転生者とおとぎ話のお姫様(仮)

moes

転生者とおとぎ話のお姫様(仮)

 その時の私は浮かれていた、のではなくて……浮足立っていたのだ、たぶん。

「あなたも転生者なんですね」

 何の確証もないのに、いや、直感でそう感じたからなのだけれど、ただそれだけで面と向かってそんなことを口走ってしまった。

 言われた相手は切れ長の目を真ん丸に見開いてこちらを見つめた。



「おまえの、その、傲慢で、あー高慢で、……高飛車で、それにそれと傲岸不遜! な態度には辟易とさせられていた。その上、身分の低い令嬢を陰湿にいじめていると聞いては、これ以上婚約を続けることなど不可能だ。婚約破棄する!」

 私のすぐそばにいた人物にびしと指をさす御令息は確か、ノットン伯爵家の次男だったっけ?

 頭悪そうだなぁ。妙にたどたどしい口調だけど一生懸命、悪口覚えてきたのかなぁ。

 っていうか、こういうの見たことあるし読んだことあるよな。生前。

 ん? 生前ってなんだ? 私は生きてる。

 顔も成績もそれなり、ほどほどの子爵令嬢で、読書は確かに好きだけど、こんなおかしな婚約破棄の場面があるお話は読んだことないはずで……。

 いや、でもこういうトンチキな婚約破棄が行われる話はたくさん読んだ記憶がある。

 おぼろげに思い出してきた。

 子爵令嬢として生まれる前の私は、この国ではない場所のごく一般的な家庭のごく一般的、よりは少し大人しめな学生だったと思う。

 その頃に読んでいた、いわゆる転生モノ・異世界令嬢モノと呼ばれた小説にに良くある感じのシーンだ。これ。

 つまり私は物語の中に転生したのか?

 しかし、ここまで頭の悪い感じの断罪シーンあったかなぁ。

 転生のせいなのか、もともとの記憶力なのか、はっきり覚えがないんだよなぁ。

 よりによって帰宅でごった返す学院の玄関口って場所も半端よね。

 衆目を集めたいっていうなら成功しているけれど。

 みなさま興味津々で足を止めているし。

 婚約破棄された、つややかな黒髪が目をひく凛とした令嬢は表情一つ変えることなくまっすぐ見返していた。

「証拠はございますの?」

「え、エリカが泣いて助けを求めに来たのだ、お前にやられたと! かわいそうに!」

 エリカって、噂のあれか。

 どこかの男爵の庶子で、少し前まで市井で暮らしていたせいか人との距離が近くて、大変かわいらしい容姿も相まって令息たちに信奉者がわらわらいて、婚約者持ちの令嬢からは大変評判の悪いご令嬢。

「それは証拠とは」

 黒髪のご令嬢はゆるりと首を横に振る。

 言えないよね。ただの自己申告だもの。

「エリカのような可憐でいたいけな子が嘘をつくものか! お前のような冷血な人間にはわからぬだろうが!」

 言われた令嬢は口元に指をあて少し考えるように首を傾げる。

「……どうせ罰ゲームなら短い期間で済んだ方がマシか」

 ぽそり、こぼれた言葉はたぶんすぐそばにいた私にしか聞こえなかっただろう。

 令嬢にしてはずいぶん砕けた言葉遣いじゃないですか?

「婚約破棄については承りました。……皆様、お騒がせして申し訳ありませんでした」

 きれいにお辞儀をした令嬢の言葉にばつが悪くなったのか、見物人と化した生徒たちがぱらぱらと立ち去っていく。

 そして諸悪の根源たる婚約破棄男は「後悔するなよ」などと訳の分からない捨て台詞を吐いていなくなった。

「はー、せいせいした。あんな阿呆と一生添い遂げるのは勘弁だ、いくらなんでも」

 ごくごく小さな声だけれど、しっかり私の耳には届いた。

 とても先程までの令嬢然とした彼女と同じ口からこぼれたとは信じがたい言葉。

 やっぱり、これはあれかな。

 本来は悪役令嬢だったけど、転生して断罪されないようにしている王道な感じのお話の!

 やったね、お仲間だ。私はたぶんモブだけど。

 どこか清々した風に大きく息を吐いた彼女の袖を小さく引っ張る。

「あなたも転生者なんですね」

「え……テンセイシャ? って、いつからそこに?」

 あー、察知されてなかったのか。ごめんね、存在感なくて。独り言、聞いちゃってたよ。ばっちり。

「ノットン様が頭の悪そうな悪口を並べ立ててみえる時なので、おそらく最初の方から」

「それはお見苦しいところを失礼しました。……ところでテンセイシャとは? 『あなたも』とおっしゃったということは、あなたはそのテンセイシャだと?」

 あれ、しくじったかな、私。仲間じゃなかったのか。直感、大ハズレ。

「えぇと」

「是非、お話を伺いたいです。ゆっくりと」

 美しいほほえみ。でも、目が笑ってない。こわい。

「えぇと。そう、私、用事が」

「その割には最初から最後までご覧になっていたようですが?」

 いや、だって。前世を思い出して混乱していたし、それに至近距離にいたあの状態で立ち去るの、難しくない?

「今、用事を思いだしまして」

 なんか良くない予感がする。この直感は当たる気がする。逃げるが勝ちだと思う。

「そうですか。残念です」

「えぇ。申し訳ありません。それでは失礼しま」

「それでは、日を改めて。明日はどうかしら?」

 よし撤退成功! と思ったのも束の間、追撃をかけられ肩を落とす。

「……今からでも大丈夫です」

 後日尋問とか嫌すぎる。それまでドキドキびくびくしてるのはごめんだ。

 嫌なことは早めに済ませるに限る。あぁ、やだなぁ。

「うれしい! それじゃ行きましょうか。おすすめのカフェがあるの」

 目を細めてうれしそうに笑った彼女に腕を取られる。

 これ、知ってる。連行ってやつだね。

 頭の中でドナドナの歌がぐるぐると流れていた。

 



「そういえば名乗っていませんでしたね。ルィーシャ・シスクと申します。一応」

 連行されたカフェの個室に入り、飲み物とケーキが出揃うとおもむろに彼女は口を開いた。

 名乗らなくても存じ上げています。

 エリカ嬢とは種類は違うが、彼女も学院内で有名なのだ。

 シスク家に、この年頃の令嬢がいたなんて誰も知らなかった。

 当然、茶会などで見かけたこともない、突如現れた令嬢の存在が噂にならないはずはない。

 その内容はシスク伯爵の庶子であるらしいとか、他国の姫君を匿っているとか、その美しさと才に目をかけられ養子に迎えられたらしいとか、ありそうなものから荒唐無稽なものまで様々だ。

 庶子、というのはなさそうだなと目の前の人を見て思う。

 立ち居振る舞いが貴族としてのそれなのだ。一朝一夕で身に着けたものではなく、馴染んでいる。

 荒唐無稽だと思っていた某国の姫君というのが当たりだったりするのではないだろうか、もしかして。名前もこの国では珍しい感じだし。

 一応、とか不穏な一言くっつけていたし。面倒ごとは御免なのですよ。うちはへっぽこ子爵家ですから。

 巻き込まれは回避したい、切に。

 しかし名乗らないわけにはいかないだろう。

「ユリア・クローブと申します」

「ユリアさんとお呼びしても? 私のことはルイとでも」

 呼べるか!

 学年も先輩で、家格上の相手。それも今日知り合ったばかりで、愛称で呼ぶほど親しくないし、親しくなりたくないし!

「それで、テンセイシャとは?」

 そうだった。不穏な名乗りに気を取られて忘れていた。本題はこっちだった。



「つまり生まれる前の記憶があって、その時暮らしていたのがこことは全く別世界だったと」

「荒唐無稽ですよね。信じられないですよね。大丈夫です。頭のおかしな女の妄想です。そういうことで失礼し」

 ざっくり一通り説明して、ルィーシャ様の眉が寄ったところで、よし逃げようとばかりに立ち上がる。

 両肩にポンと手を置かれる。

「えぁ?」

 間抜けな声が出た。

 そっと振り返るとそこにはルィーシャ様の麗しい微笑み。目が笑ってないやつ。

 さっきまで対面に座っていたのに、どんなスピードだよ。こわすぎる……。

「ルィーシャさま?」

「ルイ」

 視線の圧が強い。こわい。

「る、ルイさま」

 怖いのに目が離せない。逸らしたら最後、危険な気がする。

「まぁ、勘弁してさしあげましょう。で、どうして私も転生者だと?」

「……悪態が、その。なんというか、ご令嬢にしては、少々」

 ごにょごにょと濁す。ここまで言ってしまえば濁しても意味ない気もしたけれど。

「そっか。そうだった。取り繕う必要もなかったか。今更」

 にこにこと満面の笑み。心から喜んでいるのだろうけれど、嫌な予感しかしない。

 肩に置かれた手に力がこもる。

「さて、私の事情を話そうか」

 聞きたくないです。




「私はね、呪われているんだ」

 耳をふさいでいた手をはがされる。

 いぃやぁ。耳元に吐息が。ぞわぞわする。

「なんですか、口が悪くなる呪いですか」

 あくまでも令嬢にしては、であって前世の記憶がある身からするとごく普通の口調の範囲だけれど。

「そんなかわいらしい呪いなら良かったんだけどね」

「あ、あの。ルイさま。もう逃げませんから、座っていただけませんか。耳元で話されるのは」

 落ち着かないし、耳はぞわぞわするし。

「……そうだね」

 背後から離れてくれたことにほっとするのも束の間、座っていた二人掛けのソファが沈む。

「あの、なぜ隣に」

 元の席に戻ってくださいよ。近いんですよ。

「万が一、外に聞こえたら困るし。この方が小さな声でも話ができるでしょ」

 伯爵家令嬢が呪われているなんて外聞が悪すぎて大声でできない話なのは確かだけれど、半分は私を逃がさないためだろう。

 座ったと同時に私の手を握ってるし。帰りたい。

 どうせ話を聞かないと帰れないならさっさと進めよう。

「どうして呪いを?」

「まぁ、八つ当たりというかやっかみというか、嫌がらせというか。私に非はないんだよねぇ。この呪いに関しては、かけらも」

「それはご愁傷さまです」

 八つ当たりで呪いをかけられるなんて不運すぎる。

「本当にね。ノットン伯爵令息と結婚しなければ十八の歳に死ぬって、どっちに転んでも最悪でしょ?」

「え?」

 一瞬意味が分からず、ゆっくりと言われた言葉を頭の中でリピートする。

 死ぬのはもちろんごめんだが、あの阿呆令息と結婚するのも嫌すぎるな、確かに。

 貴族令嬢は政略結婚も当然だから拒否権はないにしても。

「呪いの為なら結婚後、離縁するのは」

「駄目だろうね。効力は死ぬまでって話だし。あぁ、結婚後さっさと殺るっていうのはありだったか。……どちらにしろ破棄されたから今更だね」

 当主同士が話していない状態の婚約破棄が実効あるのかは謎だけど。

 確かにあれと結婚生活を送るのは罰ゲームだろうから「短い方がマシ」との言い分もわかる。

 でも罰ゲームなんて軽い言葉で済む話ではない。

 このままでは死んでしまうのだ。一年足らずで。

 かける言葉が見つからず、唇をかむ。

「……」

「そんな顔しないで。やさしいねぇ、ユリアさんは」

 どっちがだ。

 辛いのは自分の方だろうに、慰めるように笑って気遣ってくれて。

 声を出すと涙までこぼれそうで、小さく首を横に振るしかできない。

 少し話をしただけの私が泣いちゃだめだろう。

「大丈夫。私、まだ呪いに負ける気はないから。手伝ってね、転生者のユリアさんなら何か良い案が出るかもしれないし」

 あまりの無茶ぶりに、出かけていた涙が引っ込んだのは良かったかもしれない。

 良くないけど。



「あのですね、以前の私の暮らしていたところは呪いとか魔法とかない世界だったんですよ。そういうのは物語の中だけで」

 いや、知らないだけで蔓延っていたのかもしれないけれど、平凡一般人な私には関わりのなかった世界だ。

 だから転生者特典をあてにしてもらっても困る。

「その物語の中での呪いの解決方法を教えてください。現状、打つ手なしの状態なんです」

 余計なことを言ってしまったか。

 物語……定番は白雪姫や眠り姫の「キスをする」か。

 ……いやな予感しかしない。保留だ保留。

 他は何かあったっけ。

「なんかトゲトゲした草で服を編んで着せると元に戻るっていうのはありましたね。魔女に呪われて白鳥にされた王子が」

 イラクサだっけ? こっちの世界にもあるのかな。

 握られていた手に力がこもる。

「興味深いね。他には?」

「壁にぶつけると元に戻るとかもあったかな。あれも王子だった気がする……いや、でもルイさまには意味ないですよね。変身させられているわけではないのですから」

 他に何かあったかなぁ。

「呪った人を殺すっていうのも基本でしょうか。あとは正体を見破るとか」

「呪った本人はもう亡くなってるの。依頼主はまだ生きているけれど。これを殺しても、ねぇ?」

 首を傾げておっとり笑う。

 こわい。「まだ」って言った……。

 それに依頼主がいるって、それ八つ当たりじゃなくて普通に怨恨なんじゃないの? 大丈夫?

「ねぇ、ユリアさん。さっきは王子様にかけられた呪いの話しか出なかったけれど、姫君にかけられた呪いとかはないのかしら?」

 そうですよね。ルイさま女性ですものね。

「…………ずっと眠り続ける呪いにかけられたお姫様とかもいますよ」

「その姫君はどうやって目覚めたんです?」

「……王子の口づけで」

「なるほど。試してみましょうか」

 そうなると思ったんだよ!

 今までで一番の笑顔じゃないですか、ルイさま。面白がっているでしょう。

「そういうのは好きという気持ちがないと!」

 真実の愛でもって呪いが解けるのだ。

「ユリアさんは私のこと嫌いなんですか?」

 そういうことじゃないんだよ。わかってるでしょ。さりげなく顔を近づけないで!

「だめ?」

 切羽詰まったようにも見える、まっすぐな目。

 うん。そうだ。呪いが解けなければ死んでしまうわけで、藁にもすがりたいはずで。

 知り合ったばかりで、友人と呼んでもいいのかわからない程度の仲の女同士で、きっと無駄だろうけれど。

 小さくうなずくとやわらかく微笑んだルイさまの顔が至近距離に近づいて反射的に目を閉じた。

 唇にやわらかいものが触れる。

 呪いが解けますように。

 無理だろうけれど、祈る。

 唇に柔らかい感触と吐息が伝わった。




「あ? うそ。ちょっと、待った。目、開けないで」

 焦った声と、みしっというかぴりっというか小さな音がつづく。

 え? なに。

「だから、だめだって」

 目を開けようとしたことを察知したのか、ぎゅっと抱き寄せられる。

 ん?

「……ルイさま」

「あー、ねぇ。えぇと、すごいね。転生者の知識。呪い、とけちゃったよ」

「あの、ルイさま。お声が」

 呪いが解けたなら喜ばしいだろうに声が低くないですか?

 それになんというか、違和感が。

「説明する。ちゃんと。ただ、今差し障りがあるから、良い? 目は閉じたまま。私が離れたら後ろを向く。できるね?」

「はい」

 抱きしめられた腕の中でこくこくと頷くと解放される。

 言われた通り目を閉じたまま……後ろってどっちだ。

 ソファに座っていたけれど、今は隣のルイさまの方を向いていて……ソファの背側? いやでもルイさまを見るなって意味だよね、きっと。

 ルイさまに背を向けて座りなおす。

「目、開けても良いけど決して振り返らないように」

 なんかそんな話あったよね。塩柱にされるやつ。

 まぁ、塩にされることはないだろうけれど頷く。

「端的に言うと呪いの症状はもう一つあってね、女性にされていたんだよね」

「それって」

 どういう意味かと思わず振り返る。

「あ」

 塩柱になった方がよかったかもしれない。

「あ、ぶないところだった。危うくあられもない姿を見られるところだった」

 そこにいたのはローブを羽織った、すらりと背の高い青年。

 確かにルィーシャさまを男性にしたらこんな感じだろう。ただ、それ以前に。

「殿下?」

 病気療養中のはずのわが国の第二王子、ルイス様。

 姿絵、それも数年前のものしか見たことないが間違いないだろう。

「正解」

 いたずらっぽく笑うけれど。

 まずい。いろいろと。

「なにも見てないですし、聞いてないですし、お会いしてもないですし、さようなら。帰らせてください」

 逃げるべきだ。撤退だ。

「やだなぁ、口づけも交わした後だっていうのに、冷たいね」

 逃げ出そうとしたところを後ろから抱きしめられる。

 だから、耳元でささやくな!

「殿下、あれは、治療です!」

「真実の愛でもって呪いが解けたのに?」

 ちがう。ちがう。たまたまだから。

 ぶんぶんと首を横に振りつつ、腕から抜け出そうともがく。

「ルイって呼んでくれたら放してあげても良いよ」

 呼べるわけない。不敬だ。

 必死で首を横に振る。

「そっか。それは残念」

 全然残念じゃなさそうな声。

「ぅえ?」

 抱きつかれた格好のままひょいと持ち上げられる。

「そっか。つまりユリアは僕と離れたくないんだね。わかった。このまま連れて帰ってあげる。一緒に帰ろう」

 どこに。

 ちょっと待って。部屋を出ようとしないで。

「ルイさま!」

 仕方なく名前を呼ぶとようやく解放してくれる。

「残念」

 残念じゃないよ、まったく。面白がって。

 ろくなことしないな、この王子さまは。

 ソファにへたり込んだ私をルイさまはのぞき込む。

「ユリアかわいいね」

「……呪いのこととか、誰にも言いません。秘密にしておきます。大丈夫です。そんな言葉で懐柔しようとしなくても」

 例え八つ当たりでかけられた呪いであっても、呪いにかけられたという事実だけで王家にとっては醜聞になるのだろう。

 出来れば口封じしておきたいけれど、ルイさまは、口八丁でこちらに恋情を抱かせ、自主的に口をつぐませようとしているのだろう。

 ルイさまのようなきれいな方に優しい口調で「かわいい」なんて言われたら確かによろめく。下心を知らなければ。

「かわいくなこと言うね、ユリア」

 両頬をグイと引っ張られる。

 ひどい。一応これでも令嬢なのに。

「知ってます、言われなくても」

 見た目が平凡なのは自覚がある。

 でもわざわざ声にしなくても良いと思う。私は一応命の恩人なんだから。

「好きだよ、ユリア」

「…………そういうの、もういいです」

 嘘だとわかっていても一瞬でもときめく自分が憎い。

「テンセイシャだからなのか、それ」

「どれですか?」

 尋ねるとルイさまは深々と溜息をつく。

「……ま、いいや。これからもよろしく。ユリア」

 よろしくされたくはないけれど、浮かべた笑顔があまりにもきれいで、反論もできずただ小さくうなずいた。


                                   【終】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生者とおとぎ話のお姫様(仮) moes @moes

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ