吸血鬼達は不眠症(の欠片達)
透瞳佑月
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《用語説明》
吸血鬼
人の血を吸うことで魔力を補充する事が出来ることが出来る生き物。眷属は血を吸うこと、吸われることで一時的に吸血鬼に近づくことが出来る。藍暗一族の末裔の吸血鬼は藍暗勢力の崇拝する神でもある。
魔術師
魔術を使うもの。流派や所属する団体によって学ぶ魔術体系はそれぞれ違う。
錬金術師
ホムンクルスを研究する魔術師の一派。一般的に人形(ドール)と呼ばれるホムンクルスを造る。伝承のように無限の知恵は持っていないかわりに魔術的に作られた「フラスコ」の中で錬金術師の思うままに動ける。
殺人鬼
吸血鬼の眷属の総称。西洋にいたころから吸血鬼の眷属は主の為に死体を調達することが多かったためこのように呼ばれるようになった。半吸血鬼としての高い身体能力と魔力量、ある程度の再生能力を持つ。吸血鬼のように血液から魔力を補充することが出来、また主人の吸血鬼から血を吸われることでさらに吸血鬼に近づくことが出来る。現在は人形(ドール)殺しの意味で殺人鬼と呼ばれる意味合いが大きい。人形(ドール)の血液は「美味しいだけ」で人間の血のような快楽と幸福を得られないので殺人鬼は性行為のように吸血鬼に血を吸わせる。彼等の殺人衝動は「血を彼女に捧げたい」という主への忠誠である。
使い魔
魔術師が扱う眷属。生き物なら獣でも鳥でも爬虫類でも虫でもいい。勿論人間でも。藍暗勢力に所属する人間の使い魔は人形(ドール)と戦っている事と、神としてあがめている吸血鬼に倣って、「
GIRL
使用するとトリップした先の世界で自分の思い描く理想の美少女に会えるドラッグ。錬金術師が作った物で違法な物は一切使われておらず、どれが有効成分なのかもわからないので警察も規制に困っている。少女教が信者を増やすために一般人にも売っている。トリップした先の世界は不思議の国のアリスをモチーフにした世界。
少女教
湊瑠依の思想に感化された人々の教団。GIRLを大量の人間が使い、トリップした先の世界が現実だと思うようになった人々が一定数を越えると「もう一つの現実」が生まれる。
しかしそれにはその世界を統べる神の存在が必要で、湊瑠依は吸血鬼の神である藍暗咲夜に一目惚れし、その世界の神にしようと画策している。少女教の信者は魔力を一時的に扱える薬と魔術の講義で基礎的な魔術は扱える。
異能
魔力を使用しないで超常現象を引き起こす現象の事。異能を持った人間は「能力者」と呼ばれる
教会
世界最大宗教の流派の一つ。裏では異端審問を続けており、神の存在を信じるのと同様に奇跡、法術を信じている。「異能」を「奇跡」、異能力者を「聖人」と呼び積極的に探している。
魔術教との条約の例外の事件が発生した際その魔術師を駆逐する団体
第零課と第十三課が実働部隊として活動しており、第零課は聖人、第十三課は魔術師で構成されている。第十三課は信者でありながら魔術という異端をおかしているため差別されている
魔術教
世界中の魔術結社が教会からの異端審問から自らの組織を守るため作られた魔術結社連合。一部の例外以外の状況で異端審問が決行された場合、魔術教は教会に報復を行うという契約がある。
藍暗勢力
吸血鬼を神として崇める神道系と西洋魔術のハイブリッドの魔術結社。この街の警察、医療機関、教育機関などに何人もの藍暗勢力の魔術師が居り、藍暗勢力はこの街の裏の支配者。
上二中
廃校。図書室に校長室のソファとテーブルが置いてあり、薬の入った缶と灰皿が机の上に置いてあり、酒の空き缶がゴミ袋に詰められ隅においてある。透也達の溜まり場
《登場人物》
長門透也
藍暗咲夜への信仰心以外なにももっていない。小学5年生の時魔女に目の前で両親を殺され、虐待、強姦を受けた。それまでは無感動な空っぽの少年だったが魔女からの虐待の結果天使化の異能を手に入れた。「天使の糸」という光る糸を操ることが出来、天使の力が高まると頭に光輪と背中に羽が生える。この特異な能力が発現したことにより、また藍暗咲夜が透也を「眷属」とすると決めた為藍暗勢力に引き入れられる。初対面で藍暗咲夜に見初められ、彼女の眷属になる。不眠症。人間的な感情は殆どもっていなかった「死んでないだけ」の少年だったが虐待の結果「苦痛」という人間らしさを手に入れた。
吸血鬼の眷属、半吸血鬼である「殺人鬼」。異常な再生能力、身体能力、魔力を持つ。普段は折り畳み式のナイフを持ち夜を彷徨うが、
DSDを持って産まれた。
藍暗咲夜
吸血鬼狩りを避けて極東に逃げ、そこで神格化された吸血鬼の末裔。人間の魔力が100円ライターなら吸血鬼の魔力量は原子力発電所と言える程の魔力量。血のように赤い魔力をそのままぶつけるという魔術師なら非効率極まりない戦い方が基本スタイル。魔術師としての能力も一流だが、術式を編むのが面倒な為このように戦う長門透也に初めて会った日から病的な執着を抱いており、透也と咲夜は神とその信者という関係。知能が高く、周りに人を寄せ付けない。夜の退屈にうんざりしている。不眠症。(と、いうより本来吸血鬼は昼に眠るが睡眠薬で夜に眠る事が出来る)
文月灯
本を読んでいるか書いていないと死にたくなってしまうので常に本を読んでいるビブリオマニア。姉がいたが灯が生まれる前に飼い犬に食い殺されており、自分は姉の代わりとしての人生を送らなければいけないと思いこんでいる。藍暗勢力の魔術師。不眠症。
薬師寺翔子
複数の病院に通ったり裏取引の売人を魔術でだましたりして大量の向精神薬を所持している。藍暗勢力の魔女。不眠症。
鴻上青
幼い頃から魔術的な人体改造を受け続け、ヒーローとして生きるべく育てられた少年。電気を操る。日常から非日常まで様々な事件を解決することに強迫的な使命感を感じている。藍暗勢力の魔術師。不眠症。
京極叶
長門透也達の主治医。精神科医兼藍暗勢力の魔女。診察室で煙草を吸うなど患者からの評判は悪いが、藍暗勢力の仕事を手伝うことで収入を得ている。
湊瑠依
少女教の教祖。いつか見つける理想の少女と共に「不思議の国」で永遠に遊び続ける事を目的としている。少女の
鳴海エリス
今回の吸血事件が藍暗勢力の暴走だと判断したバチカンから派遣されてきた
涙川望
透也の両親を殺し、透也に虐待を行った無性の魔女。透也に天使化の能力を与えた。
藍暗弥宵
藍暗咲夜の母親。現在の藍暗勢力の崇める神。吸血鬼。
藍暗卓司
藍暗勢力のトップ。教祖。藍暗弥宵の眷属で殺人鬼。
常盤鏡夏
幼い頃涙川望により主人公と同じ目にあわされた主人公の合同でありながら正反対の存在。両性具有の少年であり、「天使の火」という燃やしたい物ならなんでも燃やし、燃やしたくない物は何も燃やさないという異能を持つ。涙川望の目的は「天使の孵化」であり、そのために身体的に男でも女でも無い長門透也と常盤鏡夏を狙ったと透也に伝える。
《序盤》街で少女が殺されて血を抜かれるという連続事件が起きた。「教会」は藍暗勢力の吸血鬼の仕業だと睨んでいて、既に動き出している。魔術教は血を吸うのが吸血鬼以外に合理的な理由が無いと言う理由で助けてくれない。藍暗勢力は事件の捜査を続けているが、藍暗勢力の教祖、藍暗卓司は長門透也にも捜査に協力するよう頼んでくれないかと相談する。吸血鬼が教会に狙われていると言う事は咲夜にも危険が及ぶという事なのでその相談を受ける。同時期に、使用するとトリップしてトリップした先の世界で自分の理想の少女と会えるというドラッグ「GIRL」が流行する。その成分は砂糖、スパイス、そして殺された被害者達の血液が微量に含まれていた。違法な物が何も含まれていない為、そして有効成分がわからないため警察も規制に困っていた。魔術師達はこれも錬金術師によるものだと考えていた。透也はまだ高校生なので、藍暗勢力の仕事にかかわる義務はない。けれど不眠症の彼は夜に徘徊する癖を持っていた。吸血鬼である咲夜も不眠症なので(と、いうより吸血鬼は本来昼に寝るものなので、社会に適応するために睡眠薬で夜に寝ている)一緒に夜の街を散歩していると、少女の叫び声が聞こえた。そちらに向かうと咲夜そっくりの姿をした少女が道を歩いていた少女に襲われ、血を吸われていた。咲夜そっくりの人形(ドール)は透也達を見つけると近くに会った積み上げられた木材に右手から火炎放射器のように火を噴射し、火を着けて逃げ出した。木材が積み上げられた家は木造建築なのでこのままでは大火事になるかもしれない。咲夜は襲われた少女に記憶改竄の魔術をかけ、水の魔術で木材を鎮火しようとした。そして透也に人形を殺すように命じる。透也は人形を殺し、咲夜は藍暗勢力に事態の復元を求め電話をした。殺した人形をポリバケツに入れ、蓋をして二人は帰った。
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