来たるべき■■に備えて
「悪意も敵意も有象無象虫みたいにその辺を飛び交ってるんだけど、機関に頼るのも申請が難儀だし結局自分の身は自分で守るしかないんだよな」と二ヶ月ぶりに大学で見かけた先輩はそんなことを一方的にまくしたててから、突然声を潜めて「じゃあこれ家の庭に埋めな。お前だけ特別、どうせみんなは助けらんないからさ」とフォークをひどく深刻な顔をして差し出すので、とりあえず受け取ってしまったのだけども、帰宅してから先輩卒論とか就活とか辛かったんだろうかと鞄から取り出したフォークの先に艶やかな蝉の抜け殻が刺さっていて、これは助かったのかそれとも手遅れなのかの判断が俺にはできずにいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます