公こうとこうが追贈され、かんと諡された。




李靈,字虎符,趙郡人,高平公順從父兄也。父勰,字小同,恬靜好學,有聲趙魏。太祖平中原,聞勰已亡,哀惜之,贈宣威將軍、蘭陵太守。神䴥中,世祖徵天下才儁,靈至,拜中書博士,轉侍郎。從駕臨江,除淮陽太守。高宗踐受,除平南將軍、洛州刺史而卒,時年六十三。帝追悼之,贈散騎常侍、平東將軍、定州刺史,鉅鹿公,諡曰簡。

(魏書49-1)


尉元,字苟仁,代人也。世為豪宗。父目斤,勇略聞於當時。泰常中,為前將軍,從平虎牢,頗有軍功,拜中山太守。

慕容白曜,慕容元真之玄孫。父琚,歷官以廉清著稱,賜爵高都侯。卒於冠軍將軍、尚書左丞,贈安南將軍、并州刺史、高都公,諡曰簡。

(魏書50-1)




この辺は「父の活躍ゆえに北魏で史書に残すだけの働きができた」感じの人たち。まぁ彼ら本人の活躍は拓跋濬たくばつしゅん以降となっちゃいますので。尉目斤なんかは拓跋嗣晩年に前将軍だし、対劉裕北伐でもなんか面白い動きしてそうなんですけどねえ。まあ、ないもんはない。「そのひとがいたことを教えてくれた」ことに今は満足しときましょう。今は、ね。

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