もう一本、どうですか
煙草を切らして吸い足りずにいるときにいつも「良かったらどうぞ」と一本だけ寄越してくる後輩に、そろそろ結構な本数を借りているような気がしたので何か欲しいものはあるかと尋ねれば「もうちょっと貸してから考えます」と値踏みでもするように右目だけを細めながら煙を吐くので、このまま借りが積み上がっていったらろくなことにならなそうな確信じみた予感こそあるが、一体こいつは俺から何を取り立てるつもりなんだろうと、未だに銘柄の分からないやたらと甘い煙にまとわりつかれながら俺は後輩の横顔をぼんやりと眺めている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます