ポルターガイスト(暴)

 大学進学と同時に入居したマンションの自室は、勝手に室内のドアが開くとか腕が床に落ちているとかうめき声がするなどのありがちな現象を一通り取り揃えていたのだけど、這い回る腕や声は早い時期に慣れてしまったのだが、勝手に開くだけならまだしも開いた扉が勢いよく壁に叩きつけられることで発生する轟音には未だに困らされていて、振動で物が落ちる上に寝ているときにやられると飛び起きてしまうので、どうにかできねえかお化け仲間だろと床に張り付いている手首に相談したらば平たくなってベッドの下に逃げ込まれてしまい、そういえば最近うめき声を聞いた覚えがないということに俺はようやく気づく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る