氷の僕と太陽の君
Siranui
プロローグ「絶対零度の僕」
――僕は冷たい。氷のように冷たい人間だ。ついた二つ名は『絶対零度』。もちろん心の方の意味で。それ故に常に一人で行動していた。周りからしたら耐えられないのかもしれないけど、僕はその日常に慣れすぎて一人は嫌だなんて一切思っていない。
そう、僕――
僕はとうの昔に事故に遭って脳に障害を負った。それも中々酷いもので、一度覚えても一時間も経てばすぐに忘れてしまうといったもので、認知症に似たようなものだった。
それっきり、僕は人との関わりを避けながら生きてきた。一時間しか覚えられないんだ。一度関わってもすぐ忘れるなら最初から作らないと心の中で封をしていた。当然
だから、自分がどう思われようがどうでも良かった。どうせこれからも独り身で生きていくんだから。
でも、そんな『絶対零度』の僕の心はあの人に会ってから徐々に溶けていくような気がしてきた――
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