『でんわ』

やましん(テンパー)

『でんわ』


『このおはなしは、カクヨムさまと、エブリスタさまに同時にお出しました。ただし、双方の都合により、後半から、まったく違っております。』




 ある朝、うとうと、ご飯を食べているうちに、すでに勤務時間になってしまった。


 ちょっと風邪気味だな。これは、いずれ、ころなか、こあらか、これからか。


 まずい、めまいするし、お休みにしよう。


 と、携帯から電話を掛けようとしたが、目の前がかすんで、うまく数字を押せない。


 熱があるみたいだ。


 と、どこかに通じたが、さっぱり訳の分からないところにつながったらしい。


 『はい。アンメリカ宇宙開発公社です。』


 『す、すいません、まちがえました。』


 『え〰️〰️〰️、どこにかけてるのよ。あんた。ガチャン。』


 『あらら。まずいな。しかし、連絡しないと、無断欠勤は、しざい相当だ。え、ぴぺぴぽ、あら。ああら、勝手に動くぞ。なんだこりは。』


 携帯が暴走したのである。


 勝手にあちこちに掛けているようだ。


 暴走しても、どこかにつながる。


 『まずい、まずい。』


 必死に赤ボタンを押したが、反応無し。


 スイッチを切ろうとしたが、こちらも、反応なしである。


 あちこちに、どんどんと、つながっているみたいだ。



 『あい。なかがわけん、公安委員会す。』

 


 『パプリヤしょうぼう連合会す。火事ですか。緊急すかあ?』



 『はい。こちら、ハタマナハ国バリバリ秘密情報局ね。なにかな?』



 『ふとはら県警です。じけんですか、じこですか。』



 『あ、あの、間違えたみたいでして〰️〰️〰️。すみません。』



 どうなってるのかわからないが、これらの全てにつながっているらしい。


 『まちがい〰️〰️〰️。あんた、それですむのかあ…………… 』


 『あ、あんた、ぶらっくクランチか。連絡を待っていた。うまくいったか? 暗殺だ。もち。』



 『あれが、間違いだったのかあ。なるほど、やはりな。では、核爆弾を使おう。』



 『なんとお? じけんですね。いいですか、落ち着いて。あわてなくて、ダイジョブですから、

ゆっくりと。誰かいますか。いますね。はいか、いいえで、オッケーです。ごうとうすか?』



 『いや、ですから、これは、まちがいでした。』



 『まちがいでしたあ? あんたな、こっちで、なにがおこってるか、わかってるのかあ!』



 『あ、では、傷害事件すね。』



 『なに、相手をまちがえた? だれを、やった? バナパルトか? そうなんだな。』



 『なんと。そっちも、間違いか。やむをえない。コバルト爆弾にしよう。』



 『いや、これは、すべて、まちがいです。』



 『え? あの事件は間違いか? そらまずいな。せっかく、知事を逮捕できたのになあ。わかた、いったん、撤退する。』



 『なあに? 火事はなかったのか。むむ。なら、救急?』



 『いや、バナパルトなら、よい。どうせ、やる相手だ。よくやった。』



 『すべてか? しかたない。世界中にありったけのコバルト爆弾を投下する。さらば、友よ。』



 『な、な、な、どうして。もしもし? あら。もしもし?』



 なんだか、よくわからいことになった。



 あえいでいるうちに、例によって目が覚めた。


 しかし、8時半過ぎている。


 『あちゃー、たいへんだ、連絡しなくちゃ。』


 と、結局は、あわくったのである。



 それから、はたとして、気がついた。



 『しごと、7年前に、辞めたっけ。』




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『でんわ』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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