危ない火曜日

 帰宅したアパートの自室、玄関の前に目を開けたままの男の首が転がっていたのでまずここから逃げようとした途端、生首が「すみません怪しいものじゃないんです」と口をきき、呆然としている俺に向かって「僕隣のものなんですけどこんな風になっちゃって困ってるんですよ」「その辺で手足とか落ちてませんでしたか」と畳みかけられ、とりあえず手足は見かけていないと答えれば明らかに落ち込んだ顔をしたので、どうしてこんなことになったのかと尋ねれば「火曜日だと思って油断しました」と当然のように答えが返ってきて、そういえば俺はこれまで火曜日の危険性について考えたことはなかったなとどうでもいいことを考えている。

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