スクリーム・キング

 お盆も終わる頃になってから、毎晩のように夜中の二時になると目が覚める上に指一本動かすことができずおまけにこちらを覗き込む白くぼんやりとした人影と目が合うようになり、最初の夜にあまりの恐怖に全力で叫び声を上げたところ影は掻き消え俺も起き上がれるようになったので、その後も同じ目に遭い人影を認識した時点でとにかく絶叫していたのだが、最近では俺が目を覚まし口を開いた時点で影が耳を押さえて蹲ってから耐えかねたように床に倒れ込んで消えるようになったので、勝負で言えば俺の勝ちなのだろうけどもその反応になんとなく釈然としないものを覚えたまま眠りにつく夜が続いている。

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