第10話 

「いつまもで、ここにいてもしかたないにゃー」

「ちゅー」


 ブーナはすたすたと宝島のいりぐちにはいると、ニーナがなにやらひげをぴりぴりさせた。


「にゃーーー! かゆいにゃーーー!!」

「ちゅーーー!」


 なんと、宝島にはかゆくなるむしがたくさんいたのだった。


 ブーナはそれでもすたすたとおくへとあるく。

 ニーナもすたすたとおくへとあるく。


「あれれ? いきどまりだにゃー」

「ちゅーー」


 宝島はちいさなちいさなどうくつだった。

 ふたりはそれでも母猫をさがした。


 けれども、母猫はここにはいなかった。

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