第137話 決戦前夜

『9階層のボス討伐完了しました。最奥の悪魔を倒し終えましたらまた連絡します』


 監視を再開して数時間、ウルトからの報告が入った。


 ステータスを開いてレベルを確認すると99、カンストだろう。


 この勢いで突入したいがまだダメだ。

 リンとウルトが戻って来るまでは待たないといけない。


 あとは悪魔のみ、1時間もかからないだろう。


『悪魔の討伐完了しました。自我は無かったので撥ね飛ばしておきました。リン様が暴食の力を入手、能力は周囲の魔力を常に吸収。これによりリン様の魔力量は実質無限となりました』


 使ったら使った分回復するってことかな?

 相変わらず悪魔から得られるスキルはとんでもないな。


「了解、じゃあ【トラック召喚】を使うけど問題は?」

『ありません。お願いします』


 よし、と【トラック召喚】を発動、数百キロ離れた位置に居たはずのウルトが目の前に召喚される。


『ただいま戻りました』

「おかえり」


 ウルトに挨拶を返しているとドアが開いてリンが降りてくる。


「ただいまクリード」

「おかえりリン。暴食の能力を得たんだって?」

「えぇ、これで魔力切れの心配は無くなったわ」


 そう言うがリンの魔力が枯渇したところなんて見たこと無いんだよな。


「心強いよ」

「もっと頼ってもいいのよ? ウルトから聞いたけど、レベル99になったのよね?」

「ああ、ステータスオープン」



 ◇◆


 名前……レオ・クリイド レベル99

 職業……(本業)トラック運転手(副業)剣鬼

 年齢……21

 生命力……S 魔力……A+ 筋力………S 素早さ……A+ 耐久力……S 魔攻……A 魔防……A+


 スキル


(身体能力系)

【身体強化(特)】【タイタン】【疾風迅雷】【要塞】【瞬間加速・停止】【絶倫(強)】【生命力強化(大)】【俊敏】


(魔法系)

【魔法適正(聖属性を除く全て)】【魔力吸収】【トリプルマジック】【魔法威力上昇(極)】【合成魔法】【魔力極大ブースト】


(感覚系)

【気配察知(極)】【直感強化(特)】【知覚強化(大)】【魔力視】【弱点看破(特)】【見切り(特)】


(耐性)

【痛覚鈍化】【物理攻撃耐性】【魔法攻撃耐性】【状態異常耐性(強)】【毒無効】


(特殊)

【トラック召喚】【トラック完全支配】【無限積載】【魔剣召喚】

【剣術(神)】【斧術(特)】【槍術(上)】

【魔力撃(極)】【天駆(上)】【アイテムボックス】【精神攻撃】【状態異常攻撃】【腐食攻撃】【毒攻撃】【闘気剣】【自己再生】【騎士の矜恃】【テイム(極)】【隠密】【糸生成】【衝撃緩和】【挑発】【攻撃反射】【捕食】【水中呼吸】【思考共有】【傲慢なる者の瞳】【闇視】


 ◇◆


「凄まじいわね……」

「98の時よりかなりステータス上がってるな……」


 素早さ、魔攻、魔防とSに達していなかったステータスが軒並み1段階上昇している。


 Sに達せなかったのは悔しいが考えても仕方の無いことだろう。

 どうにでもなる。


「そういえばリンのステータスってどうなってるんだ?」

「見せてなかったわね……ステータスオープン」



 ◇◆


 リン・ヒメカワ レベル86

 職業……傲慢な魔女

 年齢……27

 生命力……B 魔力……S 筋力……C 素早さ……B 耐久力……B 魔攻……S 魔防……A+


 スキル

【魔法適性(聖属性除く全て)】【魔力極大ブースト】【トリプルマジック】【魔力吸収(極)】【魔力感知】【魔法威力上昇(極)】【合成魔法】【魔防貫通】【魔力常時回復】


 ◇◆


「いくつかスキルも増えてるね」

「ええ、傲慢な魔女になって【魔防貫通】を、暴食の力を得て【魔力吸収】が【魔力吸収(極)】に、さらに【魔力常時回復】のスキルも手に入ったわ」


 ステータス的にもスキル的にも賢者なんて相手にならないんじゃないかな?


「よし、お互いのステータスも確認したし……行こうか」


 ようやく……ようやくだ。


「まだダメよ」


 踏み出そうとした足を引っ込める。

 まだ何かあるのだろうか? もしかしてリンのレベルもカンストさせたいとか?


「どうして? もうちょっとリンのレベル上げてから?」

「違うわよ……あたしはいくつかのスキルを手に入れた、それはクリードも持ってないスキルよね?」

「そうだね……ああ、そういう……」


 コピーしろってことね……


「分かった? なら突入は明日の朝、ここだとちょっと魔王城から近いし少し離れましょう。ウルトから聞いたけど襲われたんでしょう?」


 通信とかは無かったけどやっぱ戦ってたことは筒抜けか。


「四天将を名乗る骸骨と戦ったよ」

「危なくなったら召喚しなさいって言ってたのに……」


 特に危なげなく戦って勝利したし……


「喚ぶ必要も無かったよ」

「そう、さすがね」


 そんな話をしながらウルトに乗り込み移動する。

 魔王城から50キロほど離れた位置で停車する。


『監視はお任せ下さい。私は監視に集中しますので車内で何が起ころうと感知出来ません』

「いやそれ言わなくていいから……」


 言われると逆に……ね?


「とりあえず食事にしましょうか、明日は決戦だし今日はあたしが腕によりをかけて作ってあげる」

「え? リンって料理出来るの?」


 作ってるのとか見たことないんだけど……それにリンて一応貴族令嬢だよな? 料理する機会とかあるの?


「あのね……まぁいいわ、黙って見てなさい」


 何か言いかけたが結局何も言わずにリンは調理を開始した。

 ウルトに指示を出して調理器具や食材を取り出し手際よく調理していく。


 おいウルト、監視に集中するからこっちのことは分からないんじゃなかったのか?


 リンの作ってくれた食事を頂く。

 なんだか久しぶりに少し味を感じた気がする……


「ご馳走様。じゃあクリード、少し早いけど寝ましょうか」

「そうだね。というかこういうのは俺からリードしなきゃいけない気もするんだけど……」

「今更でしょ?」

「確かに……」


 2人でウルトの用意した寝室に入り英気を養った。




 《【魔防貫通】を獲得、【魔力常時回復】を獲得、【魔力吸収(極)】を獲得》

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