第121話 Side - 15 - 63 - ぶれすれっと -

Side - 15 - 63 - ぶれすれっと -



おはようございます、私はリーゼロッテ・シェルダン15歳、・・・もうすぐ16歳になるのです!。


「ふぁ・・・眠いや・・・」


ガタン!、ゴトッ!・・・


「あぅ・・・%#$?*#&!!」


「え、なに?、すごい音・・・あ、コナンザがいない!、まさか・・・」





コツ・・・トタ・・・コツ・・・トタ・・・


「どうしたの・・・ってまたなの?」


「おはよ、お姉ちゃん・・・何でこの子、トイレの鍵かけないの?」


「いや教えたんだけどね・・・、そういえば昔、狭いところが怖いって言ってたっけ、お屋敷のお手洗いはここの8倍くらいの広さがあるから狭くて怖いのかな、・・・幸い大きい方はしてないみたいだね、今日は・・・撒き散らしてないし」


「8倍・・・」


「お屋敷は広いから平気なのかも?、あ、龍之介、これからお仕事でしょ、悪いけどまたお部屋まで運んでくれないかな、私、昨日寝たの遅かったからコナンザと一緒にもう一眠りするよ」


「いいよ、よいしょっと・・・、やっぱり軽いね、この年齢の平均より軽くない?」


「うん、かなり小柄、お父様は大きいのに・・・お母様に似たんだと思う、顔そっくりだし」





「これでいいかな」


「うん、ありがと龍之介、多分10時ごろまで眠るかも・・・お昼はお爺ちゃんのところで食べるからお母さんにも言っておいて」


「分かった、じゃぁ行ってくるね」


バタン・・・





「んぅ・・・お姉ちゃん・・・」


「起きた?」


「ん・・・頭痛い・・・ぐすっ・・・」


「よしよし、痛かったねー、お手洗いの扉はきちんと鍵をかけないとだめだよ、もしかして狭いお部屋が怖いの?」


「・・・」


「お姉ちゃん、・・・ぎゅって・・・して・・・」


ぎゅぅ・・・


「一緒に寝るのも久しぶりだねー、相変わらず抱き心地いいけど私より大きくなったから、あと1年くらいかな・・・」


「やだ、まだお姉ちゃんと一緒に寝たいの」


「こっちに来てからすごく甘えてくるね、・・・キティちゃんの件が原因かな」


「・・・うりゅ・・・ぐすっ・・・ひっく・・・ふぇぇ・・・」


「私もまさか宰相の協力者だったとは思わなかったよ、かわいい義妹ができて嬉しかったのに、・・・それにコナンザにあんな酷い事を・・・」


「・・・怖かったの・・・悲しかったの・・・ぐす・・・」


「はいはい、お姉ちゃんがついてるからね、誰も見てないこっちで気が済むまで思いっきり泣いて・・・元気出して・・・」


「うん・・・」





「でも、これだけ毎日頭をぶつけてたらバカになっちゃう・・・みんなと一緒に渡す予定にしてたけど、先に渡そうかな」


「・・・なに?、お姉ちゃん」


「ちょっと待っててね、机の引き出しに置いてあるの」





「はいこれ、あげる」


「これは、ブレスレット?」


「お守りだよ、ここの小さい宝石に血を一滴付けて・・・あ、コナンザは血もだめだったね、この前、実験のために血をもらった時も泣き叫んでたし、・・・ここに唾液をつけて」


「うん・・・」


「ほら全体が虹色に光ったでしょ、これでこのブレスレットはコナンザにしか使えない、同じものをお父様やお母様、それから叔父様にも用意してるの、先に渡しておくね、左腕にはめて、この宝石に魔力を通してみて」


「・・・わ、サイズがぴったりに縮んだ・・・」


「よく似合ってるよ」


「あれ・・・外れない・・・あぁぁぁ・・・お姉ちゃん外れないの・・・ぐすっ・・・えぐえぐ」


「登録した持ち主と私以外は外せないようになってるの、宝石に魔力を通して、外れろって念じてみて」


「・・・あ、外れた」


「コルトの街に売ってた魔鉄のブレスレットに魔力を沢山注いで、魔法陣を刻んだの、博士が街中の魔鉄アクセサリー買い占めてたから探すのに苦労したよ・・・これは私の腕輪と繋がってて、お話ができるんだよ、できればお風呂の時や寝てる時も・・・ずっと外さないで付けていて欲しいの」


「お話?」


「ほら、「おはようコナンザ、お姉ちゃんだよ」・・・聞こえるでしょ」


「うん、すごい、ブレスレットからお姉ちゃんの声が聞こえた」


「それから、これを付けてる間は、殴られても斬られても、魔法を撃たれても無傷だよ」


「え、なにそれすごい」


「だからと言って危険な事はして欲しくないけどね、将来はシェルダンの当主になるんだから、これは誰かに襲われた時のお守り、大事にしてね」


「ありがとうお姉ちゃん」


「さて、お昼ごはん食べに行こうか」





「私とコナンザの身長差は・・・頭半分くらいかな、なら私のパーカーとレギンスでいいかなぁ・・・ほらコナンザ、こっちに来てお着替えしよう」


「お・・・お姉ちゃん、一人で着替え・・・できるもん、そこまで子供じゃないよ」


「遠慮しないでー、これ以上大っきくなったらできないから今のうちに・・・大丈夫だよー怖くないよー、フフッ・・・、お姉ちゃん弟に変な気は起こさないから」


ワキワキ・・・


「やだ・・・お姉ちゃんなんか怖い」


「お姉ちゃんの言う事を聞くのだぁ!」


「い・・・いやぁぁ!」





「うぅ・・・ぐす・・・ふぇぇ・・・」


「ほらほら泣かない、鏡見て、よく似合ってるよ、ほら私とお揃い」


「動きやすくて楽・・・これお姉ちゃんの服?」


「アメリア様・・・うーん、ここだけの話、建国の大魔導士様って死んでなくて今は日本に住んでるの、ローゼリアと日本を行ったり来たりしてるんだけどね、日本でやってるお仕事は運動服の開発や設計でね、着てる服かっこいいねって言ったらいっぱいくれたんだぁ」


「建国の・・・大魔導士様?、生きてるの?、え、待って、お姉ちゃん知り合いなの?」


「うん、仲良しだよ、とは言ってもこの前知り合ったんだけどね」


「すごい・・・」


「じゃぁ行くよ、お爺ちゃんの喫茶店に転移!」






「お爺ちゃんおはよー、何か食べるものある?」


「あぁ、理世ちゃんか、そっちがこの前言ってた子だね、用意するから座りな」


「理世さんいらっしゃーい、あ・・・」


「え・・・」


お爺ちゃんのジャズ喫茶でアルバイト中の苺ちゃんが手をワキワキさせて近付いてきました。


「き・・・」


「き?」


「#&?」


「きゃぁぁかわいい!、誰この子、理世さんと似てる!、お・・・お持ち帰りしたい!」


苺ちゃんがコナンザに抱き着きました、・・・あー、またコナンザの心の傷が増えるのです・・・。


「#&”((>_<))&$%+@!!!」


「え、なんて言ってるの?」


「ヤダ・・・ヤメ・・・テ・・・クダサレ・・・」


「惜しい!、コナンザ、「やめてください」ね」


「わぁ、日本語喋れるの?」


「紹介するね、・・・私の弟のコナンザだよ、日本に遊びにきましたぁ」


「お・・・弟?、うそ、男の子?、どう見ても女の子だよ!」


「・・・本当だよ、見る?、・・・今日はレギンスだから・・・」


「わぁー、いい!、いいよ!、信じる!、見せなくていいから!」


「そう・・・」


「で、コナンザくんはしばらく滞在するの?、またどこかに遊びに行こうよ!」


「うん、10日くらいかなぁ・・・ちょっと向こうで辛いことがあってね、凄く落ち込んでるから・・・姉としてはこっちで遊んで元気になってもらおうかなって・・・、王女殿下の時みたいにナンパや怪我にはそれほど気を遣わなくていいし」


「そうだねー、中学1年生くらいの見た目だからナンパは無いかなぁ・・・でも誘拐されるかも、私も見た時お持ち帰りしたいって思ったし、辛い事って・・・聞いてもいい?」


「うん、・・・婚約者だった仲のいい女の子が実は敵の協力者でね、・・・それがバレてコナンザを人質にとって逃げようとしたの!、うちの家族みんなと仲良くしてたのに・・・騙されてた・・・そのせいでコナンザは部屋に引きこもって毎日泣いてて・・・絶対許さないのです!」


「わぁ・・・向こうは大変なんだね、でもこんなに小さな頃から婚約者いるんだぁ・・・」


「・・・うん、この子は筆頭貴族家の次期当主だから早く婚約者を決めておかないと、・・・悪い羽虫がいっぱい寄ってきて面倒なの」


そして私とコナンザはお爺ちゃんの作ったオムライスを食べて外に、お店と家は歩いて20分くらいだからお散歩して帰るのです、「危ないよー」って苺ちゃんは心配してくれたけど、いざとなったら転移して逃げるのです!。


「さぁ、コナンザ、日本で何して遊ぼうか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る