寿命に火を点けて
母と父の浮気相手が心中と相討ちの中間のような死に方をしたのが去年のことで、それから一緒に住むようになった腹違いの兄は拍子抜けするくらいに普通のいい人で、何かにつけて煙草を譲ってくれるので、最初はありがたく受け取っていたが最近では週に二箱という常軌を逸したペースになったので、さすがに意図を知っておきたいと二人で飲みながら世間話のように問えば、ストゼロを二缶空けてから「このままだと寿命的には俺お前のこと置いてかないといけないし、せっかく弟ができたのに、寂しいから」と怪しい呂律で呟いてから「法律には違反しないように頑張ったんだよそういうのお前嫌いだろうから」と兄は顔中をくしゃくしゃにして笑う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます