第2話 ホテル火災のニュースで気を揉んだ話

 昭和五十七年の話

 土曜日の朝、学校も休みだったのでのんびり起きてテレビをつけたらホテル火災のニュースを放送していた。

 この時は完全に他人事で、「ああ、大変だねー」とテレビを見ていたのだが、事態が急変したのは昼前にかかって来た東京の伯父からの電話だった…

「ハワイの兄貴があのホテルに泊まっていたらしい」

 東京の伯父が朝の散歩から帰って、ラジオをつけたらホテル火災のニュースで避難した宿泊客のインタビューをしていた。聞き覚えのある声だなぁと思いながら聞いていたら、最後にハワイ在住の伯父の名前が出たので驚いて、すぐに警察・消防・放送局等に安否の問い合わせをしたが判らず、こちらにも連絡してきたとの事。

 慌てて仕事に出ていた父に連絡したりはしたが、出来る事は他になく気を揉むだけの時間が過ぎた…

 夕方になってようやく東京の伯父がハワイの伯父と連絡が取れ、無事が確認されて一安心。

 ハワイの伯父は火元の上の階に泊まっていたのだが、貿易商やツアーコンダクターをしていて旅慣れていたため、いち早く異変に気付いて避難出来たとの事。

 無事の知らせを聞いて、やれやれと気が抜けたよ…

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