第3話 初配信
まってまってまってミュートなってなかったってマジ??え、ゆう姉って言っちゃってるよね終わった??終わりました????
冬鬼ちゃんは春風先輩呼びで偶にゆうらちゃん呼びになるおんにゃのこのはずなのにやらかした…!?!?
《 設定変更、ゆう姉でいいので、配信しちゃっていいです byマネージャー 》
メッセージきちゃ!!よし、ゆう姉でいいのね!?いいのね!?
「こんふゆです。四季学園、高校2年生。カラフルライブ4期生の冬鬼せつなです………ミュートの件については忘れましょうか。」
『きちゃ~!!!』
『こんふゆ!!』
『こんふゆー』
『こんふゆ!』
『忘れられねえなぁ』
『敬語キャラだったのかい』
『ゆう姉…うん忘れた忘れた』
一気に流れるコメント。この生配信を見ている人も1万人となっており、かなり規格外である。ぅ…
「忘れたとかいいながら忘れてないじゃないですか。まあいいんですよ春風先輩については。ほら、30分しかないので自己紹介などしちゃいますよ…」
私が言い終わろうとしたその瞬間、扉からノック音が聞こえた。
…優姉???何やってんの??配信中だぞ??
「はいるねー」
入っていいかじゃなくて入るね??決定事項??え??泣きたい
「カラフルライブ所属の1期生春風と一緒に今日和。四季学園3年の春風ゆうらよ〜」
「…なんで入ってきたんですか春風先輩。」
「マネージャーからの許可はバッチリよ、ほら、自己紹介しましょ〜?」
コメントめっちゃ加速してるこわひ……
『え?????』
『オフコラボ???』
『まさかせつなたそ、ゆうらたそがよく言ってた妹ちゃん??』
『同棲!?!?』
「妹じゃないよぉ〜同棲については今後せつなちゃんがいうかもね〜」
「はぁ…もう進めますね…」
「あ、私あと10分したら配信始まる」
「春風先輩???」
〜 〜 〜 〜
「__ってことで、配信タグ、ファンアートのタグ決めてきたので言っちゃいます」
あの後さらりと抜けたゆう姉。なぜマネージャー許可したんや。
『おー』
『リスナーと決める式じゃねぇのかー』
『ネーミングセンス期待してんぞー』
「えーっと配信タグは
#冬鬼配信中
ファンアートは
#せつなる思いよ届け
ファンネームは決めそびれました」
『草』
『案外普通だな』
『覚えやすいね』
『センスよくね?』
『せつなーずとか』
『鬼狩り』
『↑某マンガやめろ』
『冬鬼民』
『冬っ子』
「……冬っ子で。あと残りは8分…まあ丁度いいですね。歌います。」
マイクセット完了、歌う曲はフォ○イ。私の声質にあった曲を選んだらしい。優姉が。
コメント欄は一気に盛り上がりをみせる。目を閉じてすぅっと息を吸い込む。
帽子を被った立ち絵から帽子をとる。すると、"鬼のツノ"のようなものが見える。そして、開かれた青色の瞳は金色に変わる。そしてそれを隠すように仮面をつけて__
さあ、歌うぞ。
「___。」
〜 〜 〜 〜
「ありがとうございました。」
歌い終わり、私はあくまでも何事もなかったかのように元の立ち絵に戻す。そうして一言感謝を述べる。不穏な私の行動、歌、立ち絵などのことについて触れるコメントが大量に流れる。
『めっっっちゃ歌うまいな』
『きれいだなぁ…考察班任せた()』
『鬼??冬鬼はがちおに??』
『帽子取り外せることについて触れないのは珍しいとは思ったけどさぁ…』
『さすが四季組なんよな』
『そんなことより、この歌のレベル宝石族でもやっていけるぞ』
『↑それな』
『わかる』
そろそろ終わるとしよう。ふう、とため息をついて立ち絵とともにふわりと微笑み、
「それでは皆様、鬼に襲われない刻にまたお会いしましょう。」
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