ましてや男、ましてや実父
俺の父は子供の誕生日も覚えていないし話しかけても余程面白い内容でなければ返事もしないし休みの日に家族と過ごすどころか母にも何も告げずに一人で出かけるような人だったので、俺が就職してすぐに蒸発したのもさして驚きはなく、当然七年が過ぎても帰ってこなかったのでそれなりに諦めてはいたのだが、先日十連勤を終えて安アパートの自室に帰宅した途端に洗面所にぼんやりと立ち尽くしている父に遭遇したので、やっぱり死んでたんだなとか今更何しに来たんだろうとかと考えつつ、どうせまたいなくなるんだろうなという予感を抱えながら、とりあえずは親孝行の真似事でもしてやろうと父に供える酒の種類に悩んでいる。
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