「ワタシ、ワタシノ名前ハ何デスカ」

　山田の決まり文句。

　山田はセンサーで確認している。人のことはなんでも分かる。感情も読み取れる無機質なロボット。

　山田に意思はない。当たり前だ。ロボットなのだから。

　そう思っていた。

　ロボット、創られたロボットに意思などない。

　決めつけていた。

　気づいた時には手遅れだった。

「ワタシ、ワタシノ名前ハ何デスカ」

　追ってくる山田。

　いや、きっと山田には――――。

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