*1話(ヒカルSide


高校2年生の春。

部屋の姿鏡の前で、今年から新しいデザインになった制服に腕を通す。


「新しい制服・・・」


見慣れない制服のデザインに、私が私でいられるタイムリミットが迫っているのを感じた。


しばらく、そのまま立ち尽くしていると、ドアをノックされた。


「お嬢様、お車の準備ができました」


ドアの向こう側で使用人が声をかけてきた。


私は、私立佐々木学園の理事長の孫、佐々木ヒカル。

お金持ちの家に住んでいて、家事などは全てここで働いている使用人が行ってくれる。


ベッドの上に置いてあったカバンを持ち、自室を出て行く。


私はこれから将来、継ぐことになる学園で高校生活を送る。

自分で選んだ未来のようで、そうじゃない未来。

私は自分の誓いを守るために今日も生きてる。

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