正しい保管状態ならばいつまでも、
飲み会で終電を逃したときにいつも泊めてくれる一人暮らしの先輩は、基本的に生活に頓着というものがないようで部屋にも風呂にも冷蔵庫にも最低限の文化的生活基準をどうにかクリアする程度の物品しか置いていないのだけども、パックの烏龍茶とビールに見切り品の食パンぐらいしか入っていない冷蔵庫の冷凍スペースにハーゲンダッツの小さなカップが一つ、少なくとも去年の夏から霜にまみれて安置されているのを不思議に思って尋ねたところ、「好物だったんだよね」と咥え煙草のままいつもの静かな声で答えを返してくれたけれども、その表情は換気扇の低い唸りと仄暗い照明にぼやけている。
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