デスゲーム 召集令

中条修二

 『中条修二様へ

 私はあなたの秘密を知っている者です。それと同時に、あなたの知りたい秘密も知っております。あなたが人生をかけて追い求めている秘密を私だけが知っているのです。

 今回その秘密を修二様にお教えいたします。ただし、そのためにはゲームに参加していただく必要があります。

 ゲーム内容については当日に詳しくご説明します。ご都合がつきましたら指定の日時に以下の場所までお越しください。

 また、大変恐縮ですが今回のゲームは招待制ですのでお一人または、ほかのお客様とお越しください。』

 中条修二はその手紙が家に届いたことに驚いた。家の住所をなぜ知っているのだろう。

 彼の家は彼の父が建てたもので、住み始めてから誰にも特定されたことはなかった。

 封筒には手紙と地図が入っていた。地図は鳥取県近くの日本海に面した孤島だった。

父が死んで行動範囲はとても広がった。今年で二十になるから当たり前と言えば当たり前だ。

父はとても心配症で俺が目立つことを嫌った。

父が死んでもうすぐ二週間が経つところだ。組のことは母に任せている。大学を卒業するまでは自由に暮らして良いそうだ。

 それにしても、修二の秘密とは何のことだろうか。修二は頭を悩ませる。自分がヤクザの次期組長であることか、それとも。

 修二はこのゲームに飛び込んでみることにした。

 自分の秘密を知っている者がいるなら消しておきたい。それに、俺が知りたい秘密は自分のためではない。

俺には本来償わなければならない罪がある。それを主催者は知っているのだろうか。果たして誰が参加するのだろうか。

 修二はとりあえず母親に相談してみることにした。

「母さん、こんな手紙が来たんだけどどう思う?」

「修二、そんな手紙は捨ててしまいなさい。罠かもしれないでしょ」

「でも、俺は行ってみたいと思う。俺の秘密を知っているなら誰なのか知りたい」

修二はそう言って電話を切った。

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