第20話 捜索とスキルレベル上げ

 オークやゴブリンのボス。

 それに該当しそうなのはゴブリンキングとかオークロードとかだろう。


(亜種へと変化した魔物は見た目も普通の個体とは大きく変わるはずだから、見れば分かるはずだ)


 ただし確実にそうだとは限らないので、捜索の最中に見かけた魔物はとりあえず狩ることにしている。


 もしかしたら普通の魔物に擬態している可能性もあるので。


 今のところ亜種に遭遇することもなく擬態している奴もいないから空振りだ。


 ただそのおかげもあって保有ポイントもそれなりに稼げてはいる。


(あれからランクも2上がってステータスも上昇したからな。そのおかげもあって戦闘も大分楽になってるのは助かる)


 どうやらランクが1上がるごとに、全ステータスがランダムで1から10の間で上昇するらしい。


 あるいはジョブなどで何かの法則性や補正が生まれるのかもしれないが、今のところは不明なので気にしても仕方がないだろう。


 それ以外でも幾つかのスキルをショップで購入してある。


 そこからスキルのレベルを上げる際に必要なポイントについても大よそ分かってきた。


 身体強化をレベルⅡに上げるのに必要だったのは6000Pで、INT上昇もそれは同じだった。


 ただそこからINTをレベルⅢに上げる際には12000P。


 そしてレベルⅣに上げる際には24000Pも要求されたことから察するに、どうやらスキルレベルを上げるポイントは倍々で増加していくようである。


(念話もレベルアップで登録できる人数が増えたり、交信できる距離が延びたりするみたいだな。どうせ必要になるだろうからレベルを上げておくか)


 他のスキルでも必要そうなのは上げておくことにする。


 勿論、全てのポイントを使い切るのは何かが緊急で必要になった時に不味い。だからある程度は残した上で、だ。


 その結果、今の俺のステータスカードはこうなった。


『真咲 譲 ランク4

HP  39/39

MP  0/0

STR 24

VIT 19

INT 81

MND 25

AGI 33

DEX 24

LUC 18

ユニークスキル 無限魔力 魔力譲渡 界渡しの灯 空間跳躍

スキル インベントリ・レベルⅠ 身体能力強化・レベルⅡ INT上昇・レベルⅤ 念話レベルⅣ 超聴覚レベルⅡ 魔闘気レベルⅡ

ジョブ 帰還者

保有ポイント77310P

ショップ』


身体強化と魔闘気と超聴覚をレベルⅡに。


念話はレベルⅣに。


INT上昇はレベルⅤまでアップさせてある。


(ここまで上げるのに10万ポイント以上も消費させられるのは正直痛いな。だけど必要だから致し方ないか)


 魔闘気に関しては、場合によってはもっとレベルを上げることも考えたのだが、レベルアップしても効果の上昇はなくクールタイムが30秒短くなるだけだったので、レベルⅡで止めておいた。


 今のところクールタイムで困ったことはないので、必要になったら上げるので十分だと判断した形である。


 INT上昇を最優先で上げたのは魔闘気で戦うことや魔力譲渡の特性上、INTが自分に絶対と言ってよいほど必要だからだ。


「本音を言えば他のステータス上昇スキルを取ってレベルも上げたいところだけど、それをやり始めるとポイントが足りないからなあ」


 今は魔闘気を使えば、一時的にとはいえ81も全ステータスが上昇することで我慢するとしよう。


 なにせここまでの捜索などで大体オークは50体ほど。

 ゴブリンに至っては100体以上を倒して、それらの魔石をポイントにしても大赤字なのだ。


(現状の東京の狩場を独占している状態でも稼げるポイントは20000P程度。今後、俺以外がポイントを稼ぐために動き出したら、もっと稼げなくなるだろうな)


 戦ってくれる仲間が増えることは嬉しいはずなのに、ポイント的にはマイナスなのはかなり難儀な問題だった。


 それを解決できそうなのが御霊石なのだが、一度売ったらもう手に入らない以上はそう簡単に手を付けたくない。


(必要に迫られた訳でもなく手を付けると、その後も簡単に手を出しそうだからな)


 いざという時に躊躇うつもりはないが、かといって乱用するようになるのも宜しくないと、実に塩梅が難しいアイテムではないだろうか、これは。


 蘇生アイテムとなることなどからも、他にも色々と問題を孕んでいるのは自明の理だし。


(まあ蘇生の件については後回しだ。どうせ考えたって保有ポイントが圧倒的に足りてないのなら、いくら考えたところで意味はないんだから)


 ちなみに上位ハイグールとなった個体から手に入れた御霊石の売却額は、普通のグールから手に入れた物と何も変わらなかった。


「さてと、休憩も終わりにしますかね」


 俺だって人間なので、休まず動き続けるなんて不可能。


 だからこうして一定の休息を取る必要がある。その際に不意を打たれないように超聴覚も念のため強化しているのだ。


 異世界では隠れ潜む経験が多かったことから殺気や気配には敏感な方だし、それが分からなくてもこれで周りに配置した罠と併用すれば、どんな敵が接近してきても気付けるはず。


 そうして改めて新宿駅を起点に周囲を探してみたが、ボスどころか亜種も見つけられずに捜索は難航するのだった。


稼いだポイント

オーク(300P×56体=)16800P

ゴブリン(50P×123体=)6150P

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