番外編
「湊ってすんごいモテるな」
大学生の湊は、クラスの友達の瑛人に言われた。
「ん?そうかな」
「そうだよ。彼女いっぱいいるじゃん」
「…それだと一度にいっぱいいるみたいじゃんか。元カノが多いだけで、付き合うのは一人だけだよ」
湊と瑛人は、大学の学食でご飯を食べている。
湊は大学では、猫をかぶるのをやめたので、友達はさほど多くはない。
瑛人は数少ない友達で、お調子者のくせになかなか勘がいいやつで、話してて心地がいい。
「元カノ多いのがすごいんじゃん」
「んー…、すぐ別れるけどね…」
「何で?」
「んー…、最初から遊びで付き合ってるから…」
「うわっ。最低ー」
瑛人は、笑う。
ここで笑ってくれるのが、瑛人のいいところだ。
「彼女にも、付き合う前に確認してるんだけどね。やっぱりちゃんと付き合いたいみたいに言われて」
「付き合えないの?」
「うーん、そうだね」
「何で?」
「…そこだけが、俺の誠実な所で、心はもてあそべないっていうか…」
「体はいいのに?」
「体はいいんじゃない?」
「へぇ」
ご飯をモグモグ食べながら話す。
「瑛人もモテんじゃん」
「湊ほどじゃないよ」
「だな」
「やなやつ」
瑛人は笑う。
「でも、好きになって欲しい人には好きになってもらえかった」
「ん?誰?」
「中学一緒だった人」
「えー?!じゃ、何年も片思いしてたの?!嘘だぁ」
「ね…。もう、全く可能性ないから、諦めてるだけど。それ以上に好きな人って中々…」「純情…」
「だろ」
「やめなよ」
「なんでだよ」
湊は笑った。
湊は、えりの事がなかなか忘れられなかった。
パブロも帰ってきて、2人は結婚するんじゃないかと、えりの弟の孝司から聞いた。
もう、完璧に無理だと理解しているのに、何故か、忘れられない。
(結婚してから、諦めよ…)
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