好きな人を当てる診断

 高校生の頃のことだ。

 私は診断サイトというのに親友とハマっていた。

 情報の時間に、課題が終わると自由時間があったのだが、親友と一緒に1つのパソコンを囲んで、診断サイトでお互いの名前を入力し、出てきた診断に対して話し合い、笑いあっていた。

 その診断サイトは名前だけを入力したら、あなたの性格のタイプを当てる、運命を当てるなど様々なバリエーションのある診断ができた。ユーザー登録すれば、誰でも診断が作れるので、今思えば、ランダムで、ユーザーがあらかじめ登録した文言を、特定の文字(この場合、名前)に対してだけ、表示するという単純なサイトだったわけだが、私は当時そんなこと詳しくなくて、楽しんで名前を入力し、診断していたのだった。

 そんなある日のこと、いつものように親友と一緒に診断サイトにアクセスすると、とある診断が新しくあがっていることに気付いた。

 それは、『好きな人を当てる診断』というものだった。

 私たちはおもしろがって、自分の名前をお互い入れた。

 私の名前を入力すると、『山月 学(やまつき がく)』(仮名)と出て、

 親友が名前を入力すると、『小田倉 正太 (おだぐら せいた)』(仮名)と出た。

 そんな名前の人たちは知り合いにおらず、私たちは、「この診断、適当過ぎんだろ!!」と笑いあった。


 そして、その日から、10年もの月日が流れ、私は今27歳だ。

 先日、結婚し、籍を入れた。

 名字が変わり、


 親友には今、結婚を前提に付き合っている彼氏がいるらしいが、その人の名前は怖くて聞けないでいる。

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