兄はソト、兄はウチ
七連勤の果てに得た泥のような眠りを貪っていた月曜の朝、玄関のドアを乱打する音と怒号の合間に自分の名前を呼ぶ声に叩き起こされ、何だろう俺これから殺されるのかなとベッドから起き上がろうとしたら「外に出るなよ、ここに居れば兄ちゃんが何とかしてやるから」と微笑む男がベッドの傍に座り込んでこちらを見ており、俺一人っ子なんだけどこの人誰なんだろうと考えながら玄関の怒声に耳を傾ければ合間に「兄ちゃんが助けに来たぞ、だから早く出てきてくれ」という叫びが混じっていて、だから俺には兄ってものはいないんだよなと思いつつ、目の前の男にとりあえず煙草を一本吸ってもいいだろうかと尋ねてみることにする。
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