舌先検分サイズ
喉が弱いのでこの時期になるとのど飴が手放せない。
渋甘い飴を舐めながら街を歩いていると、ある交差点や家に近づくと飴の味が微かな血の味に変わることがあるので、そういうときは道を変えるなり戻るなりしていたのだが、いつものように飴を舐め転がしながら帰宅し玄関を開けた途端に強烈な鉄錆の味がしたので戸惑っていると、暗い廊下の奥から「おかえり、遅かったな」と兄が出迎えてくれたのだが、就職して家を出たはずの兄がここにいる訳と背後の部屋がどうしようもなく真っ暗な理由を尋ねるべきかそれともすぐに逃げるべきなのかを迷っているうちに、口の中は血の味でいっぱいになっている。
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