静かな日々の怪段を
アパートの外階段、下から数えて八段目は毎度踏むたびにぐんにゃりと泥のかたまりでも踏んだような感触がするのだけども、以前飲み潰れて終電を逃したというので仕方なく泊めてやった後輩が言うには「あそこの段に人の胴体だけごろんと転がってるんですよ」とのことで、俺としては何の変哲もない階段としか見えないし足元の感触が気色悪いというだけのことなので引っ越したりする気は全くないのだが、知らなかったとはいえ人らしいものを踏みつけることには多少の罪悪感があるのも確かなので、とりあえず胴体のどの箇所ならまだ踏まれてもマシなのかを観察するために後輩にどうにかして部屋にもう一度来てもらおうと考えている。
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