後始末
些細な不注意と手違いで家飲みに来ていたバイト先の先輩を殺してしまい、実家の兄を呼び出し手伝ってくれと泣きつき二人で地元の山に埋めてから三年が経つが、相変わらず月命日の夜になると、生前よく喫煙所で見かけたときのように煙草を咥えた先輩が「何となくで殺されるとこっちも具合が悪いんだよ」「埋めるにしてもせめてお前ひとりで埋めてくれればよかったのに」「それくらいしか後悔もないんだよね俺」と紫煙を燻らせながら少しばかり拗ねたような顔で夢枕に立っては朝までだらだらと恨み言交じりの雑談を喋り続けるので、いっそ要望通りに掘り返してから兄の力を借りずに一人で埋め直すべきなのかもしれないと俺は真剣に考えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます