私の死体を見た皆さんへ
夢色ガラス
第一話 死んだ私
私が死んだことなんて、どうせ何とも思っていないのでしょうね。
私はそう呟いて、ふふっと小さく笑った。お義母さんは悲しんでくれているかな?お父さんは…喜んでいるのかな?私が産まれてきたこと自体、間違っていたから。
お父さん、覚えているかな?小さいときにお母さんとお父さんと、3人で遊園地に行ったこと。楽しかったなぁ。あの時の私は、きっと誇りに思えるような娘だったよね。ああ、あの時は幸せだった。今みたいに居場所がないなんてこともなかったしね。ま、私が悪いんだろうけどね。
昔を振り返ってみると、涙が出てきそうになった。寂しい、って感じた。ホントはもっとお父さんとお話したかった。お母さんに抱き締めてほしかった。まだ、お花屋さんになるっていう小さい頃からの夢、叶えてないのになぁ。
「私、死んで良かったよね。」
この世界に問いかけるように言ってみた。私のか細い声は、ナニカに吸い込まれてしまったみたいに、静かに静かに消えていった。いつだったか、生前に友達の前で呟いた言葉。誰も否定をしてくれなかった。つらかったし、寂しかったから、私はずっと罪のない人に八つ当たりしていた。ごめんね。
そしていつも私と遊んでくれた、
「…でもきっと、そんなことはないなぁ。きっと優奈は天国行くもん。私とは違って良い子だから。会えないじゃん。」
頬を膨らませて少し笑った。ドジで馬鹿なとこも、優しすぎて私の代わりに恥をかくとこも、よく私を笑わせてくれるとこも、全部大好き!優奈のことを考えるとワクワクするよ。優奈、早く会いたいよ。
でも今私がしなくちゃいけないことは、思い出を振り返ることでも、優奈に会いたいとわめくことでもない。そう、私の身体を壊した犯人を見つけ出すことだ。中学3年生になってから転校生として
学校の生徒が亡くなった、ということで学校の先生たちは慌てていると思う。クラスメートは同い年がいなくなったショックで、パニックになっている子もいるんじゃないかな。ま、別に私を嫌った人間がどれだけショックを受けていようが関係ないけどね。大半の子は私が死んだことより、毎日会っていた人間が死んだことに焦っているんだろうけど。優奈は…悲しんでくれているといいな。
「…誰が私の人生をめちゃくちゃにしたのよ。」
憎しみのこもった目で地面を見つめていると、優奈が私を嘲笑うような声が聞こえた気がした。パッと辺りを見渡しても誰もいない。優奈は優しくて臆病でおっちょこちょい。そうよ、優奈は素敵な子よ。
「優奈は素敵な子よ。」
繰り返して言ってみると、またもや耳元で低い笑い声が聞こえたような気がした。
あとがき
皆さんこんにちは!作者の夢色ガラスです!
このお話を読んでくれて、ありがとうございます!フォローして、いいねつけてくれた人なんか、もう嬉しすぎて頭がおかしくなりそうですw。
フォロー、♥️、★してくれると嬉しいです!してくれたら作者もがんばりますo(`^´*)
これからも夢色ガラスをよろしくお願い致します!
<次につづく>
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