魏書巻35 崔浩

崔浩1  崔宏の長子

崔浩さいこう、字は伯淵はくえん清河せいが人で、崔宏さいこうの長子である。幼い頃より文學を好み、広く経典史書に通じ、天徴五行にも通暁、諸子百家の言に把握しておらぬものもなく、議論の理屈をも完璧に修め、その博識ぶりに敵うものはいなかった。加冠して間もなくし、直郎ちょくろうに任じられた。


400 年頃に給事祕書きゅうじひしょとなり、著作郎ちょさくろうに移る。拓跋珪たくばつけいが書をしたためるにあたり、常にその左右に置いていた。


拓跋珪はその晩年、その猜疑心、苛烈さをひどくしていた。宮廷の近臣たちの多くが些細な過ちを理由に処罰されることが多くなり、そこから逃げも隠れもできなくなっていくと、近臣らはみな目を伏せ、戦々恐々と職務に当たるようになった。その中にあり崔浩は粛々と職務を勤め上げ、時には終日職務にあたり、帰宅さえしないようなことがあった。そのことを拓跋珪が知ると、崔浩のために、と自身のために用意された粥を下賜した。


ひたすら職務に邁進し、たとえ己が窮地のただ中にあっても節度を貫くこと、何事においてもこのようであった。




崔浩,字伯淵,清河人也,白馬公玄伯之長子。少好文學,博覽經史,玄象陰陽,百家之言,無不關綜,研精義理,時人莫及。弱冠為直郎。天興中,給事祕書,轉著作郎。太祖以其工書,常置左右。太祖季年,威嚴頗峻,宮省左右多以微過得罪,莫不逃隱,避目下之變,浩獨恭勤不怠,或終日不歸。太祖知之,輒命賜以御粥。其砥直任時,不為窮通改節,皆此類也。


(魏書35-1)




ぼく「節度というかこいつ、なんでこんな簡単な仕事ミスるんだあいつらバカじゃねえのって思いながらこなしてただけじゃねえの……?」


というわけでみんな大好き桃ちゃんがはーじまーるよー! 「崔浩先生」シリーズで語り手に任じてたくせに今まで伝読んだことなかったよー! 好物はあとに残す派です。(キリッ


というわけで、その内容はほとんどが初耳です。めちゃくちゃ楽しみです。

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