第15話

それはそうかもしれない。私自身いい歳したアイドルを応援していたが結婚発表は心の準備ができていたのもあって正直嬉しかった。彼ら自身の成長を支えたのはいつもファンであるし、ファンが成長させてくれる。



「わかったわ。偽装カップルやってみようじゃないの。でもまずは発表じゃなく相手を紹介せずに彼氏ができたことを紹介してから少し経って公開しましょう。ファンも心のっ準備が必要でしょう?」



「そうだね」



彼は私の意見に賛同してくれた。



「じゃあ、今週中に発表してそのあとはこれからどうするか話し合おう。」



そんな話をしているうちにメインの牛肉のステーキも食べ終わり後はデザートだけになった。何のSNSをするかやどこで撮るか、初めはどんなことをするかなど仕事の話をずっとしていた。



「あー、美味しかった。」



「ご馳走様でした。今度は私が奢るわ。あなたに悪いもの。」



そう彼に伝えると彼はニコッと笑って私に


「気を遣わなくていいよ。僕の彼女さん。」



と言ってから手の甲にキスしてきた。ついドキッと胸が高鳴ってしまった。


「何するのよ!偽装なんだからそんなことしなくていいわよ。」



その後タクシーで家まで送ってくれた。自分のメーターより少し多い額を彼の上着のポケットにいれすぐ降りて



「今日はありがとう」


と声をかけた。


「いいのに」


と彼は少し困った顔で笑いながら


「こちらこそ」


と返してきた。





彼の乗ったタクシーを見送ってから私は家に入った。











「これから僕のことを好きになってもらおう。」








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